a Day in Our Life
2002年02月08日(金) |
タカオカ生誕記念。(になぜかサクツカ) |
今日もロケが長引いている。このドラマの撮影にも回を増すごとにだんだん慣れてきて、そんなのもう、当たり前のようになっているんだけれど。ひょっとしたら今日も泊まりになるのかも。まあ、明日は午後からの仕事だから問題ないだろうと思うけど。 そんなことを考えている俺の横で、妙にそわそわした様子と表情の高史が目に入った。さっきから何度も携帯を眺めたり、メールを打ったり、忙しい。そういえば今日はずっと落ち着かない様子だった。いつも撮影の待ち時間なんかには率先して遊ぶタイプだったので、明らかに行動のギャップを感じる。今日、なにかあるんだろうか?今もスタッフの呼ぶ声に気付かずに、まだ携帯を見つめたままだ。 「高史」 「・・・え?」 近くから呼びかけるとやっと反応を示して、俺を見遣った。携帯は相変わらず握り締めたまま。 「呼んでるよ」 親指でスタッフのいる方向を示した。あ、サンキュ、と短く言ってその方向に顔を向ける。そう遠くもない距離から二言三言、言葉を交わしただけで会話は終わった。たいした用事ではなかったらしい。会話を終えた高史が握り締めたままの携帯にちらりと目を落として、小さくため息をついた。 「…今日、なんかあるの?」 なんでもなさを装って聞いてみた。プライベートなことを聞くのは不躾かも知れなかったけれど、しょうがないんだ。高史のことなんて、なんでも気になるんだから。 「うん、ちょっとね…」 「連絡待ちかなんか?」 連絡をするにも待つにも相手がいるわけで。俺がこれから聞き出そうとしていることは、きっと俺を傷つけると思った。それでも気になって仕方がない。 「連絡待ちっていうか……、」 モゴモゴと口の中でなにかを呟いていた高史は、ふと息を止めて。それから覚悟をしたように言葉にした。 「どうしても、今日じゅうに会いたい人がいるんだ」 「今日じゃなきゃダメなの?」 「うん。今日じゃなきゃダメなんだ」 はっきりと言い切った高史が一瞬アニの顔になる。こうと決めたら意志の強い、まっすぐな目。それからまたすぐ、高史の顔に戻った。 「聞いていい?…なんかあるの?」 聞いていいもなにも、さっきから俺は質問だらけだ。自覚はしていた。高史は気付いてなかったみたいだけど。 「今日は、俺の一番大切な人の誕生日なんだよ」 だからどうしても今日会いたいんだ。 言って高史はかすかに笑った。ように見えた。 その笑い顔はいままで見たことのない色を含んでいて。上手く表現出来ないけど、とにかく俺は見惚れた。 きっとその大事な人は、高史がいま一番あいしてる人なんだ。不思議とそれに関する痛みはなかった。それはたぶん、高史がひどく優しい顔をしているからに違いない。 誰かを想うとき、ひとはこんなに優しい顔になるのかなって。 そんな表情をする高史も、させる誰かも、幸せなんだろうと思った。 俺も高史を思うとき、こんな表情をしているのだろうか。 「そっか…じゃあなにがなんでも今日じゅうに帰らないとな」 頑張ろうよ、終るように。 言ってぽん、と肩を叩いた。俺、今日車で来たからさ。送ってやるよ。 言うとぱっと明るい顔になった高史がサンキュー翔、恩に着る!と嬉しそうに笑った。タイミングよく高史の携帯が鳴って、画面を見つめた高史が、そこになにか素敵なものを見つけたみたいに、一層微笑んだ。 「その代わりさ」 不意にかけた俺の声に、反射的に高史が顔を上げて。その、微笑みの残る表情に向って、出来るだけ笑ってみせた。 「俺からもその人に言っといてよ。おめでとう、って」 俺の言葉に高史が今度こそ破顔して、嬉しそうに笑った。
■■■ハッピーバースデー。
なのにサクツカ、しかも片思いってどうなんだろう…。すみません、タカオカなのはどうしようもないし、そうなるとサクツカは、ねえ?みたいな。サクライ君はどうも石橋は叩いても渡らないタイプだと聞くのですが、あたしが書くと叩いたら渡りそうな感じだなあ…。最初は考えなしに真ん中を渡ってしまうのかと思ってたんですが、かなりの慎重さんらしい。ありえないけど本気でサクツカを書いたら、きっといつもタカシにばっかり言わせてるんだろうなあ(笑)。ていうかサクツカ、マジで歯止め効かないよ、すみません(益々)。
ところで実際のサクツカ、つかサクライくんはM駅出演のため木更津にはいないんですよね。 M駅出演バージョン(=一緒にいないふたり)で書いてもよかったんだけど、どうせ捏造なので事実関係も捏造しました(笑)。M駅に出る、=東京に帰る、だから午前中とかで中抜け(まあ木更津に戻ったかどうかも知りませんが)するサクライをすごい羨ましそうに見てるツカモトとかねー(笑)。俺も一緒に帰りたい、とか言って無駄にサクライを喜ばせたりしてそうじゃないですか?え、違う。あそう。
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