-殻-

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2004年01月23日(金) 破壊したい

衝動、というには激しすぎる。
君は何故そんなにも、傷付けることを望むのか。



堪えているその姿は、痛々しく、神々しく、
口を噤むこと以外に僕に何かできるのだろうか。


君が壊したいのは、
その目に映る不愉快な常識。
それぞれが持つ、殻。

そして何より、僕、なのだろう。




2004年01月04日(日) 電話

驚いたけど、嬉しかった。
扉の向こうで眠っている彼女に聞こえないように、
ずいぶんと気を使って話したけど。

そういえば、あの頃から君は夜中に電話をする癖があったね。
僕が電話を取ると、受話器の向こうから缶ビールを開ける音がする。

ぷしゅ。

「お疲れさま、かんぱーい。」

そうして夜な夜な、電話を挟んで僕らは他愛のない話をした。
忘れかけていた感覚を、すぐに思い出した。
穏やかな、穏やかな時間。

こんな風に話せるなんて、思っていなかった。
僕は許されないと思ってたんだ。

きっと、君は今、幸せなんだろう。
だからこうして、僕に話しかけられるんだ。

僕はそう思うことで、君との距離を保つ。
まさか君が淋しくて電話をしてきたなんて、思っちゃいけない。
僕は君を、捨てたんだよ。


でも、また話がしたい。
臆病な僕は、許されたいんだ。
君にとって、本当は僕が憎しみの対象でしかなくても、
許したフリをしてくれれば、それで僕は救われるんだ。


騙してくれて、ありがとう。

そんな言葉さえも、僕は飲み込む。
全てを、今見えているままに留めるために。





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