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2003年08月13日(水) |
『星の王子さま』(白井晃演出版) |
とりいそぎ。『Wee Thomas』更新しました。 本当は『キス ミー、ケイト』の続きの方が、 希望者多いことは分かってるんですけど、 個人的にこちらの舞台の方が語りたくて。すみません〜。 いや、この舞台の方が良かったってわけじゃないんですけど。 以下はちゃんと、今日観てきた舞台の感想です。良かったよ!
幕:1幕70分、休憩20分、2幕60分 演出:白井晃 脚本:能祖将夫、音楽:宮川彬良、作詞:能祖将夫、振付:杏奈 出演:宮崎あおい、保坂尚輝、EPO、ROLLY(キツネ&うぬぼれ男) すまけい(王様)、松澤一之(地理学者)、内田紳一郎(実業家)、 宮川浩(点灯夫)、福本伸一(呑み助)、杏奈(ヘビ)、zeroc(バラたち)
白井演出だなぁ!という感じ。透明で幻想的で静か。 大音量や華やかな歌で観客を強引に引きずり込む舞台に慣れていると、 ある程度 意図的に作品世界に入り込まないといけない気がして、 1幕とか、少〜し退屈に感じるかもしれないと思う。 ミュージカルと銘打つ割りには音楽が少ないのも、 そのつもりで観に行った人間には違和感があるかもしれない。 でも、音楽に合わせて語っているような王様の歌もいいし、 最後にほんの数フレーズ、立ったままの飛行士の歌にも泣けた。 音楽劇だと思って観に行くと、納得できる作りなのでは。
銀色の細い枠組みを多用したセットも印象的。 点灯夫の、車輪のたくさんある自転車、きれいだったな〜。 大きな天球儀みたいなものを回して、星から星へ渡る様を表現したり、 不安定な揺れる小さな星の上でいばりながらフラフラしてるうぬぼれ男、 星と一緒にころころ転がる呑み助も、可愛らしくてちょっと切なく。 トルコの天文学者がただ一度見た星が学会で認められる場面とか、 あっという間に変わる衣装と周りの態度が万の言葉より雄弁だし。
2幕になると、逆にいきなりヘビが実際に雄弁で少しびっくり。 ここまで解説してくれんでもいいんだけど(^^;という気もしたけれど、 実はあれって皆、原作にもあるセリフだったのかな?私が単に、 音楽座の一言ずつ謎かけするだけのヘビイメージが強いだけかも。 苦手といえば、花も、何だかくねくね動きすぎて、イメージ違った。
そして、キツネ!何が良いと聞かれるとすごく困るんだけれど、 とにかく いい!ほとんど、ただ座ってるだけなのにな〜。 多分、原作にあったセリフ以外は全然 言ってないと思うんだけど、 すぐ別れるとしても、「出会う」ってことがどれほど大切なのか、 それが何を意味するのか、見てるだけで分かるのは何でなんだろう。 会えば別れて、それは本当に寂しいけれど、でも、会わなければ 分からなかった大切なものが分かるようになる。その素敵さ。
皆、本当に繊細なんだと思う。前の方の席で良かったのかも。 だって、何が良かったのか言える人なんて全然いないんだもの。 キツネもそうだし、飛行士にしたところで、冷ややかに思い返せば、 「座ってるだけ」「立ってるだけ」が多かったような気がする。 なのに、何が伝わってきたのかなぁ?読むよりずっと何もかもが雄弁で。
ただ1つだけ白井さんとの感じの違いを思ったところがあるなら、星。 最後に輝く星は、1つだけではなく空じゅうが輝いてほしい私。 何か1つ素敵なものがあるから、それに関る全てがきれいに見える。 そういう話ではなかったのかな?髪の色を思い出すから麦畑が好き、 どこかに王子さまがいるから、星すべてが輝いて見える。 そうしたら、もっともっと観終えて世界中がきれいに見えたろうに。 本当にきれいで好きな舞台だっただけに、あとポチッと1つだけ、 ずれを感じたのが残念です。でもやっぱり演出家ってすごいなぁ!
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