文
- 真空の自由
2003年06月05日(木)
そうしてまた裂くもののある、と言った ひどい風の中にあった とがった爪が滑った拍子に 空気はすっぱりとあっけなく破れた。
さてはここは虚無の中だ、 呼気さえも逃しはしないだろ、 羽根と同じスピードで ただ無関心に落ちていく だけの自由をしかし持っている
目の前でくるりと円を描いた 指先からまた小さな渦を巻いた 振向いた頬を突付くほどの悪意も無しに 口を開けた枝わかれ しらんぷりの代価を払え 拒否する しかし申し訳は無い。
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