◎ 行ってらっしゃい。 ◎

綿ちゃんに話して、ようやく書く決心が付きました。

九月二十五日午前一時三十七分、祖父は八十三歳でその生涯を閉じました。

…誰かに話してようやく書く事が出来たなんて、やっぱりどう強がろうが
実感出来なかっただけで、私もかなり動揺していたんでしょうね。
病院で「痛い痛い」とうわ言を言う祖父を看ていた時にも
通夜の時も、そして葬式の席でも泣けなかったというのに
胸の奥はまるでどす黒い塊を飲み込んだかのように重くて
今日も学校に行っても勉強なんて欠片も手につきませんでした。
それどころか、口から言葉を発するのも辛くて。
自分の殻に篭っていられるのならそうしたかったけれど
ふとすれば無表情になる顔を必死で動かして笑顔を作った。

誰かさんみたい、と心で哂った。

似た者を好いてしまうのはどうしようもない事かも知れない。

   − 2005年09月27日(火) −

◎ 病院に行った。 ◎

薬が増えた。

その後、折角街に来たんだから買い物しようと思って歩いてたのに、
思っていた箇所の半分も回れなかった。

何だか

疲れて

眠くて

ダルくて

落ち着かなくて。


一昨日と昨日は模試があったのだけれど、昨日の模試は
英語とリスニングを受けるので精一杯だった。
英語の長文を見た瞬間に頭が真っ白になって。
読まなきゃ、解かなきゃって思うのに、文を見る気になれない。
結局、しばらくしてから問題も読まずに適当に答えを書いた。

こんなので受験なんて受かる筈がない。
自分の不甲斐無さに吐き気がした。

受けられなかった残りの科目は「家でやってきなさい」と担任に言われて
持って帰って来たけれど、未だ一教科も手を付けていない。
提出期限、来週の月曜の午前中なのに。

勉強したいのに。
頭が付いてきてくれない。

最近、今ではもう殆ど目立たなくなった左腕の傷を
ふとした瞬間にぼんやり眺めている自分がいる。
別に何をする訳でもないけれど。

今はまだ、何もしちゃいけない。
しても良いのは、勉強と家族の手伝いだけ。
他人に存在を認めてもらえる事以外は、しちゃいけない。

此処に自分が居ても良いと、自分に言い聞かせられるように。


   − 2005年09月24日(土) −

◎ 入院時に知り合った人から今日着てたメール。 ◎


『私シンデレラになっちゃったーーーこれから先どうして良いの?(泣き顔絵文字)シクシク(林檎絵文字)』

知るか。

内容も分からんし文法も分からんし絵文字の用途も分からん。
えぇもう今日は一方の日記のテンションで行きますよ毒吐きますよ。
何、シンデレラってシンデレラシンドロームですか?
それなら私が先日部活の先輩からメールで言われましたが何か。
周りが自分の都合の良いように回ってくれる事を願いつつ自分では何もせず
ただじっと待っているだけという。そういう状態らしいですが。
そういう意味と受け取ってOKですか?意味汲み取ったトコロで何もしないけど。
というか、ちっとも返信してないのに何故こんなにもあの人は
よぅ分からんメールをちょくちょく送ってくるんだろうか。暇なの?
こっちは一応受験生なんだって名目で無視し続けて良いですか。

メルアド変更しようかと真面目に考え始めた今日この頃。

   − 2005年09月22日(木) −

◎ 泣いちゃいけない。 ◎

私が泣いてる暇なんてない。

立たなきゃいけないのに身体が動かない。
言わなきゃいけないのに口が開かない。

でも相変わらず、人前だったら笑える。
親相手には必死で笑う。気付かれないように。
どれだけ胸が押し潰されそうでも、必死で笑う。

大丈夫だ。まだ笑える。
まだ壊れていないのか、もう壊れてしまったのかは分からないけれど。
それでも周りから見て支障がないようなら別に良いと思う。

次に本当に壊れた時には、周囲の環境は一変しているだろうから。
心配をかける相手も近くに居ないような場所へ行けば良い。
そこで一人で狂ってしまえれば。

   − 2005年09月21日(水) −

◎ 年は越せない。 ◎

それどころか
今月を乗り切れるかどうかも怪しいらしい
私の、祖父の容態。

両親は喪服の準備をしなければと言い始めている。
祖母はとっくに、祖父と葬式の段取りを話し合って決めたらしい。

転院してから、祖父は急激に病気が進んだらしい。
食事ももう、軽く1ヶ月はろくに食べていない。点滴だけ。
そして最近は、酸素吸入器がなければ呼吸すら出来なくなったそうだ。

間近に迫った、私が体験する二度目の『血縁者の死』。
これが私にどんな影響を及ぼすのかはまだ分からない。
…分からないから、まだ何も書けない。



   − 2005年09月19日(月) −

◎ うっかりミス。 ◎

終礼後、うっかり保健室で泣き出したら
偶然他の子を見舞いに来ていた応援団の女の子にその光景を見られた…!
応援団の子の前では、元気でアホな子でいようと思ってたのになぁ…。
折角今まで頑張ってたのに、体育祭二日前にドジ踏みました。
まぁでも何とか流せたようなので良かった。
…明らかに流しきれていない雰囲気がプンプンするけどね!!

と、本日はもう片方の日記の口調でいってみました。

   − 2005年09月15日(木) −

◎ 変われる。 ◎

大丈夫。

どんなに『私』が巻き戻ったって

『あの頃』が復元されたって

着実に、世間の時間は進んで行く。


生きてさえいれば

絶対に、私は変われる。

環境は、変えられる。


来期。

絶対、私は家を出る。

   − 2005年09月14日(水) −

◎ 黒い暗い闇の底。 ◎

夢を捨ててまで
走った貴方に
私が 何を言えるというのだろう。
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絵にしろ文にしろ、最近めっきり創作活動をしていないという。
そうとだけ言えば、受験生の本来あるべき姿のように錯覚させる事が出来るけど…別に他のものの為に時間を有効に使っている訳でもないしなぁ。

今日も今日とて入院時に知り合った人からメールが着ました。
『私は今日は体調不良です』
…自分も調子悪くて、正直貴方の相手している余裕なんて無いんですが
って時には一体どんな反応を返せば良いものか。
というか最近破壊衝動が止まりません。
本気で周りの人に危害を加えそうで、自分自身が怖いです。
自分の中の黒い霧がどんどん濃くなって
仕舞には自分の姿すら見えなくなってしまいそうな。そんな感覚。

   − 2005年09月13日(火) −

◎ 死んじゃ駄目なら殺してよ。 ◎


最近習得した新技。
『空元気』。

『愛想笑い』と組み合わせると威力倍増です。

…何かね。
どれだけ悲しくて、苦しくても。
『笑わなきゃいけない』と決めた人の前では、笑顔が絶えなくなりました。

その対象は主に家族であり、友人であり。
その他の人の前では、私は一転して無表情になります。

どっちが本当の気分なのかなんて、分からないよ。
愛想笑いだって相手によっては楽しめるようになったし、
無表情だってその相手に構って貰いたい気持ちからかも知れないから。

でも、やっぱり苦しいんだ。
誰にも相談出来ないのは。

誰か、私の話を聴いて。
誰か、私を繋ぎ止めて。


   − 2005年09月09日(金) −

◎ 止まって。 ◎

保健室のベッドの上。
膝を抱えて耳を塞いだ。

理由は無い。
訳が分からない。
でも、許されるのなら
叫びたい。
暴れたい。

「もう嫌だ」と、何が嫌なのかも分からないまま
泣き叫んでしまえれば楽になれるのだろうか。
手にしたもの全てを、誰にも気兼ねすることなく
壁に、床に、人に向けて投げつけられれば楽なのだろうか。

…こんな事書いたら、また心配かけるね。
ごめん。
ごめんね。
でも、大丈夫だから。
私はまだ、周りが見えるから。
君達に会ったら、迷わず笑えるから。
だから、泣かないで。


昨日から何故かケータイに、入院中に知り合った人から着信が入る。
昨日の電話は無視した。というより着信時には寝てた。
そしてそれを放置していたらメールが着た。
メールは返した。時差ったけど。
そしたらまた今日も、ケータイを放置していた時に電話が着てた。
相変わらず電話は掛け直さない。何を話せば良いのか分からないから。
多分相手が聞いて欲しい事があるのだろうけれど、
今の私には貴方の相手をしている程の余裕は無い。
…大体、何でこんなに懐かれたのかなぁ。
内心ウザいと思いながら接していたのに、入院中、患者どころか
看護師すらも、誰一人として私が自分から告げる前に、
その事に気付いてくれた人は居なかった。
高校に入ってから、愛想笑いを極め過ぎたのだろうか。
入院なんて、結局は集団生活だ。学校と大差無い。
人と接することに疲れたから入院したのに、患者との対人関係は
延々と付いて回る。やっぱり必死で社交辞令をこなさなきゃならない。
だから治らなかったのだろうか。
主治医にも看護師にも患者にも懐けなかったから。
心の休まる場所なんて無かったから、治らなかったのだろうか。
…だったらとんだ無駄遣いをさせてしまった。
親への罪悪感は、こうして日々山のように積み重なっていく。

   − 2005年09月05日(月) −

◎ 数ヶ月。 ◎

それが、祖父に残された時間。

癌になった祖父は、既に抗癌剤が投与出来ない程の容態だった。
元々、抗癌剤なんて投与する気は無かったけれど。
入院先の病院を、祖父はいたく気に入っていた。
でもそこは外科病棟だから、化学治療を受けなければ入院し続ける事は出来ない場所だった。
だから祖父は、化学治療をすることを望んだ。
しかしそれは叶えられなくなった。
その結果、祖父は転院し、病による痛みを和らげて安らかな最期を待つという、緩和療法という処置を受けることになった。

あと、数ヶ月。
己の死が間近に迫っていることを知りながら、
これからの一日一日を、祖父は何を考えながら過ごすのだろう。

私に出来るのは、家族の負担が少しでも減るように
昔のように、『元気な良い子』になる事だけ。
例え、それが演技であったとしても。
家族に心配をかけないように。皆が安心してくれるように。
せめて今の間だけでも、普通の高校生に戻っていられますように。
学校に行って。友達と笑って。受験に悩んで。
そんな普通の高校生活を送れますように。

大学に行けば、一人で悩める。
どうかどうか、何処かの大学に進めますように。

   − 2005年09月04日(日) −

◎  ◎

病院は
一時間待って
診察は十五分。

通院は電車で片道一時間弱。
今日は往復延々うつら寝。

やりたい事は沢山ある。
でも、体力がついてこない。

勉強しなきゃ、が身体に圧し掛かる。

でも、しなきゃいけないんだよ。

泣いてる時間も勿体無い。
決めたんだからやり遂げろよ。

これ以上、迷惑をかけないように。
自分が罪悪感で潰れない内に。

   − 2005年09月03日(土) −

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