2004年11月06日(土) |
恋愛の国のアリス/嶽本野ばら |
某新聞の夕刊に連載されていた恋愛エッセイ。 夕刊とはいえ、これは一般紙に連載されていたなんて…。 相変わらずの野ばらさまっぷりにうっとりです。いくつになってもついていきます。
複数の者に恋愛感情を抱ける魔性の女子は、限りなく神の子に近い存在なのです。天使です。男子が魔性に取り憑かれ、己が人生を狂わされたと文句をいってきても相手をする必要はありません。それは天に唾を吐く行為と同じなのですから。しかし、男子の二股や不実な行為は、断固、糾弾すべきです。何故なら男子は同時に複数の恋愛をフォローできるスキルを持ち合わせてはいない下等生物なのですから。それが証拠に”魔性の男”なる慣用句は、存在しないでせう。魔性は女子のみが行使可能であるのです。
嶽本野ばら:恋愛の国のアリス,p.107,朝日新聞社.

2004年11月05日(金) |
STAR EGG 星の玉子さま/森博嗣 |
これまでもいくつか絵本は書いてきた森氏ですが、絵も描かれた絵本は初。 玉子さまが愛犬のジュペリと、いろいろな星(誰もいない星、老人と猫の星など)を訪れます。 巻末にそれぞれの星の解説があるのですが、それがとても哲学的だったり、物理(?)学的だったり。 ただの絵本ではありません。いろいろ考えてしまいました。
孤独な少女がいました。 どうして孤独かというと、自分が孤独だと感じていたからです。(略) 寂しいとは、どんなことでしょうか。 人が誰もいないことでしょうか。 でも、誰もいなければ、寂しいと感じる人もいないはずです。 誰かがいるから、寂しいと感じることができるのです。 孤独も、誰かがいて、はじめて孤独になるみたいでした。
森博嗣:STAR EGG 星の玉子さま,p.22,文藝春秋.

2004年11月01日(月) |
左手をつないで ドルチェ・ヴィスタ/高里椎奈 |
ドルチェ・ヴィスタ・シリーズの完結編。 まさかつながるとは思っていなかった第1弾とうまくつながりました。なるほど。 まさにお伽噺。 人は成長するけど、成長できないジャファは内に篭って、自分にとって都合のよい世界を構築してしまった、ってことなんでしょうか。 それが幸せとは言えないと思うんですけどね、シュールです。
もし、自分を取り巻く環境が極限状態に達した時はどうするか。 「ちちんぷいって、周りを全部消して貰う」 ジャファは掠れた声で呟いた。(略) 何もかも消えてしまえば良い。 強い感情が渦巻いた瞬間、異常なほど高い破裂音が頭の中に響いた。
高里椎奈:左手をつないで ドルチェ・ヴィスタ,p.148-149,講談社.

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