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2002年10月19日(土) |
『Mozart!』マチソワ(^^; |
土曜日に、マチソワしてきました。 昼は井上&内野。夜は中川&楓。(敬称略) 久々の大作ミュージカルマチソワで疲れましたが。
とにかく感想は、びっくり。 初日とはやっぱり全然 違う作品になっていました。 まぁ、初日は初日だからプレビュー気分で行ってるし、 今回は、良くなっていて当然の気分ではあったんですけれど、 市村さんに関しては、慣れて市村節入ってるかもという心配も。 でも、素晴らしいレオポルトになっていました!(^^) ヴォルフを心配し、そこに「自分はもう諦めた」思いがかぶる。 あぁ、これがモーパパだよなぁと、しみじみ良い感じで。
アンサンブルの歌も、席のせいかもしれませんが、 思ったよりも歌詞が聞こえてきて、ちょっと嬉しかった。 市場の場面や貴族たちなどの1行ソロ群は、聞こえないけど。 アルコ伯爵(花王おさむ)も、マイクボリューム上げた?のか、 辛うじて聞こえるようになっているのが有難い感じ(笑)
でも久世男爵夫人は、特に変わらずイマイチのまま。 歌は安定感が出て良くなったけれど、人物像が見えない・・。 これは、キャラクター変えちゃった方が、いいのかも? 連れとも言っていたのですが、この役は久世さんに向かない。 素晴らしくキュートで茶目っ気あふれる魅力がある人なのに、 どうやらこの役は、話によれば母性を出すべき役柄らしく。
でも私には、レオポルトに対して母性を象徴するというより、 モーツァルトのアマデ(才能)部分を純粋に愛した人に見えて。 同じ才能を愛しても、囲い込もうとしたのがコロレード、 伸ばす機会を与えようとしてアマデに愛されたのが、男爵夫人、 パパは、才能だけを愛するにはいろいろありすぎた感じかな?
そう考えていくと、男爵夫人は、何かを象徴するよりは、 1個の人間としての魅力を出した方が面白くなりそうな気が。 たとえ話をする時だって、あまりシリアス過ぎる感じにするより、 「ね、聞いてみて?」って感じなら、久世さんが演じる魅力が 少しでも出てきそうな気がするのですが。今のままじゃ勿体ない。 ただでさえ小池演出は面白みに欠けるきらいがあって、 コロレードのトイレシーンですら笑えないぐらいだから、 少しは余裕を持たせる人が出てきた方がいいと思うんですけど。
そして、松たか子(コンスタンツェ)。既に飽きが入りました。 初回は「思ったよりできるじゃん!」と思ったけれど、 後は、どんどん松たか子になっていくだけなんですもん。 アルドンサの時はまだ、役を演じようとする努力が見えたけれど、 こっちの方が演りやすいのかな?頑張る方向性が間違ってる気がする。 モーツァルトとのラブラブな場面も、何かプライドが高そうで、 ちっとも恋しているように見えないのが非常に嫌でした。
で、最大のびっくりは、中川ヴォルフ!! マチネの井上君も、こういう歌に慣れてきた感じで良くなってた。 でも、落ち着いてくるとやっぱり優等生だなぁと思っていたら、 中川ヴォルフ、すごいガキで暴れん坊で考えなしで、いい!(^^)
猫背でチビで、噂どおり こぶたちゃん。全然かっこよくない。 でも、自分には何かがあり、何でもできると信じている怖いもの知らず。 声帯も強いのか、声の張りも声量もカンパニー内トップクラスで、 見下ろす祐一郎コロレードと共に歌い上げまくる場面なんて、 本気で出している声の競り合いが見えて、本当に嬉しかった。 あの祐一郎さんが、気持ちよく歌い上げるだけじゃなくって、 本気で前に声を押し出して相手を圧倒しようとしてるんですよ? これは、斜めな祐一郎ファンとしても、非常に嬉しい(笑)
自分を邪魔するものに挑む姿は、若々しさが そのままヴォルフ。 思わず見惚れ、エンディングのシャウトでは涙まで出てきていました。 既に内野明音アマデを2回観てきて、天才の部分はアマデにあると 信じている私の目には、繊細で過去を背負いすぎてる井上ヴォルフより ただの成長できてないお子ちゃまな中川ヴォルフがしっくりきて。
もちろん、♪自分の影から逃れられるのか と歌うくらいだから、 何も背負ってないんじゃ困るんですけど、それも大丈夫。 ただね、お馬鹿で何も考えてないから、どうやったら逃げられるか 考えるよりも暴れて苦しんで、余計がんじがらめになって、 また暴れてるうちに、体力使い果たして才能に負けた感じ(笑) あの、本当に疲れ、苦しみ果てた感じの死に顔を見ていると、 天与の才能をもらったくせに、それに相応しい繊細さや利用法を 全く持たなかったんだね、可哀想にと自然に思えてしまう。 井上ヴォルフだと、幸せそうにも見える表情をしているのに なぜか、中川ヴォルフより悲劇のプリンス度が上に感じるので、 好みの問題かなぁという気もするのですが。
何にせよ、もう一度 観たくなってきました。 できることなら、中川ヴォルフ&内野アマデがいいのですが、 身長の関係で、この組み合わせってないんですって? ソワレで観た楓ちゃんのアマデは、可愛かったのですが、 純粋な才能の残酷さを体現したような明音アマデを 2度連続で観た後では、一貫性に乏しいような気がして。
多分 本当は、才能に殺されてしまう中川ヴォルフには 人間には不可能なほど純粋に音楽を追求させ続ける明音アマデ、 最後の血で名曲を書き上げて満足した(?)井上ヴォルフには 良い音楽を書けた瞬間は人間と一緒に喜べる楓アマデの方が、 組み合わせ的には似合うと思うんですけど、残念だなぁ。 でもどうしても中川&内野が無理なら、次は良くん希望。 しかし、『Mozart!』ソワレでも17時開演。欠勤は必須。 私、どうやって、いつ観るつもりなんだ?謎・・・。
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