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2006年03月21日(火)


■ハリウッド・ホンコン
フルーツ・チャン監督の、やはり香港を舞台にした作品。見るたびに段々うまくなっているなあとおもうのだけど、その分新鮮さは段々失われていくような一抹のさみしさが。今回は軸になっている焼き豚屋の親子が面白かった。ただ「ドリアン・ドリアン」と比べ、女の子の魅力がちょっと弱いかな。魅力というか、彼女の気持ちに共感できる部分がまったくなくて、なんだかよくわかんないなっておもってしまいました。その分男のこの方はずいぶんよかったですね。しかし、妙に小技とか効いていて、なんとなくありがとう!という感じの作品でした。

■攻殻機動隊 SAC.2
ようやく全部観終わりました。最後はまたタチコマがバトーが。。で、ちょっと笑ってしまいました。でも一番はイシカワさんだな。攻殻機動隊は毎度話とかよくわからないのですけど、何を言っているのかわからないところが面白いのかもしれない。そのうち一気に続けて観たいなあ。クゼがずっと言っていた水は低きに流れるっていうのは、たぶんそのとおりで、自分が今読んでいる本ともシンクロして、ああもっときちんと立たなければいけないなあと身につまされました。とにかく終わってしまってさみしい(笑)。


2006年03月04日(土)


いろいろ見ました。

■オラファー・エリアソン「影の光」 原美術館
初原美術館でした。展示とは関係ないけど、万華鏡を買って悦に入っています。レンズがついていて、周りの風景を変化させるもので、人の顔を見ちゃいけませんが(ホラーです)、木などを見るとたいへん美しいのです。あと意外とこれでテレビを見るととってもキレイ。

エリアソンは、光の性質を利用し、ちょこっとだけ手を加えてアートにするという、どこか理科の実験のような雰囲気で、綺麗なだけではなくて好奇心をかき立てるといった感じで面白かったです。ちょっとだけ色の本を読んだことがあったので、もろもろの仕組みがわりとわかりやすかったのですけど、これが本当に美しいので、わたしたちの日常というものは少し視点を変えるだけで、こんなに美しいものを見ることができるのだなと改めて気づかされました。子どもの頃はよく虹をつくったものです。

わたしは外の風景をスクリーンに映し込んだものが好きでした。

■前田國男建築展 東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp
最近はすこし建物に興味が出てきて、またステーションギャラリーも今回の展示会のあと長期のお休みに入るそうなので、観に行ってきました。この方は上野のあの美術館群や、紀伊国屋書店の本店などを手がけているのですね。あまりに馴染みのある建物が多く、そして日本全国にある公共の施設などに多大な影響を与えたんだなというのがよくわかりました。んー、でもやっぱり木の質感のある建物が好きだな。あとは紀伊国屋の今のではなく、昔の建物がものすごくすてきでした。ゆったりとしていて、開放感もあり、何より本と建物の関係がとても好ましく思われました。

デザインとは関係はないですけど、模型がたくさんあり、ニセモノの木がなぜかいろんな種類でくっついていて、それがなんだかすてきでした。はは。

■三浦悦子人形展
谷中にあるすてきなギャラリーで見てきました。屋上に駱駝がいました。展示内容は前回のものと半分ぐらい被っていたのですけど、あとの半分は展示即売も兼ねたもので、ケースにおさまったものがずらっと並んでいて、ああ人形って…と不思議な気分になりました。今回もひとと観に行ったのですが、やっぱり見ているところがみんな違っていて面白いなあと思いました。わたしはちょっと身体から別の何かが生えているとか、そういうSFっぽいのが好きです。あと頭のないものが…。

■名和晃平 -GUSH- SCAI THE BATHHOUSE
http://www.scaithebathhouse.com/
ここの建物がすでにすてきでした。で、入ってすぐに緑のぶくぶくとした巨大なシャボンみたいな芋虫状のオブジェをくぐって、なんだかよくわからない手法で描かれたぶくぶくやあわあわしたものなどが。。あう、言語化できませぬ。

もう終わってしまっているのですけど、おう、今は宮島達男をやっているのですね。観に行こうっと。あの空間で宮島達男とはまたすごそうです。なんて、あまり詳しくないのですけどね。

■ニューヨーク・バークコレクション展 東京都美術館
http://www.tobikan.jp/museum/burke.html
この美術館の企画があまり好きではないので、できれば行きたくないんですけど(笑)、若冲が来ているのでやっぱり外せませぬ。ちなみにここの建物もやっぱり
前田國男さんの設計です。寄り道をしていたら時間がなくなってしまって、30分しかなく流し見してしまいました。埴輪から江戸絵画までと幅が広いので、つかみ所がちょっと難しいのですが、いい絵が数点あって、それなりに満足できました。

無名のものなんですが、麦の屏風がほんとうにすてき。バークさんの趣味のよさがうかがえます。あと初めてきちんと見た曾我蕭白、笑えるんだけどいやすごい。。今さらながら、京都に行ったときに見てくればよかったなあ。あと酒井抱一の桜の絵は、これはただただ美しかった。このひとは今まであまりぴんとくる絵に出会っていなかったのですけど、今度からもう少し気をつけて見ようと思いました。若冲の梅の絵は…。隣で見ていたおばかなおんなのひとが、「こういう天才って、自分を好きな女にはひどいんだよねえ」と言っていました。その後もぐちぐちと。わざわざお金払って何しに来ているんだろ。意味がわかりません。とんちんかんでもせめて絵の感想を言ってほしいものです。あほー。

気がそがれたので、一度出てからまた戻って見てきました。今度は落ち着いた感じの男のひとが「よく見るといろんな色があるねえ」と言っていて、ほっとしました(笑)。満開の梅の花ひとつひとつ、枝の一本一本に繊細な色付けがされていて、至近距離で見ると、見れば見るほど発見があって、ほんとうにうっとり。

ここから映画
■グレート・ビギン
http://www.herald.co.jp/official/great_begin/
ロードショーの途中で打ち切りになったみたいですが、けっこうよかったです。タイトルはちょっとひどいなと思いましたけど…。

ちらしに載っていたボタンインコを昔飼っていたので、この鳥を見るためだけにいったようなものだったのですけど、他の映像もいちいちツボに入り、かなり楽しめました。構成や語りは特にひねりもなく、ひたすら王道を行ってしまったのが物足りないといえばそうなんですけど、爬虫類や両生類が好きなひとにはたまらないでしょうな。ディープブルーと比べると、映画のできとしてはいまいちなのかもしれないのですが、見たことのないものが沢山見られたので満たされました。

■プロミス 無極
http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
久しぶりにやばいものを見てしまいました。。わたしとしてはイーモウの「LOVERS」ぐらいの鷹揚さ(笑)を持って行ったのですけど、わたしの期待していた200%ぐらいの面白さ。膝が笑ってしまうくらいの全力疾走!といった感じで、ひーもうゆるしてーと(笑)。この見終わった瞬間の充実感といったら! ほんとうにびっくりしました。カイコーすばらしすぎ。中国ばんざい! こういう映画が撮れる土壌があるっていうのは本当にすごいことだと思います。

ちなみにセシリア・チャンを取り合うとか、彼女が誰を選ぶのかとか、そういうのはたぶん本筋ではなくて、男たちが三つ巴になって戦い最後にふっと分かり合う…みたいなそういう感じの物語だと思います。振り返ってみるとストーリとか特にないかも。でもすべての場面において期待どおりか、それ以上の演出を見せてくれるので妙に幸福感というか達成感に満たされました(笑)

■ミトン
やっぱりきゅんきゅんしちゃうんですけど、3篇入っているものを最後まで観ると、かわいくてせつなくてそして怖いゾと思いました。2つめの「MAMA」が怖かった。

全体の色味とか小道具だとかが、センスがよくてさすが。ミトンのお母さんだけが妙にキャラが立っていたのも笑ってしまいました。たいへん気に入って続けて2回まわして見たりしました。飽きないなあ。また、セリフがまったくないのに、きちんと通じてしまうのことに、人間のコミュニケーション能力ってすごいんだなあと思ったりもしました。

■散歩する惑星
ミトンもそうなんだけど、こういう寒色系の色味って好きなんですねー。あとカウリスマキなどもそうなんだけど、こういうむづかしい顔をしつづけている人を見るのが妙に好きです。話はよくわからないまま笑ったりしていたのだけど、でもなんか妙に怖かったな。大勢のひとがどこかに向かっていて、デモをやっていて、人びとは集い、でも目的だけがわからないという。ていうかあのネズミ!