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2002年11月26日(火) |
『透明人間の蒸気(ゆげ)』観劇 |
事前に、さんざんな悪評を聞きまくっていて、 ただでさえ苦手な野田脚本がどうなることやら・・と、 大いなる心配を抱えながら観てきたのですが、 遊眠社時代を観ていないからか、感想が違いました。 思ったよりは全然いいじゃん。という印象。
やっぱり、駄洒落や言葉遊びが散弾銃で打ち出され、 妄想と現実も 時間軸もぐっちゃになって分かりにくく、 まともな感想を書かせてくれないという辺りは、 さすが野田作品(^^;という印象を受けたのですが、 最後まで疲れず観ていられたし、話は一応分かったし、 言葉遊びも ちゃんと理解できて、時々は笑えたし。 野田臭が薄くて不満な人が多いのかなあ?
多分 初演では、野田さん自身が演じられただろう役を、 スタジオライフの青木隆敏という人が演じていました。 正直、今までに別の公演で見せてもらった人たちのせいで、 「スタジオライフ」と聞いただけで、演技力は諦めてました。 でももしかすると、彼が一番、私にとっての功労者だったかも。 確かに演技は「いっぱいいっぱい」が全身から溢れていたし、 上手かと言われると、う〜ん(^^;なのですが、野田脚本が自然。 「どうだ!俺は頭いいんだぞ!」という匂いを感じるから、 早々に嫌気がさすことの多い脚本が厭味なく感じられて、 おかげで最後まで観られたんだと思う。助かりました。
でも逆説かもしれないけれど、その厭味感こそが、 野田芝居の最高の味なのかもしれないなぁとも思ったり。 嫌じゃなかったけれど、特に何も残らない芝居とは感じたし。 透明感が素晴らしいと各所で褒められていた小西真奈美は、 そう?という印象しかなかったし。目を惹く華が足りない印象。 筧さんも、こんなもん?という感じで、普通にかっこよく見えた。 まあ、筧さんがかっこよく見えると言うのは、私からすれば すごーくイレギュラーなことではあるのですが(笑)
青劇サイズには合っていた舞台といえるのかな。 癖が洗い流されて洗練されて、一般向けの野田芝居かも。 結構 楽しめた。話もテーマも見えた。嫌いじゃなかった。 うまく演出されていて、役者もそれぞれ良かったと思う。 私はホッとして見られたし、野田脚本 初体験も多いだろう 村上信五ファンとかには、いいレベルだったと思う。 でも、叩きまくる野田ファンの気持ちは分かる気がするし、 すごく演劇的に勿体ないことをしているような気もします。
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