いまにも電話が鳴るかもしれない という思いがふいに浮かんだり、 いま自分がなにをしたらいいのか何を考えたらいいのかすら わからなくなる。
起きて、飯食って、弁当作って、いつもの電車に乗って会社に行く。
そんな当たり前の日常を”こなせている”自分が おかしいと思う。 おかしい。
そうやって いつまでも「連絡がくるかも。くるかも」といって 何日も、何週間も、何カ月も、何年も経っていくのだろう。 ほらすぐそこに、いままさに ああ電話が。
鳴らない、電話。
「鳴らない電話を待つのは、もうやめたわ」 なんて、台詞を、私は言える気がしない。 いつまでも、待ってしまう。 だって、死んでいないもの。 彼は生きてる。 私を切り捨てて、生きてる。
|