魂の抜けてしまった君が
ドアの向こうに立っていたので
僕はたくさんの涙を流しながら
君を強く抱き締めました。
外は暖かい雨が降っていて
灰色の空の中を黒い鳥が横切って飛んでいきました。
地面に叩きつけられた雨粒は
狂ったように数億の小さな輪を描いていました。
君の変わり果てた姿は
辺りの雨音を無にしました。
苦しみを分けて下さい。
言っても聞こえないならこうやっていつまでも抱きしめています。
君を温めて、そこから救い出しましょう。
果てしない世界から、君は最後の気力で僕を求めて
このドアの前までやってきたのだから。 | |
憧れることはその強い引力をもってしても現実には変わらない ただ、待ちわびていることしかできなくて。 それは、切に願っても叶わなかった想いとそっくりで もうすでに行き詰った気がする。 これから起こることなんて 今までにも何度も経験してきたことなのだ。 | |
隣の家の窓に 柔らかな明かりがついた やがて世界中の窓に明かりが灯され 蒼い夜の街は星明かりのように美しく変わっていった
唯一この部屋はまだ暗いままで その中には私だけが居た 静かな闇が一枚一枚重なって 私自身の色も失われてゆくようだった
古びた床の上でひざを抱えていても 誰も帰ってこなくて
窓から見える街の明かりが遠く 星の海のようだと思っていた | |
もう一度あの頃に戻ってみたい。 笑顔も言葉も0のまま。 忘れていることを確かめてみたい。
それから今をより丁寧に紡ごうと思うだろう。 いつかの言葉を待ち続けながら。 | |
どうせ嘘だと思って 裏返しの布ばりの空を叩いた
息が苦しかった
裏返しのポケットに入ってる本当を教えて 幼い眼に見せつけて
布張りの向こうの色が青かったなら
ごめんって思うかもしれない
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