ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年05月31日(水) ブギーマン

監督:スティーブン・ケイ
出演:バリー・ワトソン
    エミリー・デシャネル
    スカイ・マッコール・バートシアク、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
幼い頃、クローゼットの奥から現れた謎の化け物「ブギーマン」に父をさらわらるシーンを目撃したティム。だが周囲はそれはティムの妄想で、父親は失踪したのだと言われ続けて来た。15年後、成長したティムは過去のトラウマに悩むものの仕事も恋愛も順風満帆。婚約者の家で感謝祭を過ごす予定でいた。ところが母の急死の報が入り、久しぶりに呪わしい実家に足を踏み入れる事になったのだ。


【感想】
サム・ライミ監督が立ち上げたホラー専門レーベル「ゴーストハウス・ピクチャーズ」製作の作品。
タイトルの「ブギーマン」というのは、欧米諸国で一般的に「子供をさらう謎の化け物」の総称のようなモノで、親が子供を叱る時などに「いい子にしてないと、ブギーマンにさらわれちゃうぞ!」みたいに使うようです。

何度も書いてますが、そもそもホラーは苦手なので評価は低いです!(きっぱり)
それにしても何でしょうなぁ・・・得意・苦手を抜きにしても、この映画はダメなんじゃないっすか?(^-^;

根本的に「怖くない」です。
「ババーン!」みたいな効果音と共に脅かすような映像がバッと出てくるだけで、心理的にゾクゾクするようなモノはほとんどありませんでしたね。
ちなみに恐怖映像のほとんどが、主人公ティムの「妄想映像」です。映画後半になるとブギーマンの姿をキッチリ見せてくれるんですが、それも大した事はありません。

映画を見てて辻褄が合ってんだかよく判らなくてですね、特に「謎の少女」との掛け合い部分が「?」連発でした。
謎の少女と共にある空家に不法侵入するんですが、ティムが「ここに来た事がある!」みたいに言うんですよ。
え?そんな前振りあったっけ?と頭がグルグルするんですが、特にその家とそこで起こったであろう出来事に関して説明がある訳もなく、どうやらこのシーンはクライマックスの「ブギーマンとの対決方法」のHOW TOを見せるだけの役割しかなかったよーです。正直言って意味ないですね。ムダです。しかも怖くも何ともないし(苦笑)

思い切って「ブギーマンの正体」をココで明かしたいと思います!
ほとんどの方が映画途中で判ってしまう正体なので、特にネタバレだとは思いませんが、一応文字隠しましょう。
ブギーマンの正体、それは・・・(知りたいヤツは【】内を反転)


ドラえもん


・・・ネタじゃないって。本当だってば。(^-^;
だって映画見終わってから、友達全員が口を揃えて言ったもん。
「ヤツ」は世界的にも認知度が高いから、きっと欧米の方が見てもかなりの確率で同意してくれるハズですよ!

まあそんな訳で、どーでもいいですね。←投げやり
ちなみにティムは「ブギーマンは必ずクローゼットの中から出てくる!」と固く信じていたようですが、どーやらバスタブも危険地帯だったらしいです。
結局クローゼットを封印しても全く意味なかったですね。そして彼女の行方が気になるトコロです(笑)






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2006年05月30日(火) 花よりもなほ

監督:是枝裕和
出演:岡田准一
    宮沢りえ
    古田新太、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
時は元禄15年徳川綱吉の泰平の世。松本から江戸に「仇討ち」の為にやって来た青木宗左衛門は、おんぼろ長屋で実家からのわずかな仕送りだけで父の仇の行方を捜していた。仇討ちに成功すれば名誉回復だけではなく、藩から100両の賞金が出る。ところが宗左は剣術がからきしダメで逃げ足だけは速いというヘタレ武士。そんな宗左は向かいに住む美貌の未亡人「おさえさん」に仄かな恋心を抱き、「仇討ちしない人生」がある事に気付いてしまったのだ・・・


【感想】
「誰も知らない」で世界中にその名を知られる事となった是枝監督の最新作。
意外な事に時代物に挑戦ですか・・・原作は誰だろう?と思って調べたら、何と原案・脚本も是枝氏でした。
ドキュメンタリー畑出身の監督さんがオリジナルで時代物って、どーいう心境なんだかよく判りませんが、もしかしたら名が売れて自分のやりたい事にお金出してもらえるよーになったら「絶対時代物!」とか思ってたんでしょうかね?(^-^;

話は泰平の江戸の時代に、長屋に住む貧乏人達と交流する内に「仇討ち」に疑問を持つようになったヘタレ武士と、長屋の住人達のドタバタ振りをまったり見せるヒューマンコメディ・・・って感じですかね。

出演しているキャストがすんごい豪華で、映画界の重鎮から中堅名優、若手人気役者までズラリと取り揃えて、それぞれに個性を生かしたキャラクターで観客を魅了して行きます。
コメディのタッチも「ぎゃははは!」ではなく「ププッ」という、日本人のお好みにピッタリ合う程度。最近邦画はまったり癒しコメディの秀作が多いですが、本作もそんな「まったり邦画」をご所望の方がいかにも喜びそうなゆるい展開です。

・・・って言うか、ぴよには「ゆる過ぎるな」と思ったんですが(苦笑)
仇討ちの為に江戸にやって来た地方武士と長屋の住人の1年(桜の季節〜年末まで)を見せているんですが、エピソードが多くてちっとも話が進まないって言うのかな。
いや、どーでもいいようなエピソードに見えて、実は少しずつ本題に近付いてはいるんだけど、どーも余りにもエピソードが回りくど過ぎて、見てる途中でダレダレになっちゃったんですよ。(^-^;

赤穂浪士の討入りと話を被せながら「仇討ちは本当に武士の本懐なのか?」とアピールしているんだろうけど、赤穂浪士の一団のエピソードは微妙だなぁ、ちょっとエピソードがクド過ぎるなぁ、と思いましたがね。
まあ・・・赤穂浪士の討入りの後に「夜中に奇襲掛けて、しかも老人1人に大勢で寄ってたかって卑怯だよ」なんてセリフが出て来たのには笑っちゃいましたが。んー、でもやっぱり「クドい」って気はしたかなぁ。

後ね、ちょっと音楽が耳障りだったかもしれない。
結構な大音量でBGMが入るんだけど(しかも妙に軽快なヤツ)、セリフに被るとセリフが聞き取り難い。ってか全然何言ってんだか判らないセリフが多々あった。コレはいかんよなぁ〜と思ったんだけど。

ゆるめの和みヒューマンコメディとしては「そこそこウケそうな出来」だと思うんですが、何かしっくり来なかった。
正直言うと、上映時間2時間7分がすんごく長く感じました・・・長く感じるって事は、途中で飽きてたんでしょうね。
飽きてはいたんだろうけど、役者の演技はなかなかいいので見て楽しんではいられる・・・うーん。微妙だぁ(苦笑)







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2006年05月29日(月) 日本沈没

監督:樋口真嗣
出演:草なぎ剛
    柴咲コウ
    豊川悦司、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
潜水艇「わだつみ6500」のパイロット小野寺は、地球科学博士・田所の指揮下で同僚パイロットの結城と共に海底調査をしていた。調査の結果、海底プレートの沈降により約1年後に日本列島が沈没する事が判る。危険を呼び掛ける田所を他の科学者達は「妄言だ」と一蹴するものの、内閣総理大臣・山本は真摯に受け止め、危機管理大臣として鷹森沙織を任命し日本人を海外に緊急避難させる「D計画」を進めようとするのだが・・・


【感想】
小松左京氏の同名タイトル小説の映画化。
既に1973年に映画は製作されていて、本作はリメイクです。ちなみに73年版は見てませんが、原作は昔読みました。
コレを「ローレライ」のメガホンを取った樋口真嗣が監督、主人公・小野寺をツヨポンが演じる・・・び、微妙か?←をい

73年版を見てないので比べられないんですが・・・少なくとも原作とはクライマックス〜結末が大きく違います。
(その他の登場人物の設定等もかーなーりー原作と違うんですがね)
結末を変えるのは原作ファンにとっては噴飯モノかもしれませんが、2006年の今リメイクするなら、この結末でも問題はないんじゃないかなぁ?って気がしました。

って言うか、すっごく「恋愛&泣かせヒューマン」に偏ったドラマになってるんですよね。
原作のトーンとかなり違う。もっとグッと「婦女子ウケ狙い」に偏っていて、ちょっとあり得ないレベル(臭さ)のヒューマンドラマに仕上がってましたね。もしかしたら原作よりも本作の方が世間ウケはいいのかもな・・・

日本全国の主要都市が壊滅していく様子が最新映像技術で面白くいじくってあって(苦笑)
「おぉ!大阪は完全水没か」「函館の赤レンガ倉庫が!うっわー!」「あ。名古屋は結構残ってるねぇ」等と、自分が住んでる街やかつて旅行で訪れた名所がどんな様子になって行くのかを見るのはお楽しみの1つでしょう。
・・・でも、基本的に映像加工技術はもう1つって感じかな。ちょっと安っぽい絵も多かったっすよ。(^-^;

何かバラバラと色んなエピソードを見せていて、根本的に「緊迫感」に欠けてるんですわ。
主人公・小野寺が「ぽよ〜ん」としてて一番緊張感が足りない。更に明らかに助からないレベルまで来てるのに、玲子の周囲は常に能天気に居酒屋宴会状態で、見てて和むっていうレベル超えてますね。結構イラ付きますよ(笑)
それよりもあの惨状の中で「自分の命よりも他人の人命救助」を選ぶ玲子にイライラしましたよ。
ぴよは「他人よりまず自分の幸福を!」という人間ですので、全く理解の範疇超えてました。自分の命を捨ててまで守りたいモノなんて、ぴよにはありませんもの。「腐れ外道」とでも何とでも言って下さいよ。えぇ(苦笑)

ま、そーは言ってもドラマ部分はなかなか上手に作ってたと思いますよ。
かなりの確立で泣けるんじゃないでしょうか?最近のこの手の邦画の人間(恋愛)ドラマって、韓流映画の展開や見せ方に酷似して来ましたよね。
パターンが決まってて、そのパターンにハマってみんなで大泣き!みたいなお約束が出来てますね。
その「お約束泣きパターン」にハマれる人には最強でしょう。そしてハマれる人がかなりいるだろうと思われますネ。

そのパターンにハマれなかった(と言うか、既にすっかり飽きた)ぴよが「負けた」という事なんだろうな、と。
そもそもあの細腕の柴咲コウちゃんが「ハイパーレスキュー隊員」という設定で白けてましたもの。あり得ませんワ。

実は予告編を見た段階でかなり期待していた作品だけに、ちょっと意地悪な感想を書いてしまいました。
原作や73年版を楽しまれた方には酷評の予感ですが、全く新しい「泣かせヒューマンもの」として楽しめる方にはウケが良さそうな気がします。心配しないでハンカチ握って映画館に見に行って下さい(苦笑)








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2006年05月26日(金) ポセイドン

監督: ウォルフガング・ペーターゼン
出演: ジョシュ・ルーカス
    カート・ラッセル
    エミー・ロッサム、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
北大西洋を航海中の大型豪華客船「ポセイドン号」船内は、ニューイヤー・カウントダウンパーティーの真っ最中。ところが突然の大津波がポセイドン号を襲い船は転覆。乗客達は上下逆さまになった船内に閉じ込められてしまった。大広間に集まって救助を待てと言う船長を振り切って、元NY市長のラムジーは別階にいる筈の娘とボーイフレンドの安否を確認して共に脱出する為に、ラムジーに賛同した数人を引き連れて大広間を出るのだったが・・・


【感想】
1972年製作のパニックアドベンチャー傑作「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク。
ポセイドン・アドベンチャーでは神父だったが、本作では元NY市長になっている。宗教色を出すと「ダ・ヴィンチ・コード」のように世界中から叩かれると踏んだのか?まあ考え過ぎでしょうね(苦笑)

で、本作。
パニック映像がスゴイ迫力です。さすが最新映像技術!津波に呑み込まれて船が転覆→華やかなパーティー会場が一瞬にして地獄絵図に早変わりしていくまでの映像のスゴイ事と言ったら!!
しかも本作、一応「メインキャラの紹介」はあるものの、映画が始まってものの20分程度で船が転覆しちゃいます。あっという間の出来事で、見てる観客も津波に呑み込まれてアタフタしちゃう程の速さです。

その後も次々と襲い掛かる難題。そのミッションを1つ解決するとまた次のミッション、の繰り返し。
まるでRPGゲームをやってるような感覚です。派手な映像と襲い掛かる恐怖と難題。それをクリアして行く度に1人ずつ参加者が脱落して行って、最後に誰が生き残るのか・・・

そんな訳で、キャラクターの描き込みやドラマ性はゼロです。←ん?
登場人物はゲームのコマでしかないですから、後は派手な映像とダンジョンクリアを目指して攻略していく様子を見ていれば万事OKな「お手軽アドベンチャー」という作りです。
上映時間が1時間半程度の短い作品なのですが、後30分上映時間を長くしても構わないから、もう少し人間ドラマの部分を掘り下げて見せてくれてもよかったんじゃないのか?という気がするんですがねぇ・・・

災害時の緊急バッテリーでもあるんだろうけど、それにしても転覆して電気系統が完全に海水に侵食、あるいは到る所で火災が発生しているあの状況下で、計器類がアソコまできちんと稼動するのは・・・72年版なら許されても、2006年の現代では誰もが「あり得ねーだろ」とツッコミ入れても仕方ありません。
小学生低学年程度であろう?ガキが、ギネスブック入り確実な程長時間潜水出来たり泳げたりしますし。
このガキは生き残ったらオリンピック強化合宿行き決定ですよ。(笑)

ま、こんな細かい事(でもないか?)にツッコミ入れるのもバカバカしいですね。
「ゲーム感覚で楽しむパニックアドベンチャー」としてはとんとん拍子に話が進むのでOKでしょう。
どうやら本作は、パニック映像だけで人間ドラマを見せるつもりは更々なさそうですから・・・(苦笑)


映画の内容とは関係ない(?)んですが、
カート・ラッセル演じる「元NY市長」の前職が「消防士」だったという設定には笑いました。これは「バックドラフト」に対するオマージュ・・・パロって遊んでるんでしょうか?(^-^;
だったらエミー・ロッサムは「元NY市長の娘」役ではなく、「オペラ歌手」役としてカウントダウンパーティーで歌ってもらいたかったですよ(言わずと知れた「オペラ座の怪人」ネ!)・・・そこまでやったら調子に乗り過ぎですかね?(笑)







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2006年05月23日(火) バルトの楽園(がくえん)

監督:出目昌伸
出演:松平健
    ブルーノ・ガンツ
    阿部寛、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
1914年、第一次世界大戦の中国・青島。ドイツの極東根拠地は日本軍による攻撃で陥落し、4700人の捕虜が日本に送還されて各地の捕虜収容所に振り分けられた。その中の1つ、徳島県鳴門市にある「板東俘虜収容所」は人徳者の松江所長の指揮下で、地元民との交流やパン作り、新聞発行から娯楽等の寛容な待遇を許され、頑ななドイツ人捕虜達も次第に心を開いて行くようになった。異国の地で捕虜になった彼らにとって、正にここは「楽園」だったのだ。


【感想】
今では年末の恒例行事になった「第九演奏会」が、日本で初めて行われたきっかけを描く作品。
事実を元に作られていて、主要な登場人物の人名や地名、出来事等はほぼ事実に即しているようです。

会津藩出身で不遇の子供時代を過ごした「松江豊寿(まつえとよひさ)」氏の偉業と、彼の寛容な処遇によって充実した捕虜生活を過ごす事の出来たドイツ人捕虜達が、第一次世界大戦集結によって本国に帰る事になった際、今までの処遇に対するお礼の意味で、日本で初めて「第九」を演奏するまでを丁寧に描いています。

予告編を見た時には「第九を初めて演奏する事になったドイツ人捕虜達の苦労話なんだろーな」と当たりをつけていたのですが、そういう作りではなくて「まったりとこの時代の歴史と板東俘虜収容所の様子を見せる」という、事実+多少の脚色を交えた静かな歴史ドラマになっていました。
「第九演奏」は、この物語の最後の総仕上げとして登場するだけで、話の始めから第九を匂わす訳ではありません。

まあ・・・いい話ですが「ゆるい」です。
色んなエピソードを見せてくれるんですが(一生懸命脚色して話を盛り上げようという努力は見える)、目を見張る程ドラマティックでもないし、感動に打ち震えて涙でスクリーンが霞む・・・という程のモノもありません。

ですが、戦争絡みで日本軍が捕虜や侵略した国々の人達にした話と言うと「略奪・陵辱・暴行」の三点セットがお約束みたいに語られている中、この映画のような心温まる話が実際にあって、そして当時の日本軍の中にも「敵国人にも平等に敬意を払える」素晴らしい人徳者がいたんだ、という事を知る事が出来るというのは嬉しい事です。
どこかの半島や大陸の皆さんに、是非ご覧になって頂きたい一作だと思いますね(コラコラ)

ブルーノ・ガンツ氏が出演しているというのがこの作品の「ウリ」みたいなんですが、思った程は出番がないです。
それよりも大後寿々花ちゃん(←映画「SAYURI」でサユリの幼少時代を演じた美少女子役)が、本作でまたしても目にカラーコンタクトを入れて登場してましたよ!コッチの方がよっぽど「宣伝ポイント」になると思うんだけどなぁ〜(苦笑)
ちなみに本作、マツケンがかなり頑張ってドイツ語を話しているんですが・・・多分本国の方がお聞きになっても全く何を言ってるのか意味不明な発音なんだろうな(笑)

クライマックスの「第九」以下、映画中で演奏される音楽は丸っきり吹替えなのがバリバリに判る陳腐な作りですが、それでも吹替えだと百も承知の「第九」を聞いて、なんだか心が騒ぐってのは・・・どういう心理なんでしょうねぇ?
ちなみに映画が終わった瞬間、会場で自然に拍手が起こりましたよ。拍手したい気持ち、判らなくもなかったですね。
映画が素晴らしかったから、と言うよりも・・・「第九」の演奏が聴けた事に拍手したくなりましたよ(をい)

いいお話ですから、「戦時下の日本軍はロクデナシの巣窟だった」と洗脳されている方々、是非見てやって下さい。
戦争を知っている世代の方には、きっと相当ウケが良さそうな予感です・・・いや、若者にも見て欲しいですヨ!






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2006年05月22日(月) 夢駆ける馬ドリーマー

監督:ジョン・ゲイティンズ
出演:カート・ラッセル
    ダコタ・ファニング
    クリス・クリストファーソン、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
牧場経営と競走馬のトレーナーをするベンは、娘のケールを連れて彼が担当している有力馬「ソーニャドール」の調教に出かけた。ケールは一目見てソーニャを気に入る。ソーニャのレース当日、右足に熱を持っているのに気付いたベンはレースに出す事を反対するが、馬主の命令でやむなくレース出走させ、レース中にソーニャは致命的な骨折をしてしまう。馬主は安楽死を命ずるが、娘の手前ベンは自分のギャラと相殺でソーニャを引き取る事になってしまうのだが・・・


【あらすじ】
ダコタ・ファニングちゃん出演最新作。
本作は「事実に基づく感動作」というフレコミですが、事実なのは致命的な骨折をした競走馬を治療し、奇跡的にレースに復帰させたという部分だけで、本作で描かれている諸々のエピソードは殆ど作り話のようです。
だから事実は貧乏牧場が引き取った訳でもないし、意地悪馬主がいた訳でもないし、復帰目標にしたレースも違うし、当然だけどダコタファニングちゃんが馬主になった訳でもない(当たり前)

まあそんな訳で、普通の感動系ヒューマンドラマです。
生まれて初めて感動のヒューマンドラマを見る人だったら、きっと感動に打ち震えて嗚咽が止まらないのでしょう。
でも既にイヤと言う程「事実に基づく感動のヒューマンドラマ!」というフレコミの映画を見ているぴよには「ふーん」くらいの感想しかありませんでした。(^-^;

何やら訳アリのファミリーらしく、同じ牧場敷地内にベンファミリーとベンの父親が別棟に住んでいるが、何故かベンと爺さんは仲が悪く(と言うか、一方的にベンが爺さんを疎んでいる)娘が爺さんの所に遊びに行く事を快く思っていない。
映画中にこの親子関係の氷解ネタも当然出てくる訳だけど、そもそもどうして仲がこじれたのか?何となく馬絡みっぽい?とは思うものの決定的な理由が明かされないので、どーも尻がむず痒い。

基本的に吠えるような部分はないものの(敢えて言えば上記の事くらいか)、逆に良かった部分も特にない。
競走馬絡みの実話を元にした感動作と言うと「シービスケット」という名作が既にあるので、どうしてもシービスケットと比べてしまいますわね。そしてシービスケットに勝る部分が何もないとなると、評価すべき点が見つからない訳ですよ(苦笑)

しかも本作、最も「痛い」と思ったのは・・・ダコタ・ファニングちゃんがちっとも可愛く見えなかった事。
コレは彼女が成長していく段階で容姿に多少の翳りが出て来たという事なのか?それとも彼女の魅力を充分に引き出せない陳腐な脚本だったという事なのか?
多分話題作りの1つとして彼女を起用したんだろうと思うし、彼女の演技自体は全く問題はなかった。だけど客寄せパンダに彼女を起用するならば、もう少し彼女を魅力的に撮れなかったんだろうか?と思わずにいられません。

ま、話の筋自体は全て予定調和の域を出ない「感動作」なので、お子様には安心して与えられるでしょう。
って言うか、コレは明らかに子供向けでしょ。
映画見ながら「あれ?コレってディズニー映画だったっけ?」って思っちゃったもん。(^-^;






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2006年05月20日(土) ダ・ヴィンチ・コード

監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス
    オドレイ・トトゥ
    ジャン・レノ、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
仕事でパリを訪れていたハーバード大学教授ラングドンは、パリ市警の刑事にルーブル美術館に呼び出された。そこには夕刻会う約束をしていたのに会えず終いだったルーブル美術館館長の奇怪な様子の死体と、謎の暗号、そしてラングドンの名前が記されていたのだ。殺人犯の疑いを掛けられたラングドンだったが、館長の孫娘で市警の暗号解読官のソフィーに助けられて難を逃れる。果たして館長の残した暗号を解読して行く2人だったが・・・


【感想】
祭りだ!祭りだぁー!!全世界同時公開、今年1番の話題映画ですよー!
いつもなら「原作未読です」と書くのがお約束ですが、本作に関しては映画化が決まる前に原作本を読んで、すげーハマりにハマって副読本まで買っちゃったクチ。公開を楽しみにしてましたー♪
・・・の一方で、耳に入ってくるのは「カンヌ映画祭で上映されて散々コケ下ろされた」という声。

果てさて、その真相はいかに?・・・と多少危惧しながらの鑑賞でしたが。

まず、この映画を見る大前提として「必ず原作を先に読んでおく事」
少なくともキリスト教の教義、キリスト教にまつわる歴史、キリスト教のカルト派の諸説等々に詳しくない方は、必ず原作本を読んで内容を理解してから見なければいけません。(まあ、ほとんどの日本人はコレに当てはまるでしょう)

とにかくめっちゃくちゃ展開が速いです。
しかもネタは日本人にあまり馴染みのない「キリスト教のカルト派閥絡み&キリスト教で最もタブーなネタ」、更にその耳慣れない様々な語句や歴史の説明が、あれよあれよという間にスルスルと会話の中で語られて、観客を置いてきぼりにしてどんどん話が進んで行っちゃいます。
原作を読まずして、この映画を見ただけで内容をスルリと理解出来た人・・・ぴよは相当尊敬しちゃいますね(笑)

かなり忠実に原作を映画に起こしているんですが、逆に言えば「原作のダイジェスト版」でしかない。
ハードカバー上下巻、文庫本で上中下巻というかなりの分量の小説を、たかだか2時間半に収めようとすると、当然だけどあらすじを追いかけて行くので精一杯になってしまうんですよね。
要するに、原作本で読者がワクワクした「肉付け」部分を全部バッサリと切り落としているんです。
もっと簡単に言っちゃうと「全く面白味に欠ける」んです。

ぴよがこの小説にハマった最初の入口が、館長が残した謎の暗号を解読して→「モナリザ」→更に「岩窟の聖母」にたどり着くまでのくだりだったんですよ。要するにこの小説の一番の面白さは「どういう思考展開で暗号を解いていったのか」、この点が最も大きいと思うんです。

ところが映画版は「早く先に進まないと2時間半で話が終わらなくなっちゃう!」とでも言いたげで、この小説がこの先どんどん面白くなる入口のクエスチョンを、物凄いスピードで瞬く間に解いてしまう。
それは最初のクエスチョンに留まらず、この小説を最も面白くさせてくれる全ての暗号解読を、何の逡巡もなくとにかく流れ作業的に次から次へとサクサクと解いて行ってしまう。

肝心の「最後の晩餐」に関するくだりもサラサラーッと流し、とにかく説明と話の筋を追うのでいっぱいいっぱい。
結果「小説の旨味成分を取り去って、残った骨だけしゃぶらせてもらう」という、何とも味気ない作りになってしまった(涙)

でも原作本を読んでおけば、「活字で読んで頭で想像しただけの景色を映像化してくれる」という楽しみがある。
原作を読んだだけでは想像し切れなかった建物や風景の様子を、具体的に「絵」として見せてくれる。
そういう「原作ファンのおさらい編」として見るには、とても良く出来ていたと思いますね。それに配役も原作本を読んだ時に頭で想像していた風貌やイメージに、ほぼ合っていたと思います。

そんな訳で、この映画は「原作ファンのおさらい編」として活用しましょう。
原作を読んでいない方は、必ず原作を読んでから見に行く・・・どうしても原作を読みたくないなら、DVDレンタルになるまで待った方がお金の無駄遣いにならずに済むでしょう(苦笑)








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2006年05月17日(水) 戦場のアリア

監督:クリスチャン・カリオン
出演:ダイアン・クルーガー
    ギョーム・カネ
    ダニエル・ブリュール、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1914年、第一次大戦下のクリスマス・イブ。フランス北部の激戦地でドイツ軍、スコットランド軍、フランス軍が相対するノーマンズ・ランド(敵同士が相対する事で無人状態になっている空間)で起こった奇跡・・・ドイツ軍の塹壕でクリスマスソングを歌ったドイツ人テノール歌手の歌声に、敵ながら思わず拍手をしてしまった事がきっかけになり、3国の兵士達が塹壕から出て来てノーマンズ・ランドで一夜限りの交流を深めるのだったが・・・


【感想】
今年のアカデミー賞・外国語映画賞にノミネートされた作品(受賞はしませんでした)
本作は事実を元に作られていて、映画のラストに「1914年にこの地で交流した兵士達へ捧ぐ」という一文があります。

まあ手っ取り早い話が「ヒネった反戦映画」なんですが、地味ながらなかなか気持ちのいい描き方です。
誰でも判り易い話の展開で、「音楽は世界の共通語」「音楽が敵国同士の心を氷解させて交流する」という部分が柱になっている訳ですが、その柱に小さなエピソードをチョコチョコと加える事で、単なる「国や政治は対立していても、個々の人間同士は分かり合えるモノなのだ→反戦」というノーテンキな展開だけにしないで、色々考えさせられる作りになってたなぁ〜と思いましたね。

それは例えば
スコットランド軍の、兄弟で志願兵としてやって来て兄をドイツ軍に殺されてしまった弟。
「一夜限りの停戦」に和む兵士達の中、1人ノーマンズ・ランドのどこかにあるハズの兄の亡骸を探している。ドイツ兵が一緒にお酒を飲もうと近付いて来た時の、あの底なし沼のような暗い瞳。

ドイツ軍将校は「俺はユダヤ人だからクリスマスはないけれど・・・」と語る。
ユダヤ人にとってイエス・キリストの誕生日はお祭りでも何でもない日だが、多くのドイツ人・英国人・フランス人がキリスト教徒で、この日が彼らにとってどれだけ大切な日なのかを受入れた上で、自らも交流を楽しんでいる。
加えて・・・これは第一次世界大戦の話なので「ドイツ軍のユダヤ人将校」が存在しているという歴史の皮肉。

他にも、秀逸なエピソード(ぴよは特に破門になった神父のエピソードが好き♪)があるんだけど、そのラストは決して微笑ましい麗しいシーンだとは言い難い。
ドイツ軍の兵士達が、交流した際に覚えたスコットランド民謡をハミングしながら向かう次の戦地は・・・(涙)
「戦争」に翻弄されながらも垣間見せた「人としての良心」を嘲笑うかのような結末(これが事実だったんだろう)には、空しいような切ないような、何とも複雑な気持ちにさせられました。

と、大絶賛したいトコロなんですが。
この作品に「女性」の存在は必要ですか?全く必要ないと思うんですが・・・やっぱり映画には「華(ヒロイン)」がないと間が持たないと製作者サイドは考えているという事なんでしょうかねぇ。
正直言って、彼女の存在がこの映画で描かれた「感動の実話」を「嘘臭く」させてしまったような気がします。

予告編ではヒロインの存在がかなりアピールされていたので、もっと彼女が活躍(謎)するストーリーを想像していただけに、中途半端な彼女の存在がかなり鼻に付きましたね。
まあ、彼女の歌のシーンは確かに良かったから(どっちだよ)文句垂れ過ぎるのも気の毒ですが。

この作品には既に「可愛い猫ちゃん争奪戦」という、ほのぼのエピソードを用意してるじゃないですか!(笑)
「美人ちゃん」なんかいなくったって、この映画が発するパワーが落ちるとは思えません。むしろ美人ちゃんがこの映画を安っぽくさせてしまったんじゃないか?とすら思えて残念でした。

でもとってもいい話ですよ。
ベースは「事実」ですから・・・人の心を動かすのは「脚色」じゃなくて「事実」なんですよね。








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2006年05月12日(金) GOAL!

監督:ダニー・キャノン
出演:クノ・べッカー
    スティーヴン・ディレイン
    アンナ・フリエル、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
サンティアゴは家族と共にメキシコから不法入国してロスで働く20歳の青年。昼は庭師として働き、夜も中華料理店で働いて生計を支えている。父親はトラックを買ってサンディアゴと共に庭師として独立する事を望んでいたが、地元サッカーチームのエースであるサンディアゴは、プロになる事に憧れて密かに貯金していた。ある日彼のプレイを見かけた「ニューカッスル・ユナイテッド」の元スカウトマンから「ロンドンにプロテストを受けに来い」と熱心に誘われるのだが・・・


【感想】
いよいよワールドカップ開催ですね!ってんで、ドンピシャ時期モノ「サッカー映画」
本作は3部作の1作目だそーで、FIFAとレアル・マドリード、それからプレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドがタッグを組んで映画に全面協力。サッカーファンならずも何だかワクワクするぢゃーないですか♪

まず1作目の本作は、メキシコからアメリカに不法移民して働くサッカー青年のサンディアゴが、スカウトされて紆余曲折の末に単身イギリスに渡り、名門ニューカッスル・ユナイテッドで頭角を現すまでを見せている。
・・・ぶっちゃけこの説明で映画のオチまでぜーんぶ書いちゃってますが(苦笑)、ネタバレだという意識はないっすよ。
だって、どんなアホでも絶対に話の筋が想像付いて、そしてそのまんまの「予定調和なサクセスストーリー」ですもの。

コレがですね、意外な事に「判り切ってる話なのに面白い!」んですよ。
サンディアゴの生い立ちや彼の魅力的で真面目な性格の見せ方も巧みですし、家族の絆、父親との確執、恋愛、チームメイトとの軋轢、友情、スカウトマンとの信頼関係、そしてサッカーに懸ける思い・・・どのネタも過不足なくとても丁寧に描かれているし、退屈する部分もないし、構成もしっかりしていて脚本もよく練れてる。

映画の見ドコロ「サッカーのプレイシーン」も、うまく映像を繋いでかなり臨場感があって好感が持てる。
結果ミエミエなんだけど、思わずゴールが入った瞬間に腰が浮いて「オォーッ!」って声出したくなっちゃう。サンディアゴがボールを持つと、知らず知らずに「行けっ!行けっ!」って心の中で叫びながら、気付くと拳に力が入ってたりする。

エピソードの見せ方も、サッカーシーンの映像の切り取り方も、本当に良く出来てましたよ。
サッカーに特に興味がない人が見てもちゃんと楽しめるように構成されてますし、予定調和だと判っていても、ついホロリとしたり嬉しくってウキウキしたり出来る。
サッカーファンの為にベッカム、ジダン、ラウール等がちょい役で登場する辺りもツボをよく心得てて◎

大人から子供まで、サッカーファンもそうじゃない人も、誰にでも気軽に楽しめて・・・W杯が益々楽しみになる1本!





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2006年05月09日(火) グッドナイト&グッドラック

監督:ジョージ・クルーニー
出演:デヴィッド・ストラザーン
    ジョージ・クルーニー
    ロバート・ダウニー・jr、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1953年アメリカ。マッカーシー議員の過激な共産主義批判により、世間は「赤狩り」旋風が巻き起こっていた。報復を恐れて自由な意見を言えなくなって口をつぐむマスコミの中、CBSの人気ニュースキャスター「エド・マロー」はプロデューサーのフレンドリー他クルー達と一致団結し、「真実の報道」を追及する為にマッカーシーを真っ向から批判するのだが・・・


【感想】
ジョージ・クルーニー監督・脚本・出演で頑張りに頑張って、今年のアカデミー賞でも主要6部門にノミネートされて話題になった作品。(だけど結局ジョージは本作ではオスカー取れなかったよネ)
「エド・マロー」は実在したCBSのキャスターで、彼とクルー達の頑張りでアメリカの「赤狩り」が終結したと言われているんだそうですよ。ちなみにジョージはマローとタッグを組んで頑張ったプロデューサー・フレンドリー役を演じています。

1940〜50年代にかけて、アメリカで猛烈な共産主義批判と「赤狩り」があったという事は知ってる。
「知ってる」ってエラそーに書いてますが、実は以前「マジェスティック」という作品を見た時に初めて知って、その際に色々当時のアメリカの政治事情を調べてようやく理解したってのが真相なんですが(苦笑)

んな訳で本作。
非常に真面目に作られた「エセ・ドキュメンタリー」な作風。でも見せ方はドキュメンタリーとも言えないな。結構ぴよは好きな演出と言うか編集でしたね。きっとジョージと気が合うんでしょう♪←向こうは全くそんな気ないでしょうがネ(笑)

ただ、すごく真面目に作られててネタもお堅いので・・・日本では余りウケる類の作品ではないだろーなーと。

世間的には「面白味が全くない」と言われそうですが、ぴよはこの作品はかなり好きですね♪
何しろエド・マローがカッコいい!当時はいつでもどこでも喫煙が当たり前だったから、エド・マローを始め登場する男性キャラはどいつもこいつも終始タバコを吸い続けている。
マローは番組出演中もゆったりとカウチに腰掛けて片手に紫煙をくゆらせ、鋭い切り口でナレーションしていく。
番組ラストのキメ台詞「グッドナイト&グッドラック」を言う時、最後にちょっと俯き加減になるのがシブ〜い!!

スタッフが番組翌日の新聞各社のコメントを凄く気にして一喜一憂してみたり、CBS経営陣やスポンサーとの軋轢等、誰もが信じて疑わなかった「自由の国・アメリカ」が「自由でなかった時代」の世相をかなり丁寧に見せてくれていたと思う。

映画冒頭と締めのマローの演説シーンは、1958年にシカゴで行われた報道番組製作者協会で彼がスピーチしたモノを再現しているそうですが、彼のジャーナリズムや報道への真摯な姿勢、それからTV報道が視聴率が取れるという理由で娯楽ばかりに傾倒していく危機感を切々と語る姿には「アンタ、漢(おとこ)だねぇ!」と声を掛けたくなりましたよ!

って言うかネ、
この作品って・・・今現在のアメリカの恐怖政治(←って言っちゃうぞーっと!)に対する批判映画ですよね?(^-^;
かつてアメリカは「赤狩り」という名の下、国民やマスコミから自由な発言・思想を奪うという愚行を犯した。
そして2006年の現在、「テロ廃絶」の名の下でかつての愚行をまた繰り返そうとしている(ってか明らかに繰り返している)

イスラム原理主義のテロリストよりもアメリカ政府の方がよっぽど「過激派」に思えるのはぴよだけじゃーないでしょ。
そんなぴよに同調出来た「反・アメリカ」さんにはオススメします。それ以外の方には・・・どうでしょう?(^-^;

「面白いよー♪」とは絶対に言いませんが、興味のある方は是非見て下さい。←すごく消極的なオススメ(苦笑)







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2006年05月08日(月) ブロークン・フラワーズ

監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ
    ジェフリー・ライト
    シャロン・ストーン、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
コンピューターで一山当てて成金生活を送る「かつてのモテ男」独身中年ドン・ジョンストンの元に、ピンクの封筒に赤い文字でしたためられた手紙が届いた。そこには20年前に別れた後に自分の子供を生んで、その息子が19歳になると書いてあったのだ。お節介な隣人ウィンストンに押し切られる形で、「母親探し」の為に20年前に付き合っていた彼女達の消息を追う事になったドンだったが・・・


【感想】
第58回カンヌ映画祭でグランプリを獲得した、ジム・ジャームッシュ監督最新作。
主演は「くたびれた中年を演じさせたらピカイチ」のビル・マーレイ。このくたびれオヤジが過去に付き合っていた女達の元を訪れるというロードムービー系なんですが、元カノ達が錚々たる顔ぶれですわ。元カノだけじゃなくてちょい役の女性もすんごい役者をバンバン使ってて、女優のラインナップを見るだけでも楽しめそう♪

と、かーなーりー期待していたんですが、コレは好みの別れそうな作りでしたねー。
少なくとも寝不足状態で見に行ってはいけない類でした。そしてぴよはすんごい寝不足でした(涙)

とにかく「ゆるい」の一言。
このゆるさがツボに入った方には最強でしょう。でもゆるい展開にゆるい音楽が被ると寝不足には辛い。
正直言うと、ドンが元カノを訪ねて行くまでの映画前半はウトウトしっ放しでした(涙)

でもいよいよ元カノ達を訪ねて行くようになると、結構「クスクス」笑えたりするんですよ。

この作品って、きっと女性よりも男性の方がウケが良さそうだよなぁ〜と思って見ていたんですわ。女性って新しい彼氏が出来ると昔の彼氏の事をケロッと忘れちゃう人が多いじゃないですか。
それに比べて、男性の方が案外未練タラタラのケースが多い。自分が振られた女だけに留まらず振った女の事もかなりよく覚えてて、「せめてアイツには幸せになって欲しいよなぁ」なんて、5年経ってもまだ元カノネタを「俺のモテ男伝説」みたいに酒の肴にしてる男がいたりする(苦笑)

実際映画の中でも、ドンはあれだけ元カノを訪ねていく事を渋っていた割には、元カノに昔送ったプレゼントをきちんと覚えていたり、当時の彼女の将来の夢を覚えていたり、自分が撮ってあげた写真を覚えていたり・・・かなりマメに色んな事を記憶してるんですよね。(ぴよなんて、昔付き合った男に何プレゼントしたか、まーったく覚えてませんヨ。苦笑)

この映画が「こーいうのって男のロマンなんだろうなぁ〜」と思ったのは、ドンが訪ねる「元カノ」達が全員がドンの事を鮮明に覚えていてくれてたという事でしょう。
再会を喜んでくれても、たとえ今もまだ昨日の傷のように恨まれていても、どっちにしろ「自分が影響を与えた女なのだ」と実感出来るというのは、男にとって悪い気はしないんじゃないですか?
自分がココまで鮮明に記憶している元カノ達が、自分を見ても名乗っても「で?アンタ誰よ?」って言われたら、そりゃー寂しいでしょ?やっぱり直ぐに「あら!ドンじゃないのー!」って言ってもらいたいでしょ?ってか、実は自分の事を覚えてもらえてて当然くらいに思ってるでしょ?

この映画見て、ドンに同調して郷愁に浸ってるそこのオニーサン!はっきり言うけど甘いわヨ(爆)
アナタが過去に振った女も振られた女も、ほとんどがアナタの事を丸っきり忘れてますから!えぇ。キレイさっぱりネ!!

まあ、そんな訳で・・・一応「婦女子」を名乗るぴよには同調する部分は少なかったですが、世の男性諸氏のロマンを掻き立てる作品なのだ、と思えば「コレもアリですかね」と思ったのでした。
ラストの「ネタ放り出し」は、まあある意味「最近よくある手合い」って感じでしょうか。

このラストを酷評する方も多そうですが「結果を出すのが目的の作品ではない」と気付けば怒る気にはならないでしょ。







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