時々、錆付いた宝箱を開けてみる
ひとりきりの夜に
窓からさしこむ街灯が 暗い部屋に優しく切り込んで 向こうの壁で折れ曲がるのを見ている
そのまま部屋は宇宙になって 宝箱が見えてくる
このままこの箱を忘れてしまっても それは何の支障もない事だけれど 私はほとんど忘れそうになる時に 引っ張り出して開けている
久しぶりに開いた箱の中は 今でも本当に美しい
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世界の終わりと聞いて 目に見えるのは果てしない原。 終焉という言葉と、 最後の夕日。
世界は寂しさが混じった安堵感に満たされて終わる。
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幸せな言葉を書けば 本当に幸せのような気がする でも現実はもう少し暗にみえる 人は老いていくし いつまでも昔のように 元気なままではなくて。
でもあなたと出会ったことは 紛れもない幸福
不安をかき消すためかもしれない。 暗闇から逃げるためかもしれない。 夜の暗い部屋でも 抱き合っていれば 心の中ですら癒えてくる。
君と一緒に暮らそう、いつかきっと。 猫と犬のいる暖かい部屋で。 | |
『良い人に巡り逢えたらいいね』
苦く笑えた。 私もそう思う。 多分、お互いにそう願う。 | |
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