2001年01月18日(木) |
純情感情過剰に異常(翔×高史) |
「タカシ、何してんだよ」
呼ばれたと思ったら、後ろから暖かい感触がして、抱きしめられたと気づく。 この、女の子が「かわいい」と騒ぐ声と俺にこんなことしてくるのは一人しか知らない。
「翔・・・・」 「ん?どした?」
悪びれもせずに澄ましたような顔をされて、自分がからかわれてるんだと気づく。 翔は時々こうやって抱き付いてきたり「スキだ」とか言って、うろたえる俺をおもしろがってるみたいだった。 あの事務所所属のアイドルだと思って話かけるのを躊躇ってた俺に、翔は自分からどんどん近づいてきた。 人懐っこいのかと思ったけど、同じ事務所の岡田くん曰く「人見知り」するヤツらしいと聞いて驚いた。 負けず嫌いで人見知り。 だけどそんな事感じないくらい、翔は俺に話しかけてきた。 その結果、名前で呼び合うようになって(それも翔から言ってきたことだ)、今じゃ過剰なスキンシップを受けるまでになった。 周りは「仲いい」としか見られてないけど・・・さ。
「いい加減離せよ」
回された腕をはがすと、思ったよりあっさり剥がされた。 頭上で何がおかしいんだか翔が笑ってる。
「やっぱタカシはかわいい」
オマエに言われたくない!と思ったけど言うと怒りそうだから言わなかった。 俺なんかより自分のがよっぽどかわいい顔してるのに、翔は俺のことかわいいと言う。 そのことを言ったら「俺はアイドルだからとーぜんだろ?」としれっと言われた。 男にかわいいとか普通言わないだろう。 それは俺が翔より1学年下だからかもしれないけど。 だけど翔に言われると嫌味にしか聞こえないっての。
「タカシ」
その声に顔をあげると、間近に翔の顔があって。 驚いて引こうとするより早く唇に掠めるようなキスをされた。
「ごちそうさま」
女の子が騒ぐ「かわいい笑顔」というのを浮かべなら。 それだけ言って、呆然としてる俺を置いて去ってしまった。
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