2009年12月21日(月) |
親知らず右上バージョン |
寒風吹きすさぶ中、三味線の道具を買いに近所のお店へ。
行く前に、向かいの歯医者に入る。 今日は右上の親知らずを抜く日。 すぐですよ、小さいですし、下と違って抜歯後何日も痛むこともないでしょう、 と甘い言葉に誘われて、上の親知らずを左右とも抜くことにしたのである。 左は来年。
麻酔をかけてから抜きにかかったのだが、 先生の手が口の中で暴れすぎである。 抜かれている痛みは全くないのだが、 舌をグイグイと指と手で押さえつけてくるのである。
ペンチのようなもので歯を挟んで引き抜こうとガチャガチャ(ウグッ 口を開けたまま長く弄られているので、唾液が口の端から(ダラー 止血のためか、口の中にガーゼを大量に押しこんでグイグイ(オェッ
アレみたい。アレ。 先生、イラマチオはお好き?
出血は殆どないそうで、帰りに幾つか薬をもらい、 明日消毒に行けばそれで終了らしい。 今晩痛みませんように。
歯医者から出た足で三味線小道具のお店へ。
普通のお宅の一間を開放しているのみのお店で、 最初は入るのも躊躇われたのだが、 何しろ、どの弦をどの音に合わせたら良いのか、 どこを押さえると何の音になるのかも分からないので、 「譜尺」というものと調子笛を買いに。
敷居が高いうえに職人風の近寄りがたい方だったらどうしよう、と 思っていたのだけれど、中にいらっしゃったのは同年代ほどの 気さくな方で、買い物ついでにアレコレと相談に乗って頂く。
話をしている間に、少しずつ麻酔が切れ、 奥歯のあたりに腫れている感覚を覚える。
初心者用の簡単そうな教本も1冊頂き、 帰宅してから早速、調子笛に合わせて弦を張る。
見よう見まねで撥を持ち、長音2オクターブを弾いてみた。
さて、いつごろ曲になるだろうか。
何年も大掃除などしていなかった家中の あちらこちらを拭いたり払ったり。
これが本来の姿だったのか、と恥じ入るほど綺麗になったところもあり 必死で手を尽くしたにも関わらず、何やら変化の見られないところもあり。
掃除というのは家事の中でも不思議なもので、 どれだけやっても終わりが見えない。 優柔不断な性格の者にとっては尚更。 綺麗になった、すぐその隣が気になり始め、 やってしまえ、などと手をつけたりなどしたら、もう始末に負えない。 汚れが落ちるのが先か、陽の落ちるのが先か。
我が家はその狭さが幸いし、本日までで一通り終了。 あとは蛍光灯を取り換えるくらいか。
掃除続きの日々の中、鏡を探しに散歩へ出た。 人間の古い私は、道具も古い方が落ち着くらしく、 アンティークショップの類を覗いて回る。
途中、好きな珈琲を飲んだり、ケーキ屋さんに立ち寄ったり。
結局気に入った鏡は見つからず、八百屋で買い物を済ませた後、 諦め半分で家の近所の古道具屋を覗く。 いつもは親仁さんが奥に座って不機嫌そうに店番をしているのだが さすがにこの時季、道具を表に出して、埃などを払っている。 期待できないか、と中を覗くと珍しくおかみさんがいらっしゃって、 店内をうろつく私に、何かお探しですか、と声をかけてこられた。
鏡が目的であったはずなのに、「太棹の三味線と鏡を」と答えていた。 確かに私はもう何年も、津軽三味線を習おうと思っていた。 が、その日は何軒もずっと鏡を探して歩いていたのである。 言ってしまった私自身が、自分の言葉に驚いていたら、 おかみさんからの返事が「ありますよ」であった。
拝見してみると練習用の細棹ではあったが、 これから始めようという初心者が、続くかどうかも分からないのである。 しかも、値札を見たら1万を切っている上に、 撥から駒からその他一式、教本までついている。 鏡そっちのけで、三味線を抱えて帰ることになった。
こういうものはタイミングなのかしら、と古道具屋を出たら、 後ろから声をかけられた。 品の良さそうな、奥様である。 面識はない。 私の抱えている、それは何なのか、売るつもりなのか、と訊かれたので、 三味線を学びたいのだと答えると、どこで弾くのか、 どこに行ったら私と話ができるのか、と立て続けに問うてくる。
わ・た・し・と?
はて。 和楽器教室を開いていらっしゃる方が営業がてら声をかけてきたのか、と 思ったら、そうではなく、部屋のインテリアとして並べて楽しんでいるらしい。 寒い中、道端でしばらくの間あれこれと立ち話しをして別れる。 次ご縁があったら、どこかで温かくお茶くらい楽しみたいものである。
夕刻、お正月用のお酒「黒龍 二左衛門」が届く。 今年も残すところ、あと僅か。
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