本当に欲しいものは、私の手の届かないところに在る。
私の持っている希望は絶対に自分自身には還元されないものだということは、そろそろ四半世紀近くなってきた人生の中の経験から学んだことだから、理解しているつもり。諦観にも似た感情は抑え込むだけ抑え込んでいるからいつか爆発するかも知れないけれども、どうせ私が爆発した時には誰にも止めることなんて出来ないだろうからその先のことは知らない。嫉妬と羨望は非常に面倒な感情だから持たないことにしている。こんなものは向けられるだけで充分であって、他者に向けるには途轍もない体力が必要なのだ。向けられたものを受けるだけだって途轍もない忍耐が必要なのだし。畢竟、疲れることは嫌いだ。
欲しいものには、手が届かない。
手を伸ばせば遠ざかってしまうモノが欲しい時は如何すれば良いのだろう。――如何しようもないよな。
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