約束破り


横目でちらりと盗み見る世界は
暗黙とかいう訳の判らない強迫観念が蔓延っていて
それはそれはとても温くて心地良さそうだ。

夜の闇は案外と明るくなってしまって
迫る朝への期待とか
繰り返す惰性の緩やかさとかが
何だかまるで滑稽になってしまう。

僕はいつでも簡単に揺らぐから
繋ぎとめるのが好きなあの子には
やっぱり遣り難いのだろうけれど
つまらない行程をひたすら反復することが
幸せになるコツだって信じているらしい。
ならばこっそり便乗しよう。

だから僕は
その幸せがどんなものなのか
ちゃんと見届けるまで
もう馬鹿なことはしないって約束するよ。


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