先生って、かわいそうな人だね■2003年04月18日(金)
生徒と電話した。
珍しく僕から電話した。
「何?何の用!?」
彼女の言い方には僕を拒絶する態度があった。
伝えるべき用件はすぐに済んだが、僕は彼女の様子が気になった。
どうした?と訊いた。
彼女は少しずつ話した。
始めは低調だった彼女の声には、話すに連れて次第に力がこもっていった。
けれど、活発なエネルギー湧いてくるのとは違い、暴発のようだった。
1時間くらい話して、彼女の口は止まった。
僕からは話すことがなくて、会話は途切れがちになった。
それで、電話を切る雰囲気になった。
電話を切る前、彼女は言った。
「先生って、かわいそうな人だね。」
かわいそう?なんで?と聞き返したが、彼女は、いや、別に深い意味はないけど、とだけ答えた。
My追加大丈夫■2003年04月17日(木)
吐き捨てろ。
吐き捨てろ。
何を言ってもいいよ。
それで君が少しでも楽になるなら。
大丈夫、遠慮すんな。
僕は、君の支えになれるくらい丈夫だから。
僕は、君には元気でいてほしいんだよ。
My追加 Co-Dependency■2003年04月16日(水)
夕べも生徒とは大分長く電話していた。
電話が来るまで、昨日の日記に書いたとおり、まじでめんどくせえ気分だったけど、いざ彼女と話してみると、守ってやらなくちゃ、なモードに切り替わる。
生徒は言う、
「私は、誰かに相談に乗ってほしいと思ったことなんてないわ。」
と。
むしろ彼女は、自身を相談されるタイプだと自負しているし、僕もそうだと思う。
「私が、誰かに悩みを聞いてもらうなんて、ありえないよね?」
彼女は力説するように話した。
「本当の私を知っている人は誰もいないよ。だって、彼氏といるときの私、家族といるときの私、先生といるときの私、ぜんぶ違うもの。」
環境に合わせているんだね。
「だから、私の全部を知る人なんて誰もいないわ。先生だって私のことを理解してるわけじゃないもの。」
僕は、そう、とだけ答えた。
ただ、“先生だって私のことを理解してるわけじゃない”と言われたのが少し嫌だった。
「だいたい、私には自分の事をしゃべる機会がないでしょ…あ、先生がいるか。」
そこまで言って、彼女のしゃべる勢いが止まった。
そして、彼女は別の話題に切り替えようとした。
なーんだ、自説が崩れて困ってんじゃーん。
そんな彼女のことが、僕はとてもいとおしかった。
My追加 言葉の砂山■2003年04月13日(日)
夕べ、23時過ぎに結婚式から帰ってきた。
帰宅まもなく生徒から電話が来たので、結婚式の報告をしようとした。
しかし、最初の彼女の声を聞いて、そんな話をしている場合じゃないと判った。
聞き取るのが難しいほど弱々しい声だった。
彼女はひどく怯えていて、それを自分で静められずにいた。
彼女はぽつりぽつりと、砂粒を一粒ずつ積み上げるように話した。
僕たちは2時間くらい話した。
始めは単調でか細かった生徒の口調に、少しだけ語気が感じられるようになった。
けれど、電話を切る最後まで、彼女は眠られる様子ではなかった。
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