保育園の桜の木にたくさん小さな実がついている。 毎日これを拾うのが日課の晃&花。 とくに花は大好きで、晃太朗はアリやダンゴ虫の観察の方が好きみたい。
両手いっぱいの桜の実を持って、車に乗り込む。 保育園から自宅まで、車で10〜15分くらい。 その間、手持ち無沙汰な晃&花。 拾った桜の実をコネコネ。 窓から見える景色に声をあげたり、なんとなく眠かったりもする。
家に着いて車を停めて、さあ降りるよ〜と声をかけると晃太朗が泣きそうな顔。
「おがーざーん、ざぐらんぼだ〜〜(お母さん、サクランボが)」
見ると鼻の穴にずっぽりはまっている。 おいコラ、何してますの!?
「どれだいよぉ〜〜(とれないよー)」
指ではとれない。ああ、もう、いい大きさなんだから。 鼻をかみなさい、とティッシュを渡す。 何度かんでも出てこない。
「いだいよぼぉ〜〜(痛いよー) ばなじゃんのぼぉーいん、いごうよぉ〜〜(花ちゃんの病院、行こうよ)」
かかりつけの小児科に行こうと行っているのか、花奈乃がよく行く耳鼻科に行こうといっているのかわからないけど、どっちも木曜の午後は休み。 どうしようかなあ、とりあえず家に入ろうと、泣きそうな晃太朗を連れて歩き始めると、晃太朗はくしゃみを2回。
ぽろっと桜の実は鼻から落ちてきた。
ほっとして、晃太朗と大笑い。 つられて花も大笑い。
「なんでこんなもの入れちゃったの?」 「ちがうよ、サクランボが鼻に入っちゃったんだよ」
ちがわん!! 答えになっとらん!!!
「もう入れちゃだめだよー」 「はーい」
返事は素直だけど、絶対次はダンゴ虫を入れると思う。
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