山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2014年01月22日(水) コンラッド著「闇の奥」を読む

 光文社古典新訳文庫から

 最近この本を読み終わりました。ブクログというサイトにレビューを登録しました。
 英文学の古典、コンラッドは読みづらいと言われるそうですが、そんなことはありません。引き込まれたら一気に最後まで読んでしまいました。


《コンラッド著「闇の奥」を読む》
 (光文社古典新訳文庫で)

 「英語で読む村上春樹」の題材『かえるくん、東京を救う』に登場するコンラッドという作家読んでみたくて選択したのがこの作品。「ロードジム」を読んでみたかったが入手が面倒だったのでこちらの「闇の奥」にした。

 コンラッドは難しいとか堅苦しいとかいうイメージがあって取っ付きにくいと言われているそうだ。しかし私は出だしこそ確かに難しそうな気がしたが、間もなく主人公マーロンの語り口に引き込まれ、一気に読むことができた。これは新しい翻訳のせいかもしれないし、実はコンラッドはとても魅力的な文章を書いているのではないだろうか。

 英文学の古典とされているが、発表された当時は「文学史上最も痛烈な帝国主義糾弾の書」と讃えるものから「骨の髄まで人種差別主義者」の「腹立たしく嘆かわしい書物」と評価が両極端に分かれ、それは今日まで傑作か駄作か読む人の数だけ解釈が生まれるという。

 これでもかと言うほどの難しい表現を用いた自然描写は確かにくどいような気もするが、慣れてくるとどんどん引き込まれていく。そして気がつくと最後のページまで読んでいるのだった。これもコンラッド独特の語り口によるものなのだろう。

 解説によると映画『地獄の黙示録』は、この「闇の奥」をベトナムに舞台を移したものだそうだ。まだ見ていないので、ぜひ一度鑑賞したいと思う。


2014年01月20日(月) WOWOW連続ドラマW「血の轍」を見る

 1/19 第1回無料放送(全4回)

 「警察vs. 公安」いかにもありそうななさそうな。谷原章介と原田泰造が警察と公安に分かれて同一事件の捜査に凌ぎを削る。かつて二人は仲の良い刑事だった。それが7年前の事件をきっかけに別々の道を歩み始める。

 WOWOWの連続ドラマWシリーズはなかなか良いドラマを制作していると思う。良い俳優も使っているし、きっと監督や脚本家などのスタッフも充実しているのだろう。

 ただこれに原田泰造が出演している。毎日テレビで彼を見ない日はないほど忙しいお笑い芸人だ。なぜ俳優でない彼をキャスティングするのだろう。特別に演技が上手いとも思わない。他に適切な俳優さんはいくらでもいるだろうに、わざわざ忙しい彼を使う理由がわからない。


《坂口安吾著
  「ドストエフスキーとバルザック」を読む》
 Kindle(無料)版(青空文庫)から
 底本「坂口安吾全集 01」筑摩書房

 これもバルザックを検索していてヒットしたので読んでみた。短編である。
 坂口はバルザックやドストエフスキーの人物描写は実際の人間よりもさらに真実味があるという印象を受け感動している。
 小説は感動の書だと信じ、深い洞察によって始まり、大いなる感動終わるべきだという。だから感動のない作品は傑作とはいえないそうだ。
 そして最後に次の言葉で結んでいる。
「人生への、人の悲しき十字架への全き肯定から生まれてくる尊き悪魔の温かさは私を打つ。」


2014年01月19日(日) 映画『ロード・ジム』を見る

 「Load Jim」(1965年、アメリカ)

 原作はコンラッドの同名小説。「英語で読む村上春樹」で、短編「かえるくん、東京を救う」の中で引用されているのがコンラッドのこの小説ではないかという解説があった。小説を読んでみたかったのだが少々入手が面倒だったので、手に入れやすいDVD で映画を鑑賞してみた。
 主演は「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥール。舞台は インドシナ半島のようだが、全般を通してガムランが鳴り響きヒンズー寺院が見えるのでバリで撮影したのではないかと思われる。村長の息子役で伊丹十三が重要なところを演じていた。他に斎藤達雄という人も。

 船員のジムはかつて嵐にあった船の乗客を見捨てて逃げてしまったという過去を背負っていた。そのため各地を隠れるように転々として暮らしていた。

 ある時武器をある村へ運ぶ仕事を請け負う。その村は「将軍」と呼ばれるならず者に牛耳られていた。武器はその将軍に反乱を起こす村人たちのための救援物資だったのだ。ジムはいったん将軍側に捕まってしまうが、隙を見て逃げ出し村人たちと共に戦う。

 戦いに勝ち村人たちを解放したジムだが、船の乗客を見捨てたという過去の呪縛からは逃れることができず、戦いの直前に村長と交わした「村人が一人でも死んだら自らの命で贖う」という約束を守るべく死を選ぶ。一度侵した罪の重さと償うことの難しさを語っている。なぜ死ななければならないと問う仲間に「これは彼らの問題ではない。自分自身の問題なのだ。」というジムの言葉がとても重い。


2014年01月18日(土) 国木田独歩『武蔵野』を読む

 Kindle(無料)版を利用
「日本文学全集12 国木田独歩 石川啄木集」

 辻原登氏の「東京大学で世界文学を学ぶ」で出てきた近代小説の夜明けのような作品。

 国木田独歩は「武蔵野」を、二葉亭四迷が訳したツルゲーネフの「あいびき」の冒頭を引用して書いている。この言文一致体を読んだ国木田はこの文体で「武蔵野」を書いた。文体もだが、ここから近代小説の風景描写が始まったという。これでもかというほど自然描写に徹している。文章の中でも「あいびき」を引いたことを書き、それが何のためか明確にしている。


2014年01月17日(金) 永井荷風の『小説作法』を読む

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「荷風随筆集(下)」岩波文庫

 永井荷風といえば「墨東綺譚」や「断腸亭日乗」で有名である。「墨東綺譚」などは東京下町に住む商売女との駆け引きを実際に味わいながら小説に起こしたらしく、臨場感があって面白い。映画化もされている。

「小説作法」は「小説はいかにして作るものか」としばしば問われるので、それに応えるべく書いたものではないだろうか。しかし「これほど答えにくい問いはない」とも言っている。

「行く行くは親兄弟の面倒を見なければならない人は、小説家など志してはいけない。小説は遊びであって正業にするような仕事ではない。」

 とは言いながらも後半では小説家の心得をいくつか述べている。

「読書思索観察の三事は小説を書くものとしては怠ってはならない。」
「小説という語はもともと日本語ではない。外国語から借用している語が多いから、漢文や欧州語にも目を通しておくべし。」
 「小説は人物の描写叙事叙景何事も説明に傾かぬよう心がくべし。読むものをして知らず知らず編中の人物風景ありありと目に見えるような思いをなさしむること、これが小説の本領なり。」

 なんと最後にはこんなにも親切な解説をしてくれていた。


2014年01月16日(木) 「クラシック・プレミアム」始まる

 「歴史的名演奏を最新の高音質[SHM-CD] で聴く」という触れ込みで始まった隔週刊のCD 付きマガジン「クラシック・プレミアム」が創刊しました。第1回の配本はカルロス・クライバーのベートーベン交響曲第5番、第7番、J. シュトラウス喜歌劇こうもり序曲です。

 SHM とは何か興味があったのです。「スーパー・ハイ・マテリアル」だそうです。きっとアナログ録音では高音質なのではないかと思います。次からはカラヤンや小澤征爾、バレンボイムなどが出てきます。

 古い録音ですがこの演奏でこの音質そしてこの値段なら良しとしておきます。


 米国が植民地時代からどのようにして独立し現在ような大国となったのか簡単に学ぶことができた。
 アメリカのことを知っているようであまり知らない。他国を語るにはやはりその歴史を一通り知らなければならない。そのためにはこの放送大学の講座が最適ではないかと思う。

 先住民との問題
 南部奴隷制社会
 独立戦争
 南北戦争
 ハワイ王国の併合
 第一次世界大戦
 第二次世界大戦
 ベトナム戦争
 フェミニズム
 9.11

世界一の超大国ゆえに憧れもされ嫌われもされるが、まずその歴史を知るところから始めたい。これまで中国と朝鮮を学んだ。今回米国を学んだので次は欧州を学んでみたい。


2014年01月15日(水) BeFM がインターネット配信開始!

 1/15 デーリー東北紙から

 Listen Radio というアプリでやっと聴くことができるようになったのかと思ったら、今までネット配信していなかったんだ!ナアーンダァ。そうだったのか(+。+)アチャー。

 でもせっかく聴くことができるようになったのだから、今後は楽しみたいと思います(o^^o)


2014年01月14日(火) 北奥羽各地で新春書き初め大会!

 1/13付けデーリー東北紙から

 昨日は北京で成人を祝った日中の若者たちの「書?」が掲載されていましたが、今朝は地元の子どもたちの書き初めです。

 記事の一つは三沢市で「書初席書大会」、もう一つは洋野町での「新春書き初め大会」です。子どもたちの真剣な様子がとても爽やかです。記事を読む方もなんだか嬉しくなる気がします。こういう恒例行事は廃れないように続けて欲しいものですね。

 でもせっかくお習字を写したなら、書いた文字が見えるような写真を載せて欲しかったなぁ。


2014年01月13日(月) コンラッドとバルザック

《夏目漱石著『コンラッドの描きたる自然について』を読む》
 Kindle(無料)版を利用

 コンラッドはイギリスの作家だが、今回村上春樹の「かえるくん、東京を救う」を読まなければ出会うことがなかったかもしれない。もともとポーランド人の船乗りだが、イギリスの帰化して作家になったという。イギリスでも有名で、学校でも読まれているというから国民的作家なのだろう。知らなかったのだから認識不足である。

 この書はほんの短い文章だ。ある新聞記者が漱石のコンラッド認識を批判したことへの意見のようである。批判の対象となっている書を読んでいないのでよくわからないが、コンラッドに出会ったことの方が有り難い出来事であった。

 村上春樹の話に出てきたコンラッドは「Load Jim」という作品で、映画化もされている。DVD もあることから映画もぜひ見てみたいと思っている。



《宮本百合子著『バルザック』を読む?》
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「宮本百合子全集第18巻」新日本出版社

辻原登氏の「東京大学で世界文学を学ぶ」に紹介された『ゴリオ爺さん』の冒頭部分とは如何なるものか触れてみたくて、アマゾンで「バルザック」を検索していて引っかかった。バルザックの作品の中から目に付いたところ或いは参考になるところを箇条書き的に抜き書きしたものだろうか。『宮本百合子全集第18巻』新日本出版社(1981(昭和56年)年5月30日初版)に収録されている(Kindle版: 青空文庫から)。これだけでは文章にも物語にもなっておらず、何のことかさっぱり判らない。

 しかも彼らの思想については全く知識がないので、この箇条書きを見ても何のためにメモしたのかわからないが、プロレタリア作家としての自分の思想とどこかに共通点を見つけたのかもしれない。

 まず彼女の思想とは別にして文学としての良い作品がありそうだ。彼女が日本共産党の活動に傾倒する以前に、坪内逍遥の推薦で発表したという「貧しき人々の群」から読んでみることとしたい。その後に活動後の作品をどうとらえるか考えてみようと思う。しかしここでは肝心のバルザックにはたどり着けなかったのが残念だった。

 後日もう一度検索してみると、『バルザックに対する評価』(宮本百合子全集第10巻(河新日本出版社))『バルザックについてのノート』(宮本百合子全集第12巻(新日本出版社))がヒットした。これらの方が創作ノートのように書かれているようなので、次回はこれらにも目を通してみるべきだろうか。もともと読みたかったのは宮本百合子ではなくバルザックなのだから。



《宮本百合子著『バルザックについてのノート』を読む》 Kindle(無料)版にて
 「宮本百合子全集第12巻」新日本出版社

 なにしろバルザックの作品を読んでいないので、どの作品のどの部分を言っているのか無知だが、宮本氏はバルザックを賛美するあまり、自国の作家を見事にこき下ろしているのではないかという印象を持った。例えば
「然し、真に驚くべきことは、バルザックがこの単純な性格の人々が遭遇した社会的関係の紛糾を描き出している巨大な力量である。彼が大作家たる所以はここにある。」
とバルザックは持ち上げておいて、他方では
「日本の近代文学において、散文はどんな伝統に立っているのだろうか。そういう見地から見ると、漱石の散文は秋声の『あらくれ』『黴』などからみるとずっと、弱い。」
とか、あるいは
「芥川の散文は教養のよせ木であり脆さが痛々しいばかりである。」
などと全く辛辣である。では翻って宮本氏の作品はいかがか。益々彼女の作品を読んでみなければならないと思った。


2014年01月12日(日) 日中の若者たち集う

 1/12 付けデーリー東北から

 北京で日本の留学生と中国の学生が合同で成人を祝ったそうです。

 私が注目したのはこの写真のほう。世界で漢字を使っている民族はChinese とJapanese だけ。その成人代表の毛筆がこの文字。最近はどっちの若者も筆なんか持ったことないんだろうなぁ(゚◇゚)ガーン


2014年01月11日(土) Be FM で古舘光治さんを聴く

 八幡にある我が家は2階ではBeFMが聴けますが、下にある私の部屋では電波が良くなく聴けませんでした。やっとスマホで聴けるアプリに巡り会ったので、今夜やっとまともに番組を聴くことができました。

 記念すべき最初のプログラムは「古舘光治のきままにヒストリー」こちらも記念すべき第1回目でした。話題は「お正月」と「暦」。次回も楽しみです(^O^)


2014年01月10日(金) 国木田独歩「源おじ」

 辻原登氏の「東京大学で世界文学を学ぶ」に紹介されていたので読んでみた。慣れない文語体だったので読みにくかったが、内容なとても面白かった。

 源おじの半ば一方的な愛情を、押し付けとも感じさせない紀州の態度に葛藤する源おじの心が鮮やかに描かれていた。さすがに辻原氏が講義の中ですばらしい短編小説と評価し紹介するだけのことはある作品だと思った。


2014年01月08日(水) ちょっとだけよ、あんたも好きね

 と、舞台が暗くなり、加藤茶が寝そべってストリップ・ショーの真似事を始める。ドリフターズの「8時だよ、全員集合!」だった。

 これを午後8時台のゴールデン・タイムにやったものだから全国の小学生が真似をした。翌日学校の教壇でやっていた強者もいた。大ウケしてたけど。

 その時にかかっていた曲は『タブー』というが、本当にタブーになりそうだった。曲そのものはラテンのちゃんとした曲らしい。しかしなんといってもあの濁声のようなトランペットのサウンドが妖しい雰囲気を醸し出していた。


2014年01月04日(土) 初詣

《初詣でに来た孫娘》

 湊町に住んでいる長女たちが初詣を兼ねて遊びに来ました。三が日は我が家周辺は櫛引八幡宮の参拝客の車で大混雑するので、そこを避けて今日来ました。

 久しぶりにハイドに会った孫娘は可愛がってべったりです。


《銀次郎の落書き》

 今日初詣のために我が家に寄った孫の銀次郎が、小学校に上がる前に書いた落書きが出てきました。何かを見て真似したのでしょうが、なんとなく気持ちは分かるような気がします(^^;)

 八幡さまの露店でくじ引きをして「5番」が当たったそうで、景品の吸盤式の弓矢をもらい振り回していました。家へ帰ったら流鏑馬でもやるんだべか?


2014年01月02日(木) グルメな猫

 平成10年の秋、我が家の一員になったハイド、もう15歳を超え長寿の領域に入っています。もらった年賀状を整理していたら、テーブルに上がって、上から目線で監視しているように見えます(=^..^=)ミャー

 食事も「15歳以上」の表示のあるものの中でも、この「三ツ星グルメ」しか食べません。先日これがなかったので同じ「15歳以上」の「ねこ元気」を与えたら、『からっぺ』して食べませんでした。「コノヤロウ」なんて思いますが、この先あまり長くはないだろうから、そこは我慢してちょっと高いけど好きなものをあげようと思います(^-^;)

※(「からっぺ」=「好き嫌い」)


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