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2003年01月06日(月) 再演『ジキル&ハイド』2日目

ジキハイ再演開いて2日目、観てきました。
行く前の時点では、池田成志に対しては
「怪しい奴」(笑)というイメージがはりついていて、
誠実を絵に描いたような段田ジョンの後では
どう見えるかなぁ?と、なかなかの心配もあり。
知念さんは、初日の評判はまずまずだったものの、
初舞台だから、どれほどのものか全く分からない。
まぁ詳しく言えばこんな予想を持っていたんですね。
正直、それほどの期待感はなくて、でもこの舞台の
アンサンブル陣のハーモニーの素晴らしさは覚えてるから
それだけ聞ければS席1回の価値はあるという感じで参加。

・・・・・で。
成志ジョンに惚れた(*^^*)
もう本当に、驚愕したね、私は。理想の親友に見えたもん。
ヘンリーに必要なのはこういう人物だと、マジで思った。
融通利かないヘンリーをジョンは大切に思ってるだろうし、
ジョンの軽やかさは、考え過ぎがちなヘンリーの救いだと思う。
互いに相手の何に惹かれて友人なのかが、すごく良く分かる。
研究室でハイドがジキルに変わって見せた後、それでもジョンの
手を拒んだジキルに対するジョンの気持ちも切実に分かった気が。
友人に頼ってもらえない怒りや悔しさで、私は泣きそうでしたから。
大体はエマに感情移入しがちな私にとって、このジョンが
ヘンリーの側にいてくれることは、本当に心強かったです。

そのエマ。私も結構 好きかも。
確かに歌は、裏声になってからの声量のなさとかが
気にはなったけれど、もともとの声は結構好きだったし、
ヘンリーへの信頼から来る芯の強さというのかな?
そういう感じが前面に出ているのが、私には好印象で。
♪In His Eyesや♪あれは夢 なんて見惚れてしまいました。
やっぱり私がエマに求めるのは、まずはヘンリーに対する
絶対の愛情と信頼なので、それがあるだけで嬉しいし。
しかし、プリンシパルの中で一番納得して観られるのが
新加入の2人って、何ででしょうね(笑)

それらの人物形成を支えたのが、脚本変更かなという印象。
論議の的だった唐突でブツ切れの歌詞やセリフが、カットされたり
噛み砕かれたり説明が加わったりで、大幅に分かりやすくなっていて。
人間関係とか心情を必死で読み解こうとしたりしなくていいのは、
商業演劇である東宝ミュージカルの良さだと思っていましたが、
そこを追求し、悩まず気持ち良く観られるように変えたのは大評価。
いや、分かりにくい方がリピーター魂は刺激されますけどね(笑)

肝心の鹿賀さんは、昨日聞いたとおり絶好調に元気でした。
彼も「分かりやすさ」を追求した様子で、鹿賀節もあっさりめ、
真っ直ぐに近い歌い方で思いのほか伸びる歌声で聞き取りやすく。
♪This is the Momentなども気持ちよく、若返った印象あり。

ただそうなると今度は、ハイドとの差が減っちゃうんです(^^;
あの凄みのある♪Aliveなんて大好きだったのに、色気が減って。
ルーシーが今回非常に老けて疲れた作りのせいもあってか、
♪Dangerous Gameもルーシーの死の場面も、どうもつまらない。
こんなはずじゃないのに・・という印象の方が私には強かった。
♪Confrontationでは笑いをこらえるのに苦労しましたもん。
「同じ人じゃん・・」と苦笑するのを我慢しようとしているのに、
後ろでは火が燃え、七色の光が回り、歯車も回り、火花が散り。
どこを見ればいいんだよぉぉぉ(^^;と気が遠くなっていました。

そんな感じ。私がNYで観て惚れた
「ストーリーの矛盾は無視!とにかく勢いで魅せちまえ!」
(暴言ですが)的なJ&Hは、ますます影を潜めた印象。
多分、日本で作るものとしての方向性は間違っていないし、
私の好みにも近づいてきてるんだろうとは思うけれど、
何とはなしに中途半端で、前回の迫力は薄れた感じかも。
細かく表現する鹿賀丈史という役者の印象から考えると、
これは良い方向に思えるのに、彼の前回の迫力が消えて
寂しいのは どうしてなんだろうなぁと、疑問に思う私です。
ま、初日2日目だから。楽日を楽しみにしています。



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