ガトーショコラは苦いくらいが丁度いい?

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2006年11月05日(日)  君のいない朝。


目が覚めても世界は変わっていなかった。
当たり前のことだけど、あたしは溜め息をついて少し悲しくなった。


横に誰もいないからそっと起き上がらなくても良くて。
その事実にも泣きそうなほど切なくなった。



喉がカラカラなことに気付いたので冷蔵庫まで歩く。
ペットボトルを口につけてそのまま飲み込む。
喉を伝う冷たい水がとても気持ちよかった。

「行儀が悪いからコップについで飲みなさい」という君の言葉を思い出した。
思い出さなかったフリをしてあたしはそのまま水を飲んだ。




とりあえず音楽を聴こうとコンポの電源を入れる。
流れてきた曲は君が大好きな曲だった。
コンポの上には君のお気に入りのCD。
もう1度、電源ボタンを押した。



とりあえずシャワーを浴びたかった。
タオルを持ってバスルームに向かう。
中には君が買ってきてくれたシャンプーやボディソープが並んでいた。
横目で見ながら、少し温めのシャワーを頭からかぶった。




君はいつも左側で寝ていたこととか。
君が好きだった音楽だとか。
君が育てていた観葉植物だとか。
君がいつも羽織っていたパーカーだとか。
君の好きだった飲み物がいつも冷蔵庫にあることだとか。

あたしを抱きしめる君の腕だとか。
頭を預ける君の広い胸だとか。
やさしく頭を撫でてくれる君の掌だとか。
愛してると囁く君の唇だとか。


この家には君がつまりすぎている。




居るはずの場所に君がいない。

あたしははじめて、君を思って泣いた。



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