-殻-

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2001年11月30日(金) Under the Same Moon

元気ですか。


気がつけば、僕らももうそれぞれの道を歩んで、
そういえば何人かとは数年の単位で顔すら見ていませんね。

でも、僕は君たちが元気なことを知っています。
そして、信じています。


ほんの小さな悩みを、まるで人生の終わりのように抱え込んで、
安酒と安いつまみで朝まで言葉少なに飲み明かしたり。

ちょっとした誤解で仲を違えた僕とあいつを、
電話の向こう側で君が優しく取りなしてくれたり。

誰かのささやかな恋心について、
まるで自分のことのようにいつまでも議論しあったり。

よく晴れた春の日に講義を抜け出して、
昼間から芝生で缶ビールを空けてみたり。

焦がれて、破れて、傷ついて、
どうしようもなくてラーメンを食べに行ってみたり。

食堂2階の喫茶店で、ジャンケンに勝ってせしめたコーヒーで
毎日毎日他愛もない世間話をしていたり。


よくよく思い出してみれば、僕らが一緒に過ごした時間は、
余りにも短いですね。

一緒にいない時間の方が遙かに遙かに長いみたいです。


なのに、今でも僕にとって君たちは、
最高の仲間であって、
きっと、ずっと、これからも、
そうであり続けると思うのです。


君たちが今も、あの頃のままの気持ちで、
君たち自身の道を走っていることを、
僕は知っています。

だから僕も、自分の選んだ道を、
ひたすらに走っていかなければ、と思うのです。


君たちが僕に、
走り続ける勇気をくれます。



こんなに遠い異国の空にも、
君たちが見ているのと同じ月が昇ります。

秋の澄み切った空気は、あの街の空によく似ていて、
深く息を吸い込むと、不意にあの頃の匂いがして、
きゅうっと胸が痛くなるのです。

なんて僕は幸せだったのだろう、と。

そして今も、君たちは同じ月の下で生きている。
それぞれの日々を、それぞれの場所で。



ねえ、だから、

いつかきっと、

また君たちに会いたいのです。

そして、あの頃と少しも変わっていないってことを、
感じたいのです。


僕を、

忘れないでください。



いつになるかはわからないけど、

何気なく、

何もなかったように、

つい昨日も一緒にいたみたいに、

僕を見つけて、

微笑んでください。



この空にきりきりと輝く、

同じ月の下で。




トモダチと呼ぶのさえ照れくさい、僕の大事な大事なひとたちへ。


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しんMAIL

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