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2006年04月20日(木) |
レミゼ祐一郎楽(偏り感想) |
<出演> 山口、岡、ANZA、マルシア、剱持、岡田、駒田、森、坂元 大須賀ひでき、局田奈津子、蛭薙ありさ、春山椋 伊藤俊彦、横田大明、岡田雄一、上條コウ、中右貴久 阿部よしつぐ、原慎一郎、山名孝幸、森隆二、小暮清貴 三木麻衣子、高島みほ、鈴木智香子、田島麻子 荒木里佳、村井麻友美、浦壁多恵、亜久里夏代 <場所>日生劇場J列30番
前回が、岸アンジョ&岡田マリウス(+小鈴コンブ)中心に、 熱く熱く燃えるレミゼを思い出させてくれたのなら、 今回は、山口バルジャン&岡ジャベールを中心に、 きちんと「レ・ミゼラブル」を見せてもらえたのかも。
なんか・・・、すごい良かったよ、今日の祐一郎バル。 久々に、単純な男のストーリーで見られたような。 小さな罪をきっかけに、転がり転がりして19年、 すっかり悪いやつに染まったように見えていても、 出てきたら結構マジメに働いちゃう人なんですよね。 司教館でも、ごく自然に食事の前に椅子の位置を 直してから座るという、行動を見たときに、 祐一郎さんが意図してやっているものではないだろうと 思いながらも、まともな暮らしをしていた頃の癖が 全然抜けてないバルジャンなんだなぁと思ったり。 ひねて盗みなんかしてみても、司教様の行動に、 割とストンと感動、「今、何があったんだー?!」と。 思わずよろめき手を突いたところにあった、頂いた燭台。 しみじみ見つめて、それを心の糧に贖罪に生きることに。
しかし、暗い人生ただ一つの光であるコゼットは、 最近、あまり素直に言うことを聞いてくれない。 仕方なくとも寂しく思っていたら、相愛の男が発覚。 罪にまみれた人生に光が与えられていたことこそが 奇跡であって、それは失うのが当然なのだからと、 バリケードへ現れ、汚れた自分などいつ死んでもいいから、 一つだけ願いをかなえてくれと、透明な祈りを捧げる。 そして力尽き、もはや贖罪の何をもすることもできず、 「♪死を待つ俺」となる。
こんなことを何故か感じさせられつつ観ていて、 エピローグでの間に、思わず涙腺決壊しました。 音楽に合わせて歌っているんだから待ったはずないのに、 「大丈夫、どこにいたの」から「コゼット」までの間が、 数段長くて、「ああコゼットの幻想まで見えてきた」から、 「いや、これは真実だ?!」までが見えてしまったから。 何だったんだろうな、これまでに、彼がどれほどの 十字架を背負って歩いてきたかを感じさせられたのは。 もちろん、バルジャンが罪を告白してからというもの、 一度も顔を上げすらせず拒否するというマリウスの存在も、 大きいとは思うんだけど、前回も組み合わせは同じだったし。 今日のコゼットはバルジャンに冷たいせいもあるかな?
今期レミ、山口バルジャンは2回目だったけれど、 前回(8日ソワレ)の数倍よかった。流しがなかった。 岡ジャベールも2度目だったけれど、 前回(8日マチネ)のやる気なさの百万倍よかった。 綜馬ジャベと違って、元は信頼を集める立派な警官ぽく、 それが「ジャン・バルジャン」という何かしらに見入られ、 だんだんと追い詰められて狂乱する様が、痛く苦しかった。 原作とは全く見事に違うけれど、あまりに辛かったし、 思わず、成仏してくれ・・・と、呟きそうになったり。 いやもう「成仏」って、二重三重に失礼なんだけど、 何となく、逃げ場を失って飛び込んだのはいいけれど、 未練残りまくりでバルジャンの後ついて回りそうに見えてさ(^^;
総じて今日は、プリンシパルが良かったな。 駒田テナの下水道とかも、今日は、拍手したいかなとも思わず、 ちょっと不愉快感じながら「悪いけど、その考えには、 私は、絶対同意しかねるね」なんて思ったりしてたし。 あと特筆すべきといえば、今期初見だった坂元アンジョかな。 噂をバカにしちゃいけないね。本当にもうシンバじゃなかった。 頭空っぽ筋肉バカではなく、ちゃんと社会情勢を理解して、 それを憂いてこそ戦いを始めた男だった。結構、頭ありそう。
ただ、好みかと言われると、前回観た「一緒に戦おう!」な 岸アンジョに盛り上がって、熱く燃えて参加した身としては、 独りで憂いて、独りで考えて、独りで行っちゃいそうな姿は、 ものすごく、ついていきづらいリーダーだったかな・・・。 友人がロベスピエールみたいと評したけれど、そう、かな。 バリケードも、アンジョと一緒に戦っている学生たちじゃなくって、 アンジョと、彼を見て勝手に盛り上がってる学生たちって感じ。 マリウスも、彼にとって全く特別ではないし、エポが死んだ時も、 彼を慰めるためというより、自分のミスに落ち込みかけた印象。 まあ、市民がついてきてくれないのは納得できるアンジョかも。 思想燃えしてる人以外には受けないタイプだよ。私を含めて。 ああ、マリウスが撃たれた時の動揺っぷりは違和感ありました。
アンサンブルは、「邪魔な人が(ほぼ)いなかった!!」 8日にマチソワで見せられて、とうとう堪忍袋の緒が切れて、 住所氏名入れたアンケートで、おろしてくださいと書いた某K氏も、 全編が俺の見せ場!!!と言わんばかりの過剰演技は減って、 アンジョルラスの最期で叫ぶ「アンジョルラス〜!」もなかったし。 人間として魅力的に存在している人は見当たらなかったけれど、 動き歌う大道具としての存在は、ほぼ十分だったんじゃないかと。 プリンシパルの作るレミゼの背景として、支えてくれていたかな。
とりあえず、これで私の今期レミゼ終了。全4回。 8日マチネと今日ソワレだけのはずだったのが、 噂の岸アンジョの成長っぷりと、お初の田中テナ妻確認のため、 せっかく日生まで行く日のソワレ追加して、岸-岡田に大はまり。 幕間に12日ソワレを追加して、岸-岡田楽に参加してから、 大人しく今日ソワレを見て、それで終了。岡田楽完売してるし。 観てないのは、別所・今・新妻・泉見・佐藤ってところかな。 今期で卒業生が多く出るそうだから多少の心残りはあるけれど、 まだまだ今期レミ、満足率が低いので、次を追加して失敗する 可能性を考えると、今日で〆て正解かなと思ったりもしています。 まあ、万一、楽日のそこそこの席が回ってきたりしたら、 買っちゃうだろうぐらいの未練は結構ありますが(苦笑)
・・・・だから東宝、ああいうカーテンコールはやめようって。 いつまでも明るくせずに案内音声も流さず、拍手を続けさせて 挙句の果てに、最後の祐一郎さんの一言も本人頼りで言わせる。 すごくいいバルジャンだったのに、あれで盛り下がった人、 少なくない数、いたと思うんですけどね。 私は速攻、記憶から排除したので舞台感想だけ残りましたが。
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