ネコヤシキ日笑
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茶道を再開しようかと思った。 先月、近くの古道具やで、萩と、紫陽花柄の京焼の茶碗を買った。 適当な教室がないだろうかとたずねると、近くのカルチャースクールを紹介してくれた。問い合わせると、そこの茶道教室は、近くの豪邸の本格的な茶室を使ってやっているのだといって、いちど見学だけでも行ってごらんなさいとのこと。
きょうがその教室の日。 昨晩、むかしむかしの懐紙入れやら懐紙やらを取り出してきた。 もう20年モノだ。
ほんとうに立派な茶室。お稽古がしやすいような広間と水屋。 先生はいかにも茶道教授らしいたたずまいの端正なひとで、柄を織りだした紬に上品な桃色地に菖蒲柄を染めた帯。 生徒は今は学生さんひとりのようす。もうひととおり習っているようで、柄杓扱いの手、位置、細かい所作を、厳しい口調で直されている。 客をするにも緊張する。
身体で憶えるものだし、きちんとした型を身につけていないとこの世界ではあとで困るだろうから、そんなことも必要だとは思う。ただ、私が今優先したいものは違うような気がする。
よい茶室で、お茶は美味しかったが、私はここで、このお稽古はしないだろう、と思った。もうすこし彷徨ってみる。
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