息子の妻が昨日入院した。 子宮筋腫の手術のためである。 急に大きくなったので、取らなければダメだと言うことになり、10日間の休みを取って、入院した。 内科的なことではないので、本人は割合元気で、入院に備えて前日遅くまで働いていたらしい。 こんな時、すぐ大騒ぎするのは夫のほう。 息子から、だいぶん前に話はきいていたが、「詳しいことを本人に電話して訊いてみろ」とか、「いつ入院するのか、確かめてみろ」とか、うるさいのである。 「その近くになれば、息子が知らせてくるし、周りが騒いだって、仕方ないでしょう」というのに、落ち着かない。 そこで、先週電話を入れた。 入院の日と、手術の日を訊き、本人の状態を訊いて、あまり心配なさそうなので、静かに、その日を待つことにした。 息子は2日ばかり休みを取り、車で築地の病院まで連れて行った。 私は、何度も入院経験をして、女が入院する時の、留守の家のことや入院の支度などの煩わしさを知っているので、そんなとき、気を使う人間、ことに男などが行っても、何の役にも立たないし、むしろはた迷惑なので、息子の妻の入院については、亭主である息子と、向こうの母親にまかせたほうがいいと考えた。 ただ、手術というのは、思わぬ事故がないとは言えないので、病院に行ってみることにした。 今日は、夜オペラを見に行くべく、チケットを取ってある。 手術予定時間は午後2時、終わるまで待って、劇場に向かうのに間に合う。 私が一足先に病室に行くと、息子と、嫁の母親が、すでに来ていた。 向こうの家は、病院から近く、私のほうは、1時間半近くかかるのである。 そして、向こうの母は「遠くまで、申し訳ありません」と、恐縮して、やはり自分の娘のために来てくれて済まないと言う、娘の母親の態度である。 私のほうは、息子の妻が手術するのだから、親として、立ち会いましょうという気持ちである。 向こうの母は、かいがいしく娘の点滴を手伝ったり、トイレを手伝ったりしている。 姑の出番はないなと、感じた。 そのうちに、私の夫も顔を出した。 手術の順番が遅くなり、予定時間を遙かに超した夕方近くになって、やっと、手術室に呼ばれた。 前の患者の手術が、長引いたとのことだった。 息子と嫁の母、それに私たち夫婦が、手術室近くの待合室に待機することになったが、オペラに行く時間が迫っていた。 そこで、あとを息子と嫁の母に頼んで、劇場に向かったのであった。 オペラは「ラ.ボエーム」。 よい席で、愉しく干渉出来た。 終わって、うちに帰ると、10時半。息子からは、夫の携帯に伝言が入っていて、「手術は無事終わり、病室に帰る準備をしています」とのことだった。 雨模様の一日だった。 「入院は、本人は、ちゃんと医者と看護婦が付いているからいいの。むしろ気を付けるのは周りの人たち。疲れないように」と息子には、言ってあったが、妻と、妻の母親の送り迎えで、ずいぶん疲れたことだろうと、明日からの勤めを控えた息子の体を思いやったのだった。
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