■映画の感想です。映画館で観たもの中心。普通にネタバレしてるのでお気をつけください。
■好きなのはハリウッドエンターテイメント。邦画は苦手。イケメン俳優に甘いです。美しい男を発掘するのがライフワークです。
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2012年12月31日(月) 「007 スカイフォール」


※ネタバレしてますよ!







お、面白かった…!端的に言って大の男二人(しかも現スパイと元スパイ)が老女を巡って熱いバトルを繰り広げるというものすごい映画でした。マニアックにもほどがある。だって今回のボンドガールはどう見てもMですよね。一応若手の女優さんも出てるけどお色気シーンが終わったらあからさまに使い捨てだし、それと対照的にMのヒロインっぷりは一貫していた。引き際まで。
つうかハビバルさん演ずる悪役シルヴァがツボすぎてもう…!何か巨大な組織を従えてる風で知的だけど気味悪さMAX、女も簡単に殺す非情ぶりを見せつけて登場したくせに実は切な系マザコン野郎というオチに愛しさがこみ上げました。ママのためにいっしょうけんめい頑張ったのに誉めてもらえないどころか逆におしおきされちゃったボクの哀しい復讐劇ですよ。なのに恨まれてるM本人はシルヴァをたいして覚えてないばかりか、「彼は勝手に行動して中国側に目をつけられた。だから切ったの」と一言で説明終了。
何それシルヴァかわいそうすぎる…!
もっと因縁めいた確執があるのかと思ったよ!二人だけの深い事情とか!!!
そんな不憫なシルヴァですが、あれだけの資金やQをもてあそぶほどの頭脳や技術を持ちながらいざボンドとMを追い詰めるときはド派手にヘリで乗り付けてポイポイ手榴弾を投げ込んでいくという無骨な力技(……)。しかもようやくMと対峙して一体どんな残虐な復讐に及ぶのかと思ったら、すがりついて「一緒に死のう引き金を引いてくれ」って…えええそれが目的?それでいいの???最後までママを独り占めしたいだけのダメな子じゃないか…愛しい…!

シルヴァの萌え語りは尽きませんが映画としても面白かったです。とても様式美にあふれた構成だった。テーマは世代交代。古いものを尊重し007の伝統を守りつつもシリーズをリニューアルする姿勢が貫かれています。世界名所巡り、カーチェイス、ハラハラアクション、(脈絡なく始まる)美女とのラブシーンなど各種お約束を踏襲し、また荒唐無稽なハイテクガジェットも出てこないしボンドカーに至ってはここに来てあえてアストンマーチン。時代遅れなスパイなど存在する意味があるのか?と糾弾されていたその時その場所にシルヴァが乗り込んできたことでMの正しさは証明され、最後に役立つのは昔ながらの武器だと差し出されたナイフがあったからこそシルヴァにとどめを刺せた。古風なものには意味がある、だから軽んじてはならない。しかしそれでも結果的にMは死に、時代に即してMI6の人員は一新されたのです。スパイ映画なのに敵の目的がテロでも世界征服でもなく純粋な私怨であるあたりも(間抜けと言ってしまえばそれまでですが)ある種時代の反映かもしれません、いやまじで。ともあれ新たな007の幕開けであることが強調される中、ラストでMの遺品としてブルドッグの置物がボンドに手渡されるエピソードは象徴的。ボンドは「どうでもいいものが残る」などとニヒルに嘯いていたけども、不屈の精神と忠誠はリニューアルされても変わることなく引き継がれました。

で!で!新たなMがレイフですよびっくりー!そういう役割で出てきたと思ってなかったし(だいたいジュディMがあんなことになるとは夢にも思わず…)レイフ演ずるマロリーという人は話が進んでもいまひとつ立ち位置不明というか、登場が早かったわりにMI6にとって敵なのか味方なのかはっきりしない感じだったから、最後はほんと驚きでした。久々まともなスーツ姿ってだけでテンション上がってたのにこれからシリーズ通して出演してくれるのかと思うと感無量だわ…なんせ最近のレイフといえばハリポタのヴォルデモートだの冥界の王ハデス(@タイタン)だの、人外役ばっかだったからね!スーツどころではない。
ダニエル・クレイグはボンドとしてはちょっと甘さ控え目な気もしますが、普通にかっこよくてたまにちょっとかわいくて私は好きです。でも今回はやはりシルヴァ役ハビバルさんの怪演に全て持って行かれた気がする(笑)。似合わない金髪といいねっとりした喋り方といいインパクト抜群でした。それでクレイグとレイフ、クレイグとハビエル、っていう組み合わせでスクリーンに一緒にうつってるのがまた絵的に豪華というか、ああ大作を観てるんだなーとしみじみ。
それからオープニングが凝ってて素敵だったー。アデルの主題歌も哀愁ある感じで今回の007にぴったりだったと思います。2012年映画締めくくりにふさわしいエンターテイメントでした。



******
007 スカイフォール
【SKYFALL】

2012年 イギリス・アメリカ / 日本公開 2012年
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズ、
(劇場鑑賞)


2012年12月30日(日) 2012年観た映画メモ

なんかもうものすごい今更なんですが観た映画はタイトルだけでも記録しておいた方が後から(自分のために)役に立つ、と急に思い立ったので、2012年に観た映画のメモです。ほんと今更だけど!観たとき感想書いたやつは各ページにリンクしときます。


■「宇宙人ポール」
これは感想書いた→こちら

■「パーフェクト・センス」
これも感想書いた→こちら

■「きみはペット」
これも→こちら

■「人生はビギナーズ」
これも→こちら

■「荒川アンダー・ザ・ブリッジTHE MOVIE」
アニメは1期も2期もぜんぶ見て、映画のもとになった深夜ドラマも見てたけど原作マンガだけ読んでない…っていうわりと失礼な状態で観ました。ドラマのままのノリで違和感はないのですがリクが荒川に住むことになる冒頭からまた見せられる点が退屈といえば退屈だったかな。でも予想以上に小栗くんが大活躍で嬉しい誤算。素顔があんなに見られるとは思わなかったよ!(役柄的に諦めていた) そして同じく素顔が見えない山田孝之くんとのコンビネーションが絶妙でした。つーかこんなはちゃめちゃな(ほめてます)作品を実写でやったという、それだけで十分評価すべきな気もします。マリアもシスターもちゃんとキャラに合ってたし。もちろん主役のリクもニノも!

■「ドラゴン・タトゥーの女」
感想書いた→こちら

■「ペントハウス」
これも書いた→こちら

■「メランコリア」
書いた→こちら

■「ドラゴンエイジ ブラッドメイジの聖戦」
書いた(けどこれはエンピツじゃないとこに書いたので別窓で開きます)→こちら

■「英雄の証明」
書いた→こちら

こうして見ると2012年のはじめはそれなりに感想書いてたんだな…。ここからだんだん勢いが落ちてゆきます。というか本数自体がグッと減った。

■「アンダーワールド 覚醒」
そうか、「1」の前は「0」なのか…!っていう(←微ネタバレ)
このシリーズ大好きなんだけど今回(も)私のお気に入りスコット・スピードマンくんが出演しなかったので残念…!でもまあ普通に面白かった。セリーンがどんどん無敵になっていくあたりバイオハザードと似てますが。もともとヴァンパイア対ライカンの知られざる抗争の話だったけどここに来てとうとう人類(人間)が絡んできて、今回新たなキャラも登場するし、若干方向転換な感じです。
ちなみにスコット・スピードマンくんの何がそんなにお気に入りかというと、シリーズ第一作目で見せてくれた素晴らしいヒロイン(※ヒーローではない)っぷりが忘れられないの…!終始ケイト・ベッキンセイルに守られっぱなしで、血を採るために腕に注射器さされただけで涙目でハァハァ喘いじゃうし、つうかあなた自分が医者なのになんなの?ほんとなんなの?!って感じでたまらんかったです。まじ可愛かった。

■「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
終盤で主人公の少年がジェフリー・ライト演ずるブラック氏に会いに行き、そこで誰にも言えなかった秘密を告白するシーンがすごく印象に残ってます。ぜんぜんタイプが違う作品だけどスーザン・サランドン主演の「NOEL/ノエル」という映画を思い出した。「ノエル」では、かつて妻を死なせてしまったことを激しく悔いているある老人(アラン・アーキン)から妻の生まれ変わりだと一方的に思い込まれた青年(ポール・ウォーカー)が、最初は辟易してるんだけどその老人が病気で倒れて意識混濁してる場面に立ち会って、自然とその妻の代わりになって「赦す」って言うんです。赦されたい人がいて、本当に心の底から謝罪したいと思っているのにその相手がもういないとき、誰かが代わりになってあげることは必要なんだ、そしてそれは必ずしも事情を知ってる親しい人間ではなくむしろまるで見ず知らずの人かもしれない、でもそれが世の中の巡り合わせなんだ、とこれら二つの映画を通して思いました。

■「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」
シャドウゲームっつうか全編に渡って「ホームズをさがせ!」な映画でしたよ(笑)。得意の変装で群衆に紛れ時には背景に同化さえしている名探偵ホームズ。おもしろすぎる…!あとホームズとワトソンの息の合いっぷりがもはや夫婦漫才の域。ロバート・ダウニーJrがこういうメジャー系大作(アイアンマンとか)で主役やってることにいまだ当惑するけどジュード・ロウとの掛け合いが違和感なく成立してることもまた驚きだわ。こんな取り合わせ昔じゃ考えられなかった。
ともあれ二人の夫婦漫才のおかげでヒロインの存在がいまひとつ目立たず。でもホームズの兄さん(スティーブン・フライ)はなかなかのインパクトでいい味出してた(笑)。さすが「オスカー・ワイルド」…(あの映画でもジュードと共演してたよねフフッ)

■「ドライヴ」
ライアン・ゴズリングくんが大好きなので楽しみにしてた一本です。寡黙で硬派でめちゃめちゃ腕が立つ孤独なドライバーの話。かっこよかった!けど、バイオレンス描写が結構キツイので苦手な人は要注意かもしれません。彼は私の中でジェイク・ギレンホールあたりと同系統の俳優で、こういう内面がナイーブというかちょっとあやうい感じの役が似合うと思う。「16歳の合衆国」とか「ステイ」とか好き。

■「名探偵コナン 11人目のストライカー」
もうコナン君は探偵じゃなくサッカー選手を目指した方がいいのではないでしょうか!ってくらい超人テクニック炸裂。ここんとこ毎年アクションに気合い入ってるけど今年も凄かったです。映像・作画面では文句のつけようがない。ので、そろそろ推理面でも本格的な作品が見たいなあ(昔のように!)。あと現役サッカー選手はやはりちょっと…声優さんには向かないと思いました……

■「バトルシップ」
いやーハリウッドだね!映像すごいけどつっこみどころ満載の大味ストーリー!最高!(ほめてます)
いやほんと馬鹿にしてるわけじゃなくて、こういうハリウッド的な何も考えず楽しめる映画大好きですよ。ちょっとスペースカウボーイみたいな要素もあって良かった。

■「テルマエ・ロマエ」
前半は原作のエピソードを再現しつつ、後半は映画オリジナル展開という流れ。面白かった。っていうかキャストの皆さん古代ローマ人役に何の違和感もなくて(笑)。よくぞここまで濃い俳優さんばかり集めたものだ。

■「キラー・エリート」
ジェイソン・ステイサム主演のサスペンスアクションてことでもっと派手な映画を想像してたんだけど、地味で男くさい映画だった。渋い感じ。元殺し屋が師匠の危機を救う話です。

■「ハングリー・ラビット」
これも地味な映画だったけど、結構面白かった。ただ後味はあんま良くない系。妻を暴行されたごく普通の高校教師が見知らぬ男から代理殺人を持ちかけられて、それをきっかけに不気味な組織に巻き込まれていく話です。ニコラス・ケイジ主演で共演にガイ・ピアース。

■「アベンジャーズ」
これは感想書いた→こちら

■「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」
途中までは普通に見てたんだけど、なんかだんだんえ?どうなのこれ?って感じになってきて、最後の最後でないわーこれはないわーってなった(笑)。でもまあ小栗くんがたくさん見られたので結果オーライ。(私の邦画の基準は小栗くんなのか)

■「ボーン・レガシー」
感想書いた→こちら

■「007/スカイフォール」
感想書いた→こちら


やっぱ後半は観る本数が減ったなー。2013年はもう少しがんばりたい!あと私もがんばるので洋画にももう少しがんばってほしい!明らかに邦画に押されてるよ!とりあえず現時点で楽しみなのはタランティーノのジャンゴです。悪役ディカプリオやクリストフ・ヴァルツにも期待!



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