今年を漢字であらわすと、 「忙」という字だったのかもしれない。 いそがしくて、せわしない、せかせかとした毎日。 そんな毎日の中で、 私は何を得て何を失ったのだろう。 そういうことは、 あとからじわじわとボディーブロウのように効いてくるはずだから、 じたばたせず、じっくりと待とう。
心を亡くしてしまいそうな毎日を、 私なりに必死に、 最善をつくしてきたつもりです。 そんな時間は、 これから私をどこへつれていくのか。
来年も、 やさしくありたい。 どこへいっても。 だれにでも。
うさうさとの想い出。
兄弟のなかでたった一匹の黒ウサギだったこと。 胸に、月の輪ぐまみたいな白い模様があったこと。 「白くなったら鍋にしちゃうぞ」と約束して、 あの、青空ばかりが見える部屋でいっしょに暮らしたこと。 昼寝をしてた私の髪をかじってそこだけ短くなっちゃったこと。 脱走して壁に穴を開けちゃったこと。 ケータイに嫉妬しておもいきり歯形をつけたこと。 おでこにするキス。 私の鼻にくれるキス。 怒るとぶうぶうと鼻を鳴らす。 犬も猫も恐れない。
あんなこと、こんなこと。 たくさんのことがあって、 うさうさは、いつも私を待っていてくれた気がする。 引越しをして、新しい生活がはじまって、 あのぽっかりと青空を見ていた毎日が、 今はとても遠く感じる。 夢のように感じる。
それでも、 そのときがあったから今がある。 うさうさがいてくれたから、 今の私がある。
うさうさ、ありがとう。 もうあえないけれど、 ありがとう。
うさうさが、 ここのところ元気がない。 食欲もあまりないし。
私とうさうさが過ごしてきた時間について、 考える。 たとえば小学校1年生の子どもが、 高校生になってさあ受験勉強をはじめようか、 というくらいの年月なのだから、 そりゃあもういろんなことがありました。
もっとも、 私にとってうさうさは保護者のような存在で、 右往左往する私をいつも見守ってくれていた。 私の友人にもたくさん会ったね。 きっと、 私の知らない話も聞いてくれたりしたのでしょう。
喜びも哀しみも 言葉にはできない、 この長い年月を、 静かに見つめてくれていた、 その存在の大きさを改めて思う。
ありがとう。 できるだけ、 これからもいっしょにいようね。
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