ToY◎StorY
モクジ|カコ|ミライ
アキちゃんの中であたしは友達でしかないのだと
ずっと思ってきていたから
本当に、びっくりした。
アキちゃんはずるい。
抱きしめながら、
切なそうな声で
軽蔑、する?なんて聞くのだもの。
するわけ、ないでしょう。
だって、だいすきだから。
だって、ずっと忘れられなかったから。
浮気絶対反対派の人間だった、
あたしとアキちゃん。
キス以上の関係になることだけは
あたしは拒んだ。
だけど、
結局浮気ということには変わらないのだ。
このままずるずる行くのは、イヤだ。
でも次に会えるのはGW。
そのときに
あたしははっきりさせようと決めている。
「アキちゃんと結婚したいから、
あたしを選んでください」と(笑)
もともと、諦めていた恋。
伝えられることが、しあわせです。
アキちゃんは、
みっこだけを好きになるときまで
俺が我慢せなあかんかってん。
ほんまごめん。
と 泣きそうに言う。
みっこの愛らしさに気づいてしまった。
ごめん。
と照れくさそうに、言う。
彼女さん、ごめんなさい。
あきらめられないよ。
1年ぶりくらいに
男の子にだきしめられた。
髪をなでられ
やさしく、ちゅーをされた。
どきどきして
ばくばくして
呼吸ができないくらいだったけど
時間が止まってしまえばいいのにと
何度も願った。
まさか、こんなことになるなんて。
相手は彼女のいる、
昔だいすきだった、人。
そしてずっと
気になっていた、人。
忘れられなかった、人。
アキちゃん。
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