a Day in Our Life
2001年09月21日(金) |
タカツカポエム。(ツカモト編) |
何気なくラジオをつけたら、聞きなれた声が耳に届いた。そういえば健太さんのラジオに出ることになったって言ってたっけ。あれ、今日だったんだ。 穏やかな健太さんの声が、話を進めて崩して、流していく。 掛けられた言葉に丁寧に、たまに詰まりながら蒼佑が答えていく。 電波を通して聞く蒼佑の声はなんだか少しよそいきっぽくて、ちょっと笑ってしまった。たぶん緊張してるんだろう。ラジオとかテレビとか、いつまで経っても慣れないって言ってたっけ。相変わらず緊張しいなんだ。 口元を緩めたところで、別の誰かの声が被った。聞き覚えがあった。これは確か、野田聡美役の。 綺麗に澄んだ声が優しく蒼佑、と呼んだ。 呼ばれたのは俺じゃないのになぜかひどく体が熱くなった。思わず右手を握り込む。 交わされた軽口と、彼女の笑い声。 それに答えて笑う蒼佑の声が遠く感じる。 それは電波のあちら側とこちら側ってだけじゃなくて。
なんとなく息苦しくなって、手を伸ばしてラジオの電源を落とした。
■→ネクスト0922。
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