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2002年03月19日(火) |
『天保十二年のシェイクスピア』2回目 |
面白かった。10日前に観た時よりずっと。 前回は25列からの初見で、今回は5列からという 距離の問題も大きいかもしれないけれど。 でもまだまだ、イマイチ感があるんだよなー。 もっと面白くなるはず!という気持ちの方が大きい。 前回より面白かったんだから、満足すりゃいいのに、 面子と脚本のせいか、もっと!と思ってしまう。
笑えたのは殆ど、安部サダヲと橋本じゅんでした。 役を自分流にこなして自由に遊んでいる感じで。 「遠くから見てるから かっこ良いんだよ」とか、 失礼なことを言っていた阿部サダヲですが、 近くで見たら更に、目を見開いちゃう かっこ良さ(*^^*) 何かもう、見事な切れっぷりにラブコールしたくって。 私、普段の舞台の彼を観たことないのに、 こんなんで惚れちゃったら、まずくないかな?(^^;
亡霊のシーンでの懸け合いなんて、 じゅんさんの遊びオンパレード+サダヲ突っ込みで、 下手すれば、全幕で一番 楽しんだ場面でした。 出演は、各劇団トップクラスの人たちばかりだし、 この「余裕」とか「遊び」が もっと出た舞台になるのが、 期待だったんですけど、何かまだ違っている感じ。 テンポ良くなってたし、歌詞が聞こえてきたし、 前回よりは良くなっていたと思うんですけど。
でも、2幕が退屈に感じるのは、どうしても、 主役2人の出番が多くなるからだと、感じてしまっています。 沢口さんは幸い、彼女一人の見せ場!というのはないので、 イマイチな演技にも だんだん諦めがついてくるのですが、 不幸なことに上川さんの役には、これ!って見せ場が多い。 そして上川さんの演技は、誰よりも遊びの少ない真摯なもの。 何もかもが彼のせいだと言うつもりはないのですが、 2幕が長いと感じるのは、実際の分数(115分)以上に、 その問題が大きいんじゃないかと思います。
一癖も二癖もあり、色気のある役者ばかり揃えた舞台で、 最も強い光を放たなければいけないはずの役なのに。 でも、彼から感じるのは「清潔で真面目な良い人」感(ToT) イアゴーに アントニーに リチャード3世と、 相手を陥れる悪の魅力に満ちた言葉を使う 美味しい場面たっぷりなのに、見えてくるのは、 「一生懸命、悪事を働いている彼ら」の姿。
そういう演技が魅力的な舞台も多くあると思うんだけど、 この舞台は、いけないと思いながらも惹かれるような 色気がないと、退屈で長いセリフだけの場面になっちゃう。 「完全超悪」と書かれたポスターの写真には、 今までの上川さんとは違う、そんな雰囲気を感じたのになぁ? 上川隆也を「色っぽい役者」と思えるようになるかと、 すごくすごく期待してたのになぁ・・・。くっすん。
何しろ、周りはちょこちょこ面白くなってきてるから、 ある日突然、主役が ふっ切れて大化けしたら、 メチャメチャ面白い芝居になりそうな気がします。 今のままじゃ、感想はどうしても「もう一声!」なんです。 こうなると本当に、大阪公演が観られないのが悔しい。 きっと、全然 違う芝居になるんだろうなぁ・・・。
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