ガトーショコラは苦いくらいが丁度いい?

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2007年04月16日(月)  思い出は美しいものである、らしい。



言葉を漏らさないように、必死に鉛筆を動かした。
ちらりとあたしの走り書きを見て、何か言いたげに、苦笑したのが、目の端に映った。



買ってからしばらく放っておいたラテはずいぶんと冷めていた。
ここがスタバじゃなくてタリーズだったらタバコが吸えたのに、と舌打ち。



「もしもさ、」


いつものように咄嗟に喋りだすあたしに少し驚き、そして口の端を持ち上げた。


『何?』

「もしもさ、あの時に会ってたら、今みたいになってたかな?」

『あの時って?』

「あの、夏の。3年前の。あのお祭りの時。浴衣来てた日」

『ああ』



記憶を手繰り寄せるように、遠い目をする。


その目が、あたしは好きだ。




あの頃よりも幾分か大人になった(であろう)あたしはこうして今君と一緒にいる。
時の流れを経過させるようにあたしの髪の毛は腰近くまで伸びた。



ぎこちなく隣を歩いたあの日とか。
泣きながらお酒を飲んだあの日とか。
きれいすぎる朝焼けに感動したあの日とか。
手を繋いで見知らぬ土地を歩いたあの日とか。
一緒に桜並木の下を歩いたあの日とか。
改札前で抱きしめてくれたあの日とか。



思い出を思い出すほど、綺麗すぎる過去に溜め息。



この先のことなんてわかんないけど。
あたしは普通じゃないかもしれないけど。



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