新しいスニーカーは軽い。 まだ眠くて会社になんかぜんぜん行きたくないのに、 足だけが軽やかに駅までのアスファルトを蹴っていく。 右、左、右、左。 身体をどんどん会社へと運んでいく。 赤い靴で踊り続けさせられた女の子の足のようだ。 自分の意思とは関係なく進んでいく。
私の最近も、 新しいことに囲まれて、どんどん進んでいき戻れない。
すっきりしない
本当は、 昨日あったさみしいことも嫌なことも、 みんなみんなどうでもよくなるくらい、 朝がまちどおしいくらい、
・・・
だめだ。 やっぱり新しいスニーカーはえらい。 会社がいやでも軽やかに私を運んでいく。
2003年06月13日(金) |
今までのこと、これからのこと。 |
今日、 今まで住んでいた、 私の部屋にお別れしてきた。 鍵も返した。 がらんとした何もない、 ふすまも押入れの戸もはずした広くて古い部屋たちに、 一人暮らしをはじめたときのことを思い出させられた。 そして、 今までのいろいろなことを。
その部屋は、 正真正銘、私の場所。 たったひとつ、私が帰れる場所だった。 ひとりぼっちで必死だった。 何もなくて、楽しかった。 ふわふわとただよっていて、こころぼそかった。 空が近くて、風が緑色で、好きだった。 誰でもやってくることができて、 だれでも帰ってこられるよう、 いつもあけっぴろげな気持ちで暮らしていた、 私の場所。
それももう帰れない。 過去に帰れないのといっしょ。 そして、 これからは、 ここで生きていく。
そういうこと。
こっちに引っ越して今日でちょうど10日。 飛行場が近いせいで、やたら大きな飛行機と、 少し離れた高速道路が目線の高さを走っている。 そんな少し旅行にきた旅人気分になれるところです。 今まで私鉄しかない街に住んできた私が、 JRの定期券を持つなんて考えてもみなかった!! 駅までおおよそ5分。 駅から職場の最寄駅まで15分。 快適な生活を送っています。
この一ヶ月、 いろんなことを考えたよ。 自分の事、相手のこと、家族の事、周りのこと。 そしてやさしいきもちになったり、 途方に暮れたり、 うれしくなったり、 不安になったりした。 どんどん急流に飲まれていくのがこわかったり、 逆によどんでしまうのを恐れたりした。 そして迷ったり笑ったりしてる。いまも。
良い意味にも悪い意味にも、 もう決して戻れない。
そして何より自分が決めたんだ。
あなたが決めたのでも、 周りが決めたのでもない。 自分で決めたんだから、 そうするってきめたんだから、
しっかりしなくちゃ。
こうするって決めたのは、 私なんだから。
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