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2006年05月05日(金) RENT the movie感想

オープニングから違う!!と思ってしまった。
監督がSOLが好きなのはよく分かったけれど、
「マークが撮ったドキュメンタリー」という姿勢から
始まってくれないと、私には全くついていきようがない。

描かれているボヘミアンたちほどの熱さも、
生死に対する実感も持たない私のようなやつには、
ドキュメンタリーの作り手としてファインダーを通した
マークの客観的な目こそが、RENTを観るに当たって
唯一最大のものだったのに、それをあっさり切り捨ててくれた。
ボヘミアンの仲間でもありつつ、HIV陽性でないことも含めて
彼らとはわずかに離れた位置であり続けるマークの視点なくして、
この作品に私がついていける訳がないと、オープニングから
既に、ちょっと諦めモード入ってしまったり。

けれど、なぜか逆に今回、
この作品から疎外感を感じることはなかった。
舞台版では、結局のところ話を本当には理解できたことがなく、
別世界の話ではあるけれど、彼らの切実さに引きずり込まれて、
何が何やら話は分からないままに引き込まれて観続けた。
初演初日、音響も悪く舞台も観にくい仮設のライブハウスで、
歌詞も聞き取れず話なんて分からないままに、飲み込まれた勢い。
熱気。私を尻込みさせ弾き飛ばすほどの生へのパワーこそが、
私にとってのRENTの魅力。それが最も足りない。
話なんか分からず、ライブ感とパワーに魅せられていたのに。

だから、いつもミミの復活では置き去りにされていたのに、
そこすら、映画では、ごく当たり前のことと受け止められた。
初めてその場面で物語から弾き飛ばされずにすんだことは
つい喜んでしまっていたら、連れにバッサリ切られてしまった。
「それって段取りどおりだったからだけじゃない?」と。

言われてみればそうかも。
最初から最後までこの映画には、熱さや切実さを感じなかった。
だから逆に、私にとっても異次元の話でなかったんだと思う。
私には一生得られないんじゃないかと思ってしまう「生」の実感、
何かを残したいと思う渇望、そんな熱さや強さがなかったから、
最初から最後まで何の違和感もなく、普通に話を追っているうちに
「あー、終わった」となってしまったんだと思う。

本来なら、マークの視点で描かれていない『RENT』なんて、
私についていけるはずがない。なのに、何の違和感もなく
最後まで観られてしまった。ここにこそ、この映画が
全く『RENT』じゃなかった証拠があるような気がしました。
初演キャストなのはいいけれど、ちょっと大人すぎたしね。
アンソニーの声は、もろに山本マークだったせいもあって、
山本君が若いうちに是非日本版再演を!という気分は、
ますます高められてしまいました。



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