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2006年05月27日(土) 『エリザベート』ソワレ武田楽

<出演>一路真輝、武田真治、石川禅、
 寿ひずる、浦井健治、笘篠和馬ほか

いい舞台だったな〜。禅フランツがまた、
見事なまでに自信がなく情けないもんだから、
♪父と息子の場面で、もう泣けてきちゃったし。
「お前に政治が分かるはずがない」と言いながら、
裏で(私のやったことは全て裏目に出ているが)とか
思っている感じの禅パパ(泣)ゾフィーに疑問感じながらも
ずっと従ってきちゃったから、どうしたらいいのか
自分で自分に自信が持てないけれど、自分は皇帝。
妻は別居したまま、息子は造反。なんて人生だ。

そんな、どーしょーもない男と武田トートの組み合わせは、
もはやイジメにしか見えないね。自分に何かできると
信じている綜馬陛下の気持ちが叩き壊されていく♪悪夢も、
武田トートの容赦ない力が見えて、切なくて最高に萌えたけれど、
何もできない自分には、「愛している」という事実しか
残っていないという感じですがりつく禅フランツを、
けっ!とか笑い飛ばしながら♪悪夢を演奏するトート閣下!
もはや何も言えませんわ。完璧な力。美しさ。ラブ〜(*^^*)

彼はね、ちっともエリザベートを愛していない辺りも
Myツボみたい。手に入れたらポイッとしそうな感じ。
そして、最後に「俺だけに」と高らかに歌い上げた直後、
エリザの「私だけに」が聞こえて気にでもなったのか、
「ん?」という感じであごを引く。そして、彼女を棺に
納めて振り返ってからも、何だか後一歩納得がいってない
すっきりしない表情のままで終わる辺りが、物語として、
ものすごーく納得なんですよね。エリザの勝利って感じで。
「すべては皇后が望んだ物語だった」と、まとまるし。

前回観た時、あごを引いた感じが気のせいだったのかもと
思ったんで、特に感想には書かずに心の奥で気にしていて、
今日チェックしたら、やっぱり一瞬クッと引いていた。
そして、「俺だけに」と歌い上げた時とは違う、
ちょっと中途半端なような顔つきで終演を迎えていた。
意図してる・・・のよね?多分。なら、本当に好きだわ。
これこそが正しい『エリザベート』という物語。

でも、そうして私の感じる「正しい『エリザベート』」像を
追求すると、♪愛と死の輪舞と「まだ私を愛してはいない」
への違和感が高まってきちゃう辺りは、難点なのですが。
実際、武田トートだと「まだ私を愛してはいない」の場面、
全くそんな理由じゃなく突き放しているように見えるし。
でもその方が絶対的に、私は納得できるんだけどなぁ。

ああそうだ、一つだけ、これは変えられる不満点だけど、
今日の彼の挨拶、とてもとても長くて楽しかったんだけど、
いろんな人に「有難う」言った中に「お客様」がなくて、
寂しかったってこと。感謝の気持ちは感じられていたけれど、
あ、なんか忘れられちゃった?って、寂しかったの。
誰に対しても言わないんならいいんだけど、舞台上から、
事細かにスタッフさんたちの名前を挙げてお礼を言うのなら、
「観客」という言葉も落とさないでほしかったかもな。
いや本当に、本名の分からないスタッフさんを通称で呼んで、
(「彼」らしいけれど、通称は女性のカタカナ名前でした)
笑いまで取ってしまうほど話も上手で面白かったんだけど。

それだけ、最後にちょっとだけ残念だったかも。
でも、本当に大好きなトートだったから、是非とも、
この13回公演(苦笑)を忘れず、再演にも来てほしいです。



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