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いきなり思い立って、舞台観てきました。 いや、行きたいなぁとは思っていた舞台だけれど、 最近、チケット取りをマジメにやらなくなったので、 手帳に上演期間を書いただけで放置してあって。
普段なら、出不精の固まりの私の場合、 前売りを買ってないとまず行かないのですが、 今月は観劇数少ないし、綜馬さんに会いたいなと。 評判は全く聞いていなかったのですが、とにかく ふらっと行ってみてダメなら帰ればいいやと、 出かけてみて、買えたので観てきました。
本当は、こういうことができる観劇が好きだなぁ。 半年前から頑張って取らないと観られないんじゃ、 いつまでたっても観劇ってマニアだけのものだよ。 「今日、何か観たいな〜。あ、これやってるわ」 って、そんな観劇ライフは日本では無理かなぁ。
以下、しっかりネタバレつきの感想です。 観る予定のある人はできれば読まずに行って、 そして私の疑問に答えてほしいなと思います。
『風を結んで』
場所:サンシャイン劇場8列5番(サブセンター) 時間:19:00〜20:05、20:20〜21:45 脚本:大谷美智浩、演出・振り付け:謝珠栄 出演: 片山平吾:坂本健児、加納弥助:川本昭彦 田島郡兵衛:畠中洋、 捨吉:鈴木綜馬、轟由希子:絵麻緒ゆう 橘右近:今拓哉、橘静江:風花舞 斉藤小弥太:幸村吉也、新畑伝四郎:平野亙 栗山大輔:福永吉祥、佐々木誠一郎:武智健二
劇団のオリジナル作品にはよくあることだけど、 語りすぎの脚本で、バランスを崩している感じ。 幕末〜明治の頭という時代に生きて、しかし、 歴史に名を残すことのなかった人たちに焦点を当てた、 というからには、本来なら群像劇だと思うんですが、 最後になって綜馬さん(その時点では「捨吉」ではなく、 本名ですが名前をド忘れ。○○ゲキといったかなぁ(^^; 栗山大輔の本名は、実在の人なので分かったのですが) に過去をソロで語らせたり、いいかげん聞き飽きた、 坂健の熱い語りをデュエットさせたりという感じで。
群兵衛&弥助のその後を語った後だって言うのに、 既にエピローグに入っているというのに、今更、何? 坂健がほぼ主役だから、センターでまとめるのは いいと思うけれど、最後くらい、それぞれの人たちが それぞれの場所で歌う声が重なっていくハーモニーで 「いろんな生き方をした人々がいた時代」を、 見せてほしかったなぁと思うのですが。 いや、もともと群像劇なんかじゃなくって、 右近さんや小弥太みたいな生き方は負け組、 扱いする舞台というなら、話は別なのですが。
役者さんはよかったと思います。 特に、観に行った目的の綜馬さん。前半では、 つかみどころのない軽く怪しい、お嬢様の従者。 なのに、ストーリーテラーとして現れる時の雰囲気といい、 絶対こいつ、ただものじゃないと思わせられてるから、 佐々木が、実はある男を捜すために、一芝居うって この劇団に入ったのだと話し始めた時点で、 「あっ!」と、過去のすべてがつながる。
分かってからの一挙手一投足は泣けるんです〜。 あんな過去を背負った男なんだと思うと・・・。 あ、でも、そうか。もしかして、本来の脚本では、あの場で 「捨吉のことだ!」と分かることは意図していないとか? 分かっていなければ、最後の綜馬@何とかゲキのソロは どんでん返しで、今更な感じなんて全くなく、泣ける? それでも構成としては変だと思うし、全て言葉で語るより 見せて理解させた方が、うんと面白いと思うのですが。 あの場で分からなかった人がいるのかどうか、 ちょっと、それが知りたいかもしれないです。
あと良かったのは、畠中@群兵衛さんと、川本@弥助。 平吾と3人での、道場のへたれトリオが、可愛かったな。 畠中さん好き〜。卑怯なまでに笑いを取っていくのに、 最後はきちんと泣かせどころも〆ていくのがずるいし。 3人中、ちょっと目上だけど2人を翻弄するダメダメっぷり。 それに対して弥助は、結構マジメに反応してくれちゃう。 坂健も、群兵衛さんに振り回されてる時は自然な演技だし 「大道芸人に二言はない!」とか、マジで笑った場面も 結構多かったし、2枚目半〜3枚目ぐらいキャラで 笑い取ってる方が断然上手だと思うのですが。 シリアスは・・・、どの舞台でも、イマイチうざいかも。
今@右近は、おいしい役。 腰の位置が高いせいか、殺陣は、道場一番とか、 由希子が一目惚れして劇団に絶対入れようとか 思うほどのものには見えなかったのが残念ですが、 旗本の長男として他の生き方のできない男というのは、 今さんの堅さに似合って、とてもよかったと思う。 藍の着物も似合って、ビジュアル的にめちゃ好みだし。 この兄が、剣も家屋敷も売れずに金に困っていたら、 身売りしますと自ら言い出す妹も、分かる気がしたり。 しかし、この、ありえないほど武家娘の静江さん、 救ってくれた男に惹かれる状況は分かるけれど、 平吾と幸せになれるとは思えないんだけどなぁ(^^;
今、読み返して気がついたけれど、 そういえばタイトルって「風を結んで」なんですね。 「草を結んで約束すれば、大願成就すると言うけれど、 望みが大きければ、風でも結ばなきゃ間に合わない」 みたいな歌詞が、確かに何度もあったと思うけれど、 あれ・・・?もしかして、それくらい大きな望みを持って 生きてない人は、お門違い?やっぱり右近たちは脇? いろんな生き方自体がテーマだと思ったのは、私だけ? いや、武士道に殉じるのも、西郷殿に命預けるのも、 大きな望みと言えなくもないのかなぁ・・・。
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