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2005年01月08日(土) 『CATS』(よく分からない超長文)

新年初観劇。が、30分遅刻。理由はといえば、ど忘れ。
友人と別のチケット話で携帯メールしあっていた17:15、
相手が「ところで今日『CATS』って覚えてる?」と一言。
え??覚えてない、覚えてない。つか、ホントに???

既に開演15分前。「変だなとは思ってたんだけど。早く
言えば良かったね」と謝られてしまいつつダッシュで移動。
初劇場なので「徒歩8分」も迷うかもと思い、タクシー使用。
某事務所に近いなと思いつつ駆け込んだのが6時でした。
回転席最前列だったのに。新年早々ダメすぎ、自分。


<時間>1幕60分、2幕65分(だったかな?)
<出演(覚えている限り、目立つ順)>
 マンカストラップ:趙宇、ジェニエニドッツ:服部良子、
 ラム・タム・タガー:芝清道、グリザベラ:重水由紀、
 ガス=グロールタイガー、バストファージョーンズ:村俊英
 マンゴジェリー&ランペルティーザ(泥棒猫):李涛&章ヤヤ
 オールドデュトロノミー:石井健三、シラバブ:池田祐実子
 ジェリーロラム=グリドルボーン(海賊の愛人猫):秋夢子
 ギルバート(シャム猫軍団隊長):千葉ヒカル
 スキンブルシャンクス:百々義則、マキャヴィティ:上田龍雄
 ディミータ(茶)&ボンバルリーナ(黒)(マキャヴィティの歌):
  眞弓ヴァネッサ&増本藍、
 ミストフェリーズ:松島勇気
(以下はあまり区別のついていない猫)
 タントミール(毛足の短い猫):高倉恵美、ジェミマ:王クン、
 ヴィクトリア(白猫):坂田加奈子、コリコパット:徐元博、
 カッサンドラ:大口朋子、タンブルブルータス:齊藤翔、
 ランパスキャット:幸田亮一、カーバケッティ:三宅克典


何とか飛び込んだのは、ラム・タム・タガーの真っ最中でした。
「しばらく入ったところでお待ち下さい」と言われて待つ最後列、
そこで一目見た瞬間、「あの腰の振り方、芝さん?!」と思う。
顔は見えない。体形で見分けなんてつかない。歌ってない。
それでも、腰つきだけで分かっちゃう芝さんって一体(^^;

ただ、その衝撃が通り過ぎてみると、やっぱりラムタムいまいち。
芝さんのせいじゃない。最大の理由は分かってる。「黒い」こと。
黒ラムタム初めてだったんですが、バカバカしいくらいの
かっこ良さが感じられない〜。いいんだけど、後一歩なの〜、
やっぱり、プレスリー調の毛並みじゃなくっちゃヤだ〜(泣)
全編通してラムタムは目立つし、芝ラムタムの存在感は、
全体に薄い現在の四季の中で救われるものなのですが、
でも、白ラムタム希望。黒は、想像以上に寂しかったなあ。
(あ、いや、カーテンコールで舞台から降りてきて真っ先に、
スチャッと出した手でギュッと握ってくれた瞬間に、もう、
何色でも良い!と思った事実もあったりするのですが(笑))

今ちらっと書いたように、全体的に薄い印象はやっぱり。
これ!と目立って欲しい人ほどイマイチ感が強いのは、
全体的に平均的にできてるからとも言えるのかもだけど、
ちっとも動きが猫っぽくない上に、目立つパートになるたび、
「あなた誰だっけ?」と数瞬 悩んじゃうマンカストラップとか、
マジックにドラマ性を生み出せないから「彼が指差したから
何か起きた」じゃなく、火花や明かりが起きた場所を、
指差してるだけみたいに見えちゃうミストフェリーズとか、
きれいに歌ってるだけシラバブとかは、さすがに辛い。
泥棒猫sの曲も途中で飽きたし、それぞれ皆いいけど、
メインを張るには、ちょっとキャラクターが弱い印象。

ジェニエニドッツは観そびれてしまったので分からないけれど、
それ以外で、メインで歌い踊っていいなと思ったのは、
ディミータ&ボンバルリーナ。特にディミータは、少し前から
気軽に近づいたら「シャーッ!」とか怒りそうな姿が目立ってて、
1人の猫として魅力を感じていたところ、歌いだしてもかっこよく。
色っぽいボンバルリーナともども、猫として表現しやすい
キャラではあると思うけれど、「らしさ」にすごく惹かれたかも。

後は、踊りで惹かれた人たち。
ちっちゃくて歯切れのいい踊りだったシャムネコ軍団長。
間違ってるかもしれないけど、ふと気がつくと目で追って
しまってた気持ちのいい踊りをする猫は、多分コリコパット。
スキンブルシャンクスは、踊りとしては惹かれなかったけど、
ヨーロッパの長距離列車の中に乗りたいなー、乗ったら
猫がチョロチョロしてたら嬉しいなーと思わせてくれたので○。

全体的なことも語ろうと思うのですが、
実は、こんなに色々文句垂れ垂れでもとても感動しました。
ただ私にとって今は、『CATS』を観るに特別な時期なので。
実家は、今でこそ12匹飼っているという猫屋敷状態ですが、
17年前までは必ず、拾っても引き取り手を探していました。
その、居着いた最初の猫が、昨年夏とうとう死んでしまい、
お正月、帰省した家族が揃った状態で骨を埋めたばかりで。

たった1人で飼われていた時期が長かったせいか、本当に、
人語ばかりか人の気持ちまで解する特別な猫でした。
「尊敬されてしかるべき猫」の存在を実感しているだけに、
この舞台で尊敬の目で見上げられるオールドデュトロノミー、
彼の音楽が流れる度それだけで、猫たちと一緒になって
長老猫を見上げ、感動で思わず目が潤んでしまう私。
その彼に選ばれたからだけかもしれないのですが。

とにかく最後は、今までで一番響いてきたと思います。
今が楽しくて満足して暮らしている猫たちではなく、
自分に穢れを感じて、ただ一つの救いを求めている猫に
与えられるもの。最も小さき者が、最も高き所に上げられる。
まだ地上の喜びに未練ありありまくりで決して手放せず、
天上の喜びに まみえるなんて まだ当分先だろう自分を
感じながら、猫たちと共にグリザベラの栄光を見上げてました。
実は、ものすごく好きな舞台というわけでもないし、
チケットを取る話になった時も、少し躊躇したのですが、
今観られて良かったかなと思う。最終的に満足です。

(でも多分、『SHIROH』を観終えた友人が言った
「天に召されることこそ幸せって感覚は理解できない」には、
やっぱり、理解してもらえるよう説明できるとは思えません。
「だから『CATS』も最後でどうしても引っかかる」と言われて。
ただ、「今現在の私は、どんな状態でも生きていてこそだと
感じるからこそ、まだ地上にいるのだという信仰なのかも」と、
ぐらいなら何とか説明できるかも。どう?Uちゃん>私信)



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