綿ちゃんに話して、ようやく書く決心が付きました。
九月二十五日午前一時三十七分、祖父は八十三歳でその生涯を閉じました。
…誰かに話してようやく書く事が出来たなんて、やっぱりどう強がろうが 実感出来なかっただけで、私もかなり動揺していたんでしょうね。 病院で「痛い痛い」とうわ言を言う祖父を看ていた時にも 通夜の時も、そして葬式の席でも泣けなかったというのに 胸の奥はまるでどす黒い塊を飲み込んだかのように重くて 今日も学校に行っても勉強なんて欠片も手につきませんでした。 それどころか、口から言葉を発するのも辛くて。 自分の殻に篭っていられるのならそうしたかったけれど ふとすれば無表情になる顔を必死で動かして笑顔を作った。
誰かさんみたい、と心で哂った。
似た者を好いてしまうのはどうしようもない事かも知れない。
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