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2003年03月09日(日) 『ミー&マイガール』

土曜ソワレでこの舞台観てきました。
やたら長いですが、ちょっと苦情たれ気味な感想文です。
でも、この舞台そのものは大変気に入ったんですけどね。


<幕>1幕80分、休憩30分、2幕65分
<演出>山田和也、<翻訳>丹野郁弓、<訳詞>高橋亜子
<出演>
サリー:木村佳乃、ビル:唐沢寿明、
ジョン卿:村井国夫、マリア公爵夫人:初風諄
ジャッキー:涼風真世、ジェラルド:本間憲一、
パーチェスター(弁護士):武岡淳一、チャールズ(執事):丸山博一、
バターズビー卿(親族):山賀教弘、バターズビー夫人:白木美貴子、
ジャスパー・トリング卿:花房徹、
ミセス・ブラウン(サリーの下宿の女将さん):有希九美

阿部裕、青柳勝大郎、阿波連朋子、家塚敦子、石山毅、
一倉千夏、伊藤有希、宇田ひろこ、江部珠代、大須賀ひでき、
奥山桃子、柏木ナオミ、河合篤子、川原信弘、KENTARO、
小林仁、須田英幸、祖父江進、高橋真記子、ちあきしん、
中野祥子、西村直人、登坂良樹、林希、日比野啓一、
古郡やすこ、松澤重雄、松本光子、村上幸央、諸戸菜生美、
安田栄徳、吉川哲


きっと、すごーく楽しい舞台なんだろうなと思う。
観終えると気持ちがホコホコ温かくなるような話なんだろう。
悪い人が誰もいなくて互いが互いを思っていて、最後はHappy End。
客席まで降りてきて わぁっと盛り上げちゃう部分もあったりして、
さあこれがミュージカルですよ!ってな舞台なんだろうな。
その良さは感知できちゃったから、何とも不満な部分あり。
面白くはあったのよ。楽しんだ。でもね、どうも満足じゃないの。
温かくない、ってことなのかな?冷たいわけでもないんだけど。
何が悪いんだろう、うぬぅ。

もしかすると、メインキャストが少しズレてるのかなと思う。
特にビルとジャッキーに、それを強く感じたかも。
唐沢君は、『BIG』では大好きだったんだけれど、
今回は、相手への思いが伝わってこない演技が非常に辛い。
ランベスの街にサリーを探しに行く場面でも、なぜか、
何をしに来ているのか分からないから じ〜んと来ない。

それと、最初っから動きがきれいなんですよね・・・。
セリフは江戸っ子調の べらんめえにしてあるけれど、
歌い踊り始めると、まぁなんて優雅な動きかしら(笑)
翻訳が、下町=江戸っ子と思ったのか何か知らないけれど、
しゃべれば時代劇、動けば普通のミュージカルで、
一体あなたは誰??と疑問符だらけのビル。
逆に、教育後のバーバリーは非常に似合っていましたが。
とうとうランベスに戻ると荷造りを終えて出て来た時、
「あなたは本当にヘアフォード家の人間ですよ」 と
言われてキスを受けるシーンなど、ランベスの服装でも、
本当に品があって納得できる仕草だったと思うし。
ただし、タップ踏むとき、必ず足元を見るのは大減点。
ちゃんと前を向いて笑顔で踏める人のはずなのになぁ?

でも、彼の小ネタがなければこの舞台、
もっとどうしようもなく つまらなかった可能性大。
器用な手先を活かして、個人プレーの笑いをたくさんとっていて。
こんなもので笑わせられて楽しいと思うような舞台じゃないはずだと、
心の隅っこで思いながらも、それを楽しまず無視してしまうと、
舞台の大半が退屈になってしまう可能性ありありなので、
細かいことは忘れて、笑いを笑っていました。
退屈させなかったという点では、唐沢君は○。
唐沢@ビルに対しての点数は、合格点に達しないけれど。

涼風さんは、イメージが「女」じゃないんですよね。
人を振り回す小悪魔なのはいいんですけど、色気が違う。
ドロドロされたら嫌だけれど、仮にも誘惑するのなら、
もう少しは女っぽくあってもいいと思うんですが。
明るい歌になるといいけれど、前半の曲は声が合わないのか
彼女にしては驚くほど声量がないし、コロコロ声が変わって大変。
彼女の魅力は、もっと他の所にあるはずとばかり感じて。

逆に、最も心配していた木村佳乃さんは、思ったより○かも。
「とりあえず外れていない」という程度の歌ではあるけれど、
声量はあるのと、話す声のままで歌えるので違和感がないのが
ミュージカルとして嫌な気分にさせない大きな利点だと思う。
ただそれは、そのうち声がつぶれそうな不安にもつながるけど(^^;
声質も割といいし、屈託のない笑顔が明るい雰囲気をかもし出し、
演技力も歌も踊りも、とうてい合格点ではないにも関わらず、
まぁこの役柄なら似合ってるし いいかなと思わせられる。
何となく好きになっちゃう感じが大切だと思うから、
彼女は彼女として良かったんじゃないかなと思います。

メインでは、村井さんも久々に好きだったかな〜。
普通にマリアが好きで、サリーを面白がり可愛がっていて。
ランベスの酒場?でのサリーとの場面も、なかなか好き。
マリア公爵夫人は、悪くないけどちょっと冷たいかも。
なぜビルに拘るのかが理由が見えにくい演技なのと、
歌詞の分かりにくい裏声の多い歌声が、この舞台からは浮き気味。
隅っこで小ネタやってる山賀さんとか丸山さんは良かったな。
武岡さん@パーチェスターは、すごい最初の方からソロもあって、
目立ちまくっていたけれど、もともとそういう役なんですか?
ちょっとバランス的に?と疑問を感じたけれど、楽しかった。

そう、憲さん@ジェラルド!予想どおり、非常に似合っていた。
思ったよりは歌声も、涼風さんにかき消されていなかったし、
踊りになったらもちろん本業ですから!かっこ良かった〜♪
『42nd Street』が観られなかった不満が、結構 解消。
そういえば、最初の方の「この耳で聞いた」で笑ったのは、
私の周りの数人だけだったけど、憲さんファン少なめなのかな?
今回、アンサンブルはいいんですよね〜。雰囲気も◎。
元気なシーンはOKな涼風さん&本間憲一がメインになって、
大勢でガンガン踊っちゃう場面になると、気分が盛り上がる。
楽しい幸せミュージカルを観ていることを思い出せる。

セットはきっちり作り込んであって、なかなか好み。
アンサンブルは、踊れる人や歌える人をそれぞれ集めて、
人数もうまく使い分けて楽しいシーンに仕上げてくれている。
初舞台さんは「頑張ってる」雰囲気が抜けてはいないものの、
それが似合う役柄ということもあり、なかなか好印象。
なのに、一本筋を通して締めてくれている人がいない。
それをすべき主役は、全員をまとめ上げて1つの舞台を
作るより、自分独りで小ネタに走るという安易な道を選び、
演出の意図は どこにあるのか全く見えてこない。
出来が、すごく悪いというわけではない。でも、
もーーーーーっっっっと楽しくなるはずの舞台だと思う。
それだけに、とてもとても悔しい。



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