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切なさ
枕につけた埋もれた耳側から
ちょろちょろと小川の様な水流が聞える
わたしは少し安心して
昔に思いを馳せる
手段の少なかった世の中で
人間に生まれた切なさは
距離でも情でもなく
時間だと気付いた時に
わたしと
その燃えるような空白の間に
恋人との再会に似た
喜びも感じた
風が吹くような懐かしさ
土が匂うような哀しさ
水音のような穏やかさ
炎のような激しさ
遠く過ぎ去った時間が
それらの切なさを生んでいる
刹那とは
切なさからきた言葉だろうか
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