祖父母の見舞いに行った。
祖母は痴呆が進んでいる中で倒れ、病院へ運ばれた。 意識は取り戻したが呼びかけへの反応が良くない。 一度だけ、私が○子だよ、と声をかけると、 「○子さん?」と小さい声で言ってくれた。 痴呆が進んでいて、祖母が元気な時には全く分かってもらえなかったけど、 今日は分かってもらえて、本当に嬉しかった。 祖母は私のことをいつもさん付けで呼んでくれていた。
クリスマスが近いので、今日は病院の合唱部の人が病棟まで歌いに来てくれた。 薄暗い病院でクリスマスソングをアカペラで聞いていたら、 心にしみてちょっと泣けた。
祖母はあまり先が長くない、だから会わせておきたかった、と母は言った。 昔、お見舞いに行くのを延ばしていたらその間に急変して会えなかった、 そういう体験があると言った。 私のことがわかるときに顔を見れて本当に良かった。
前回の日記を書いた前後に、同じような事を言ったり書いたりした人がいた。
そう思ってるのって私だけじゃないじゃん、もあるが、 全体的に思考の向きを統一させられているのではないか、 とも取れる気がして少し怖くなった。
愚痴を聞いてあげるのはいいが私の愚痴は誰が聞くのか。 いつもこの問題にぶち当たる。 すっきりしてもらうのはいいし、話を聞くのもいいけれど、 私も色々あるんだよ。
昔の彼が笑っていた写真など見たくもない。 不幸になっていて欲しいというのではないが、 今のこんな時期に、こんな心境のときに、 いつか私が得るはずだった笑顔を、どうやって正視しろと。 …とも言えず作り笑いでその場を離れた。 心身が疲れていなければ、また違った反応ができたかもしれない。
歳をとることが怖くなるようにできているのか、 そうなるように仕向けられているのか。
美魔女という言葉が市民権を得たような気がするけど、 ただの美女ではなぜいけないのか。魔という字は余計だ。 美女は若くないと美女じゃないのか。 歳をとると魔が増えてしまうのはなぜなのか。 私と同じような事を考えている人は意外と多いと思うけれど、 皆表面上は美魔女を肯定している。
でも、美魔女と呼ばれて鼻高々になる人の気が知れない。 と大声で言う事もできない。 美しいなら歳をとっても美女でいいし、 百歩譲っても美熟女でいいじゃんと思う。
そもそも私は美しくないのでこんな事を考えること自体が不毛だ。 魔女になってまで美しくありたいとも思えない。
|