西部邁氏が亡くなったことは、同世代の私には年明け一番の衝撃だった。 著書は読んだことが無く、テレビで論陣を張っていた頃{もう10年くらい前になるか)、特にその頃よく見ていたあるチャンネルで、佐高信氏と、毎回一つのテーマについて、議論していたのは、愉しみに見ていた。 最近、あまり見なくなっていたが、奥さんに先立たれて以来、なにか、心に帰するところが合ったのかも知れない。 相思相愛の夫婦だったと言う話を聞いたことがある。 数年前、当時の文科大臣に、道徳教育について、遠慮の無いコメントというか、意見を言い、大臣の方は、互角に語り合うと言うよりも、黙って聞いていたという感じだったことを覚えている。 一貫した考え方や表現力には、筋の通った物が有り、誰も、互角には太刀打ちできなかったのではあるまいか。 今回の自死には、それなりの覚悟と強い意志があったと思われる。 ただ、もう一度、彼の歯に衣着せぬ口舌に接したかったなと思う。 惜しい、残念というしかない。 寒中の入水は、さぞかし冷たかったろうに。 ご冥福を祈りたい。 あの世で奥さんと巡り会って、どんなことを語り合っているのだろう。
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