沢の螢

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秋彼岸
2004年09月22日(水)

午前中墓参に行く。
東京郊外にあって、家から車で、一時間半ほど。
明日は道が混むであろうと、平日にしたが、逆に営業用のトラックなどが沢山走っていて、込んでおり、余計に時間が掛かった。
しかし、霊園内は、すいていて、ゆっくりと墓参りをすることが出来た。
夫と、墓の周りの植木を切ったり、墓石を洗ったりしていたら、少し離れたところで、ひとりで、墓所を掃除している女性がいた。
知らない同士でも、ちょっと目礼を交わす。
いずれは、あの世で一緒になるかも知れないからという気持ちが、お互いにあるような気がする。
公園墓地なので、広く明るく、余り墓場という感じではない。
春の彼岸の時などは、天気がいいと、ピクニック気分で来る人も多く、家族で賑やかに、墓参りをし、藤棚の下で、持ってきたお弁当を食べたりする光景も見られる。
我が家の墓には、夫の両親、生まれて直ぐに死んだ夫の弟が眠っている。
最近は、夫の墓には入りたくないと言う女の人たちも、増えているらしい。
時々、私も冗談半分に、そんなことを言ってみることがある。
「人は死んだら、生まれた家の墓にはいるのが自然じゃないの」と・・。
「じゃ、子どもはどうするんだ。親が、別々の墓に入ったら、両方に墓参りしなくちゃならないじゃないか」と夫は言う。
私たちの場合、冗談で収まっているが、墓の問題は、案外と深いものを含んでいて、時代が変わるに連れ、今までのような、男中心、家系第一の思想と墓とは、どこかで噛み合わないことになってくることも考えられる。
「生きている間は仕方ないから一緒にいるけど、死んでまで、あの人と一緒になんか居たくないわ」と、公言する女性も、少なくない。
それが、割合、年配の人であることを思うと、旧時代の価値観の中に組み込まれて、自分の意志を通すことなく過ごしてきた女性たちの、怨念のようなものを感じて、何も言えなくなってしまう。
墓に線香を手向け、死者の霊に手を合わせながら、そんなことを思った。
霊園内のレストランで、遅い昼食を済ませ、帰途につく。
途中、激しい雨に遭い、車に当たる音があまりに強いので、見たら大粒の雹だった。
局地的なものだったらしく、半時間ほどで抜けた。
蒸し暑い一日だった。



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