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2001年10月30日(火) |
ただ、すごい。・・・『カスパー』 |
「人間って、すごい。」そう思う役者の舞台を観ました。
鍛えれば全身バネになるって言うけれど、この人は半端じゃない。
もう、全身、声帯・肺・心臓から内臓全てに至るまで、随意筋のバネとしか思えない。
こんなに意志の張り巡らされた体って、ダンサーでも見たことない気がする。
オープニングからして、あまりにも きれいで自然な宙づりで、息が止まりました。
タイトルが出てこない自分が許せないほど有名な 静かなクラシック曲が流れる中、
(↑曲のタイトルは、『G線上のアリア』だったそうです。11/7補記)
ゆうるりと回り、止まり、逆に回る。スローモーションで翔ける。
あの5分?10分?のためだけに、もう一度 全額払ってもいいから、観たい。
『カスパー』主演、保村大和。何だかもう、とにかく、すごい。
蜷川さんの演出助手を長く勤めていた秘蔵っ子の演出家デビュー作らしく、
観念的な芝居を、更に こねくって奇をてらった印象が強かったけれど、
主演が全てに勝ち、興味本位になったり だれさせたりしない芝居にしていたと思う。
意志の塊から発せられる声は、退屈を超えて苦痛なほど繰り返されるセリフを、
一つ一つ痛いほどに重たいボールとして、観客に打ちつけ続けたから。
思考という頭の筋肉を怠けさせまくっている私には、ボールが速く重すぎて、
最初のうちこそ、何とか受け止められていたのですが、段々 洩れが多くなり、
しまいにはボールを追うことにも疲れ、ぼうっと球筋を見るだけになったのですが、
全ての球を拾い続けられたら、何が考えられたのだろうかと、悔しく思いました。
もしかしたら、思考の習慣が足りない私みたいな人だと、球を全部受けきったところで、
「あー、いい汗かいた!」で終わってしまう可能性も、なきにしもあらずなのですが(苦笑)
実際、今の私はそのレベルですけれど、それはそれなりに楽しんだから、いいのかな?
けど、突然の100mダッシュ連続は、さすがに疲れた。次は頭も有酸素運動がしたいかな(^^;
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