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2006年03月28日(火) |
『ザ・ビューティフル・ゲーム』 |
観に行った一番の理由は、題材が北アイルランド問題だから。 そして、舞台の始まりが1969年という年だったから。 私のF1歴の始まりは、1人の男への一目惚れだった。 その男は1964年にこの地域に生まれ、イギリス国籍でありながら アイルランド国旗をデザインしたメットでF1を走っていた。 なのに、ユニオンジャックを掲揚したからといって、 殺人予告まで受けたことがある彼を見てきたからこそ、 彼と同時代を舞台にした作品を、観てみたいと思った。
まあそれでも、「櫻井君主演〜?チケット取れないよ」と 引いたり、「大介君出るならチャレンジはしようかな」とか、 ミーハーな理由でも、行くかどうか揺れはしたのですが、 大した理由もなく投獄され、そういった人々に抵抗して、 牢の中でハンストを行った末、妻と、まだ見ぬ子供を 残したまま獄中死した人がモデルになった話と聞いて、 結構重い話を観るつもりで、行ってきました。
感想は、今日書こう明日書こうと思いつつ、 気がついたらズルズルと引き伸ばしてしまいました。 既にもう観劇から1週間たっています。(現在4/3深夜) 明日、次の作品を観に行ってしまうので、簡単に感想を。 すごくブルーな感想です。嫌な人はパスしてください。
『ザ・ビューティフル・ゲーム』
<時間>1幕18:30〜19:40、2幕20:00〜21:05 <作曲>アンドリュー・ロイド・ウェバー <脚本・作詞>ベン・エルトン <演出・振付>ジョーイ・マクリーニー <出演>櫻井翔、安良城紅、山崎裕太、黒田勇樹、脇知弘、 華原朋美、浜畑賢吉、安倍康律、遠藤麻綸、 青山航士、近藤大介、坂元宏旬、佐々木誠、下道純一、野島直人、 羽山隆次、原口勝、原田優一、宮川ギナ、横田裕市、横山敬、 浅野実奈子、五辻彩子、紀元由有、栗原由佳、谷合香子、樋口綾
一番の感想は「大介君にソロがある!」だったと言っちゃったら、 観劇おたくな自分としては、悲しい気分になっちゃうかな・・・。 あとは、終演後の2度目か3度目ぐらいのカーテンコールで、 いきなり沸き起こった「キャ〜ッ!」という大歓声に驚いたこと。 気持ちがほとんど動かず、平坦な気分で観終えていたから、 この声を聞いた時の「驚き」という感情が、新鮮でしたね。 下手すると、この観劇で一番面白かったことかも(苦笑)
とにかく、全体的にまったーりした作品だったんですよ。 唯一気持ちが動いたのが、まだ幸せな時代の決勝の試合中に、 大介@審判が、舞台上手から下手までグランジュテで渡った時。 あの広い青山劇場の舞台上に、なーんもセットがない状態で、 跳び上がった瞬間から落ちていくんじゃない、ちゃんと宙に浮かぶ ジュテを見せてくれた唯一の人。勿体ない!とマジで思った。
ソロはその直後、サイゴンでのシュルツ大尉程度の長さであって、 近藤大介という役者が、この舞台でどの位置を占めていたかと 人に話す場合には、そのソロで語るのが正しいんだろうけれど、 ソロで心が動いたかと言われると、微妙なラインなんで・・・。 やっぱり、踊ってなんぼの人だなぁと思ってしまったりも。 それでも今回は、ジョン(櫻井)を捕らえに来る2人組の警官の セリフの多い方も演じていたし、カーテンコールでは アンサンブル列のセンターに立っていたし、それなりに他の点も 認められてきているようなのは、嬉しかったりはするのですが。
で、作品としてどうだったかと言われると、まったり。 仮にも、サッカーに燃えていた少年たちがプロテスタントと カトリックという争いの渦によって引き裂かれ対立していく姿を 描いている作品だというのに、なーんの情熱も緊張感も感じない。 1幕はまだ、社会情勢がどうでも、少年たちはサッカーに燃え、 猛練習を続けている感じで、チームメイトの1人デル(安倍)が、 プロテスタントであるだけの理由で追い出されたりしていても、 まだメインはサッカーと恋愛という感じなので、一応許せた。 こういう青春群像劇なら、WSSの時のようにジュニアの子たちを ぞろぞろ出しておけば、もう少し格好つくのになぁと思いつつ、 ほとんどセットのないだだっ広い緩んだ世界を眺めていた。
でも2幕に入り、デルと結婚したクリスティーン(華原)が迫害され、 夜道を歩いていただけのジンジャー(脇)がテロリストに殺され、 トーマス(山崎)がIRAに入り・・・という状況になっても、たるい。 メアリー(安良城)との結婚式の夜、警察に追われるトーマスから 電話が入り助けに行くという場面では、「きっと、こんな日常の 温かい生活にすらテロが入り込む辛さを表したいんだろうな」 なんて、作者の意図を一生懸命読み解きながら観ている始末。
ただ、1つだけ弁護の余地を与えるなら、 私が2階席から観ていたというのは大きいのかもしれません。 全体的に、ただ広い舞台に、ポツンと1人2人がいるだけ、と 見えたことも、緊張感がないと感じた理由の一つだと思うのですが、 全編通して、背景の映像は美しく、頑張っていたと思いましたから。 脱獄してきたジョンが「もう仲間たちと行かなくてはならないから 時間がない」とか言いつつメアリーと会っている場面で、やたら 広々と美しい風景が広がっていたりと不思議な点はありましたが、 映し出されたベルファストの街並みの中に、彼らがいるように 見えるだろう1階から観ていれば、違った印象もあったのかも。
まあ、もう一回チケット取ってあって今度は1階なので、 一応それだけでも確認しに行ってきます。 1回じゃ理解できなかったら嫌だなと思って2回取っただけで、 理解不能な点はなかったし、もう一度観る必要も感じないけれど、 席が悪いんで、割り引いても、全く売れる気配がないんですよ(^^; どうするんだってほど下手っぴーが多い舞台だし、エンディングも あまりに何もかも放置した安易なハッピーエンドに感じるけれど、 嫌味を感じる役者はいなかったし、櫻井君は伸びそうな印象だった。 最悪、何も変化が見られなかったとしても、1幕の華原&浅野や、 2幕の安良城・華原・安倍の歌は、また聴けるのは嬉しいし、 とにかくも大介君の久々の舞台で、それなりに目立ってるし、 期待ラインをぐっと下げて、もう一度観てくることにします。
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