2001年01月19日(金) |
顔合わせ(翔×高史) |
夏のコンサートも終って落ちついたとこに、一つの仕事が入ってきた。 「V6の岡田くんと共演するドラマなんだけど、どう?」 木更津というとこが舞台で、男五人でつるみながらいろんなことする話らしい。 脚本がIWGPの人だっていうし、ドラマ事体おもしろそうだし。 何より中心人物役ってあんまりなかったしってことで。 速攻オーケイした。
顔合わせ日。 毎回このときは緊張する。 人見知りするわけじゃないけど、初対面の人と仲良くするっていうのがなんか苦手だった。 「翔くんは嵐以外の友達作ったほうがいいよ」 大野に言われたけど・・・・・仕方ねえじゃん? 俺だって作ろうとは思ってる。 この世界友好関係も大切だしさ。 嵐のメンバーがいつも一緒にいるわけじゃないし。 だけど、今までのドラマで自分より年が近いやつは決まって俺と話そうとしなかった。 俺がジャニーズ事務所所属のヤツだからって、構えてしまうらしいけど。 そんな状況で友達なんか作れるわけない。 今回も一緒に共演するヤツはあまり聞いた事ないヤツラばっかだった。 だからきっと前と同じなんだろうな。 それで困るわけじゃないし。 「天近」のときは松岡くんがいたし、今回も岡田くんがいるからいいや。
そんな風に思いながら開けたドアに、アイツが座ってた。 共演者と話してて、笑顔を向けてて。 その笑顔がなんかキレイで、見惚れてしまった。 笑顔なんか見慣れてるのに、それは何故か特別に感じて。 そこだけなんか違って見えた。 「桜井?」 岡田くんに話しかけられるまで、俺はドアの前でぼうっと突っ立ってた。
自己紹介が始まって。 あの笑顔のヤツは「塚本高史」って名前で、アニ役で、声が少し高めだってことがわかった。 「じゃあ、今日はここまでで」 声と共にアイツは立ち去ってしまいそうになって、俺は慌てて話しかけた。 「なあ、ドラマって初めて?」 「え・・・・いや、違いますけど。こーいう中心なのは初めてです」 急に話しかけられて驚いてるらしかった。 「なあ、敬語じゃなくていいよ」 「え?」 「年近いんだし、同い年役なんだし。いいよ」 「そう・・・・・だよな。うん、そうする」 やっと落ちついたのか、俺の言葉に頷くとさっきと同じ笑顔を向けた。 その笑顔に、なんか落ちつかなくて顔が赤くなるのを感じた。 (うっわ・・・なんだよ、これ) 「じゃ、三ヶ月よろしくな」 手を出されて、心臓がバクバクしながら握り返した。 「じゃ〜な!」 去って行く後ろ姿を、ぼうっと見送っていた。
「友達作るよりも好きな人作っちゃったんだね〜」 どこかで大野の声が聞こえた気がした。
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