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2006年02月23日(木) |
『ラヴ・レターズ』(岡田浩暉&彩輝直) |
<場所>パルコ劇場F列4番 <時間>19:00〜 <出演>岡田浩暉、彩輝直
ものすごく驚きました。 正直、実は「岡田浩暉」を観に行ったんです。 プレレミのイベントで彼に一目惚れしてから、 結構、岡田マリや岡田飛行士も気に入っていながらも、 基本は「岡田浩暉」が好きなんだなと自覚していましたし。 でも、この人実は、役者としても好きなのかもと思わされて。 既に何度かこの演目は観てきていたはずなのですが、 初めて、最初から最後までマルッと納得できてしまって。
1幕でまず、驚かされました。 こんなにも本当に手紙を必要としていたアンディって初めてで。 メリッサよりも むしろアンディの方が、安定感に不安がある。 内向的で、自分を表現することが苦手なアンディにとって、 誰かを想定して文章を書くことが、どれほど必要だったか。 「書く」ことで自分のなりたい姿を理解していた彼にとって、 「メリッサ」という読んでくれる存在がどれほど大きかったか。 今まではメリッサの方こそが、感受性豊かで不安定で、 芸術肌の人間として描かれていたのに対して、 今回のメリッサは比較的「普通」の共感できる人間で、 アンディこそが、内気で自己表現が苦手な人物と描かれて。
2幕に入ると、その彼が、他にも 手紙や、手紙代わりの法律を書く相手を見つけたり、 安定を与えてくれる女性を見つけたりもし始めたことで、 逆にメリッサが、「自分が必要とされている」自信をなくし、 不安定になっていく話の展開。それでもアンディは変わらず 彼女を必要とし続けていると私たちには見えるのですが、 それに気づくことなく死に至ってしまうエンディングまで、 見事に一言一言納得できて。今まで知っていた作品と ほぼ逆の展開なのに、こちらの方が納得できるのが不思議。
最後の、アンディのメリッサの母に対する手紙も、 今までは「そんなこと言ったって、あんたはどうせ、 メリッサがいなくても平気で生きていくんだろうに」と、 少々ひねくれ気味に観つつもメリッサで泣いていたのですが、 今回は、メリッサを失ったアンディが、一体、この先、 どうやって生きていくのかと不安になってしまう展開でした。 多分、彼には政治があって、多くの支持者がいて、 思いを言葉にして伝える相手に不自由はしていないから、 大きく崩れることはないだろうけれど、メリッサほどの 読み手には、巡り会えていないのだろうと感じられてたから。
アンディが、実はこれほどメリッサを必要としていたのだと 切なる思いを綴る手紙で、メリッサは死後とはいえ幸福だろう。 けれど、彼女に逝かれたアンディの今後はどうなのだろうか? 今までのアンディには「あんたの身勝手がいけないんじゃん!」 という怒りを感じていましたが、今回は心からの同情を感じて、 以前とは全く違う物語を、非常に納得して観終えました。 アンディのシグナルに気付いて上げられなかったメリッサとの バランスも良く、非常に満足した舞台でした。また観たい。 あ、でも、2人とも相当かんでいたから、それは減らして、 咳き込みがちだった彩輝さんの体調の良い時に、ぜひ。
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