すべてを、手に入れることあたわず。
なのだということを、短い小説の行間に思った。
たとえば、河原でふたりでお弁当、とか レストランでふたりでデート、とか。
そういうことは、あんまりなくて でも、なくてもやってけるような気がしている。
もしくは、老後にそういことを夢見て。 だけど、そんな平穏な老後が訪れないかもしれない、なんて もうすでに考えている。
すべては、手に入らないから 夢を見ているだけでも、よしとする。 あることに、よしとする。 じっさい、よし、なのだ。
もしも、すべてが手に入ったら 幸福でしんでしまうだろう。
いますでに、じゅうぶんに、しあわせなのだ。
|