ネコヤシキ日笑
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歌舞伎の観劇。幕見を除くと、初めて。
そして今日は、「きものの日」という設定になっていて、きものを着てゆく。
興味深くて、きょろきょろしてしまった。
歌舞伎のような古典芸能は私には理解できるのだろうかと案じていたのだけれど、イヤホンガイドという便利なシステムが提供されていた。見ただけではわからない点もさりげなく、よいタイミングで教えてもらいながら、舞台を見ることができる。
衣装も、所作も、展開、音響も、独特の様式美のようなものがあって、それがわかると面白くて楽しい。相当の修練を積んで演じているであろう役者さんたちに見とれたりもする。
でも、だれでもがこのイヤホンガイドを使っているわけではなくて、そういうものなしに楽しんで見ている人も多い。演じる側だけでなくて観て楽しむ側にも知識や経験、造詣といったものを要求するが、そういう見る目を持つと、この芸能はとても味わい深いだろう。そして、そういう見る目を養った人によって、存続してゆけるのだろう。
そして、今日は、礼装ではないお洒落着の格のきものを着たひとたちを、何十人も見た初めての日でもあった。
日舞だかお茶だかのお仲間であろうか、何人もまとまって来ている人たちもいたが、ひとりで、「通」なきものや帯を纏った人たちも居て、ついうしろからその姿を追ったりした。今ごろの季節にふさわしいさわやかな色の紬に、やはり綺麗な色の紬の帯や、季節の花の染め帯の人など。いったいお家にはどのくらいの季節毎の衣装を持っておられるのだろうかと思ってしまう。
そして、着こなしも、ぐちゃぐちゃな人、堅苦しいほどきっちりしている人、ほどよくゆるやかでしかもすっきりとまとまった人など。そんな人たちをさりげなくきょろきょろ眺めて、幕間も面白かった。
歌舞伎見もきものも、今の私には巧者になるのは難しいだろう。 でももうすこし先までいきたいな。と思った日であった。
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