ガトーショコラは苦いくらいが丁度いい？

2007年11月08日(木)　　世界を敵に回して恋する乙女。

何それ。そういうと裸でベッドに寝転んでる彼は苦笑した。
そしてタバコを吸うためにベッドから立ち上がる。

無機質な白さ。無駄な照明に無駄に大きい液晶テレビ。
無駄に大きなベッドに2人で寝転んで夜を過ごしている。

あたしは布団に蹲ったまま彼を眺めそして続ける。

「あたしのね、大好きでなんだか気になっちゃって。
　どうしようもなく近い存在みたいな子が言ってたの。
　『世界を敵に回して恋する乙女だね』って。」

彼のタバコの横においていたあたしのタバコに手を伸ばす。
ピアニッシモウルトラライト。青いラインが海を連想させて好きなパッケージ。

「『世界を敵に回す』ってさ、俺すげー悪いやつみたいじゃん」

「それ、あたしがあなたに恋してるって言いたいの？」

いたずらな笑みをうかべるあたしに彼はそのまま軽くキスをする。タバコをもったまま。
舌を絡ますとニコチンの味が絡み合う。それも悪くない。

全身全霊で君を愛して。
世界を敵に回したって恋をする。
そんな人生を想像すると興奮しすぎてぞくぞくするよ。

あたしの考えてることなんてお見通し、そんな顔をして彼はあたしを覗き込む。

言葉にならない言葉を飲み込んでキスをする。
その先にあることなんて知ってる。
きっと今日も睡眠時間をけずってまで彼とあたしは体液を溶かしあう。

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