女の世紀を旅する
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2011年07月03日(日) |
インド古典舞踊は素晴らしいね!! |
映像でインド古典舞踊を旅する
★masako ono 01 /Odissi dance http://www.youtube.com/watch?v=gn3eaM88Jjg&feature=related
〈インド舞踊の精神的基盤となったバクティ信仰〉
インド舞踊は宇宙(神々)と人間の魂との一体(梵我一如)を体現しており,その神秘的な身体的表現に興味は尽きない。インド各地には多数の舞踊があるが,そのうちの代表的な2つの古典舞踊の作品を取り上げてみた。インドの古典舞踊には8世紀にヒンドゥー教からおこったバクティ信仰の影響が大きい。バクティとは神への愛にもとづく絶対帰依のこと。この信仰は南インドで広まり,12世紀にヴイシュヌ派によって確立され,やがてクリュシナ信仰と結びついて,ヒンドゥー教の最も中心的な信仰となった。バクティ信仰の原型はすでに古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』中の一詩編「バガヴァットギーター」(1世紀に成立)の中にみられる。この詩編でクリシュナ(インド先住民の神話的英雄に由来)はヴィシュヌ神の化身とされている。ヒンドゥー教ではシヴァ神(破壊と再生と舞踊の神)とヴィシュヌ神(世界維持の神)が絶大な人気をもつが,ヴィシュヌ派ではヴィシュヌは世界を救済する最高神,宇宙の第一原理であり,クリシュナもその化身として最高神とされ,熱狂的な信仰の対象となった。「バガヴァットギーター」はヴィシュヌ派の根本聖典とされ,クリシュナはその多彩な性格と豊富なエピソードから広く民衆に親しまれ,黒色の牧童の姿で絵画・彫刻の題材となり,宗教文学にも扱われた。
一方,北インドでは15世紀にラーマーナンダーが「ラーマ信仰」を広めた。ここでは,古代インド叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公ラーマ王子が,バクティ信仰を基礎にヴィシュヌ神の化身とされ,全インドにラーマ崇拝が広まるにいたった。バクティ信仰は,本来多神教であるヒンドゥー教が,最高の世界神への熱狂的な帰依を説くことによって一神教への傾向を強めたことを意味している。またグル(師)の指導のもとに神との神秘的な一体感を得ることが解脱への道であると説いて民衆宗教としての性格を確立した。バクティ信仰はやがて宗教的差別(カースト)を否定して唯一最高神の崇拝を説くシク教(インド西北のパンジャブ地方で広まる)の成立を準備したのみならず,13世紀以降,イスラーム教がインドに普及していく精神的地盤ともなった。
●インド古典舞踊の由来
多様な民族・言語・宗教・文化を有するインドには、芸術の高みまで達した古典舞踊が7つあり、インド七大古典舞踊といわれている。
◎ 南インドのバラタナティヤム,カタカリ,クチプリ,モヒニアッタム、 ◎ 北インドのカタック、マニプリ、 ◎ 東インドのオリッシィ 以上の7つの舞踊に大きく分類できる。
それぞれ育まれた地方色を豊かに反映しつつ高度に様式化され、現在、世界に通 用する芸術として注目されているものも少なくない。特に、南インドの舞踊バラタナーティヤムと,東インドの舞踊オリッシィは世界の至る所で公演されており、その表現方法が対照的であることからよく比較される。両者とも高度な訓練を受けた女性のダンサーがソロで踊るが、前者は直線的でダイナミックな動きを特徴とするのに対し、後者は曲線的でやわらかい優美な動きを特徴とし、同じインドの古典舞踊でも味わいや印象、その他衣装や装身具に至るまで全く異なっている。しかし、ヒンドゥー寺院での「祈りのかたち」として発達したという歴史的背景は共通している。
インド古典舞踊に共通する基本作法は、1500年前に書かれた古代サンスクリット舞踊聖典「ナーティヤ・シャーストラ(演劇・舞踊・音楽の理論書)」によって体系的に伝えられている。この文献の中で著者バラタ・ムニは、演劇・舞踊の技法を分析しており、手の型ムドラ−や複雑な意味のある手振り、伝統的な化粧法・衣装に至るまであらゆる角度から詳細に説明している。長い長い歴史の中で、時代の流れに揉まれて存在が危ぶまれながらも、インドの人々の非凡な信仰心と芸術へのたくましい創造力によって受け継がれ、現在もなお成長し続けているのがインド古典舞踊なのである。
●バラタナーティヤム(南インドの古典舞踊) バラタナーティヤムは、南インドの古典舞踊の一つで、20世紀の初めまでは、南インドのヒンドゥー教寺院や、マハラージャ(王)の宮廷で、女性の踊り手によって伝承されてきたものである。インドの他の芸術舞踊と同様に、ヌリッタとアビナヤというふたつの要素から構成されている。ヌリッタは純粋舞踊とか抽象舞踊と訳され、動作が辞書的な意味での意味を持たず、逆にアビナヤ(具象舞踊)はパントマイムのように、「花が咲いた」という内容を伝えようとすると、「花」と「咲く」という動作が行われる。バラタナーティヤムのレパートリーは、ヌリッタばかりで構成される曲、アビナヤばかりの曲、両者が交互にあらわれるもの、どちらか一方に重点がおかれるものの四種からなる。
●オリッシィ(東インドの古典舞踊):/Odissi danceははOrissiから派生した舞踊 オリッシィは,インド東部オリッサ州のヒンドゥー寺院で伝えられてきた神への奉納舞踊。雅(みやび)な世界のなかで霊的波動を感じさせるオリッシィは人々の心を魅了してやまない。オリッシィの動きの特徴は、上半身のやわらかくゆったりした優美な動きと、力強く複雑なリズムを刻む足のステップとのコンビネーション。また、オリッシィの大切な動きの要素は「ためる」動作です。動きをとどめ保持しながら次の動きへと移行すること、しなやかで抵抗力のある動作である。「身体の内部の緊張」によって不動を動きにかえる能力、拡がる身体に達しようとする力が働いているのが特色である。このような身体の超日常的な技術はすべて特殊な姿勢のコントロール、つまり脊柱とそれにつながった身体各部位 のコントロールを基本としている。踊り手はこの物理的な実体(身体)の神秘的な力の現れを拡大しながら踊り手の生涯の内面史、普遍的な人間の情調「ラサ」を表現している。このラサという概念は、インドの舞踊・演劇・音楽・絵画などあらゆる芸術に通ずるもので,この「ラサ」の表現が、気の波動となってオリッシィの生命力に満ちたスリルと迫力のある表現形式を生み出している。
〈インドの古典舞踊〉
★HJ1:Authentic (real) Bharatanatyam Indian dance/バラタナーティヤム舞踊 http://www.youtube.com/watch?v=prQOdTmF8u0&NR=1&feature=fvwp
★Savitha Sastry Bharatanatyam Performance http://www.youtube.com/watch?v=SgiLOzFQh14&feature=related
★Pallavi Odissi Dance by Sujata Mohapatra /Odissi dance はOrissiから派生した http://www.youtube.com/watch?v=gbboaq1a0Rs&feature=relmfu
★Kar Singar Aise /2人の女性によるOdissi dance http://www.youtube.com/watch?v=baiQFDf8if8&feature=related
〈小野雅子のインド舞踊〉 ★masako ono 01 /Odissi dance http://www.youtube.com/watch?v=gn3eaM88Jjg&feature=related
★masako ono @ riria hall 001.wmv http://www.youtube.com/watch?v=m_CkinB-O3Q&feature=related
以下は【小野雅子のブログ】 http://masakoono.com/jp/introduction.html
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